夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

今やれることを

2013-08-21 06:23:29 | 福祉について
8月19日(月)

 みんなが期待した「川遊びカヌー・カヤック体験」は大雨警報の中で、惜しくも中止となってしまった。この日のために準備したものがあり、せめて天候に関係なくやれるものをやろうということになった。アウトドアは常に、天候との妥協の中にあると思う。

 ということで、あうんに集まったメンバーとこの日、「野外炊さん」体験をすることになった。朝方強い雨が1時間ほど降ったが、10時30分頃にはやんで青空が出てきてかなり暑い。初めは準備のためにテントを建てるのだが、ザーザー雨の中汗をポタポタ垂らしながらすっかり汚れきった。

 テントの後は「薪ストーブ」を2台準備して、りんごの枝をかき集めに行く。そして次は火起こし。煙突がつくとよく燃える。

 10時過ぎにはメンバーさんのうち、児童ディサービスワラハンドクラブキキの高等部のm年バーと、他事業所の利用者でカヤックを希望した方が参加して、きょうのメニュー作りを行った。メニューはカレーライスと、野菜サラダ(きゅうり・トマト。サラダ菜)づくり。まずはカレーの具を鍋で炒めます。
隣の薪ストーブでは鍋で米を炊きます。「初めチョロチョロ中パッパ。赤子が泣いてもフタとるな」とはアウトドアの飯盒炊さんで上手なお米の炊き方の目安。

 炊き方が一段落した後は、サラダの刻み方です。

 みんなそれぞれ懸命にまな板のきゅうりやトマトを包丁で切っています。

 

 刻み終えた後は、盛り付け作業。ご飯も上手に炊けました。カレーもいい具合に煮えたようです。
 カレー皿にご飯とカレー福神漬を盛りつけました。サラダも取り分けてさあ頂きます要因が集まってきました。

 いよいよ「いただきます」ですが、カレーライスは暑い時も好評です。完食!
 本来の参加対象者以外のメンバーさんも、「ん?」何かを感じて集まってきて、飛び入り参加でした。

 これから社会に出て、生活していく上で必要な要素が盛り込まれた今回の野外炊さんは、思った以上に彼らの自信につながっていたように思います。
 これからもどんどんアウトドアへ出かけようね!

 

守るべきもの

2013-07-26 07:08:14 | 福祉について
 今月の4日の夜、報道に出る前の事故?事件?を知り合いの方から知らされた。市内の某障がい者ケアホーム(定員12名)での、入居者の死亡事故。警察が記者会見をして、そばにいた入居者(重度の知的障害者)を実名で逮捕をしたと発表。記事が翌日報道され、そのとおりの記事が報道された。逮捕容疑は「必要性があったから逮捕した」というだけ。
 事実経過を新聞記事で確認すると、4日午後5時15分ごろ、夕食をすませた方(軽度の左麻痺)が食堂を少し早く出て廊下でうつ伏せで倒れた。廊下で掃除をしていた職員が、倒れた音をした方向を見ると、被害者のそばに加害者とされる人が立っていたという。その後救急車で被害者は病院に搬送されるも2時間後の6時45分に頸部損傷で死亡が確認。加害者とされる男性が、警察によって逮捕されたという。逮捕の容疑は、加害者とされる男性入居者が死亡した入居者の背中を押して転倒させ、怪我を負わせた疑い。
 発見した職員によれば、死亡した男性は左手が不自由で、右手に自分のコップと箸を持ち前のめりに倒れていたという。二人が言い争いをしたような声は聞いていないという。
 

 この事件について他人ごとではないために、職員会議で話し合うことにした。私達の職場でも十分にあり得る事件事故だからだ。
 一つは警察が何故重度の知的障がいの入居者を逮捕する必要があり、何故実名を発表したのか。次に誰もその加害者とされる男性が突き飛ばした(押した?)現場を見ていないのに、状況判断だけで、逮捕されたのか。施設側は何故、警察に彼の状態像を伝え、逮捕を阻止できなかったのか。更に警察に逮捕された時に同行して、彼を守れなかったのか。会話能力もない人が拘留され、擁護する人のいない空間で尋問されるということは人権侵害ではないのかという思いがある。
 ケアホームは生活の場であり、そんなに常時スタッフが居るわけではない。しかし火災や震災、今回のような事故などもいつ起こるかしれない。そういう緊急時に、夜勤者一人とかで対応できるわけがない。こういう時は、緊急連絡網を使って関係職員をいち早く招集する必要がある。病院に救急車で搬送するにしても、事情の分かる関係者がついていく必要がある。警察への対応や、入居者全体の安全確保も含めれば、スタッフの応援が必ず必要なのである。
 当事者の保護者への説明も、こういう場合当然急がなければならないだろう。
 事実経過を明確化して、想像で事実を曲げてはならないという事は肝に銘じなければならない。
 

模擬カフェ

2013-07-03 07:01:35 | 福祉について
7月2日(火)31.8℃ ☀から強雨☂

 今夏一番暑い日になりました。そして午後からは湿度がぐんぐん上がってきて、じとじとした梅雨を体感。

 そんな午後3時から放課後等ディサービス(児童ディサービス)「ワラハンドクラブキキ」の前庭で模擬カフェが開店。高等部のお兄さんやお姉さんが、サービスメニューを考案し、冷たい飲み物やおやつを提供してくれました。

でも、第一陣のお客様が利用した後、にわかにお空がかき曇り、雷ゴロゴロ、稲光ピカピカ。                 

 そして猛烈に強い強雨がカフェを襲いました。急遽、屋外模擬カフェは閉店し、配達カフェに早変わり。事務室で冷たくて美味しいアイスコーヒーとクッキー?をいただきました。10円でした。おいしかった!

 

「ソーシャルワーカーディ 2013 in  あおもり」

2013-06-10 16:53:36 | 福祉について
 青森県社会福祉士会・青森県精神保健福祉士会 医療ソーシャルワーカー協会・青森県ソーシャルワーカー協会の4団体の共催により、「ソーシャルワーカーディ 2013 in  あおもり」が開催企画が進行中です。

 どういうわけか私のようなものが指定発言者としてそのメンバーに選ばれており、汗をかきそうです。

 7月21日(日)アピオあおもりイベントホール 13:00~16:30

花は自分で咲く

2013-04-07 14:34:57 | 福祉について
 重度の知的障害と自閉症を併せ持ったA君。小学校3年生の頃から関わりを持っている。彼の今は昔のひ弱さも微塵もなく、すっかり成長した体躯に変わっている。
 彼は言葉が言えないことと、そのためか以前から自分の体を傷つけるという行爲「自傷」が時々見られた。自分の頬を叩いたり、自分の体をつねってあちこちが傷だらけになっていた。人の多いところが比較的苦手で、静かな場所を好む。体調が悪いとか、睡眠不足とか、服薬をしなかったりすると、この自傷行為が見られた。

 今日はご機嫌かどうかは笑顔の多さでもわかるが、自傷行為の頻度でもうかがい知れた。3月に入ってその彼が今までは見せなかったスタッフや利用者に噛みつくようになった。安全のために母親に通院を促した。
 利用者の安全を確保するために、彼にスタッフ一人がついて個室で過ごすようになった。一週間ほど経過しているが、その間の彼は心理的に安定して生活した。
 何よりもスタッフ全員が感じているのが、彼のそれまでの日常と違って、失禁することなく自分でトイレに往復し、ビーズ通しなどを短時間ではあるがやる気を見せるようになったことである。
 それまでは彼の関心は、感覚的な遊びや水を飲んでは衣服を汚して、着替えを幾度もするという行動傾向があった。

 その彼が今は別人のごとく、噛み付いたり自傷行為もしない、感覚的遊びも少ないとなれば、今までの集団生活が彼にとって如何にストレスになっていたのかということになるのではないか。 

 空間の設定のあり方は、広汎性発達障害の彼らには大きな意味を持っているようだ。今回の彼の他害行動と、服薬の継続化は少なくとも彼に大きな改善につながったように思う。言葉にならない抗議行動が、他害行動として現れていたように思う。
 今後の彼の支援方法をスタッフたちがどのようにしようとするのか、その方向性が問われている。
 

弥生はカミさんの復職月

2013-03-02 09:57:00 | 福祉について
3月2日(土)

 昨日までの好天は何処に行ったのやら、又またきょう土曜日は大荒れの天気。暴風雪警報が出ている通り、明け方から風の吹きすさぶ音がなんとも冬の断末魔という様相。

 「三寒四温」というとおりこれからはこの繰り返しで、少しずつ春がやってくるのだと思えば気分も違ってくる。

 法人事業所のパン・クロワッサンなどの注文生産が間に合わないということで、この5日からカミさんにまたお声がかかっている。
 4月から新規事業が2つスタートすることもあって、採用職員も6名であり、その職員へのパンの生産技術指導を仰せつかっていた。9月頃までのことではあろうが、復職はまた新たな生活リズムを作らなければならないことにもつながる。

 職員がパンを上手に作るのが目標ではなく、パン製造のためのノウハウを個々の障害特性に合わせて教え続けなければならないのだ。そのためには職員の定着と職業的な個別支援の力量が、障がい者の社会復帰につながっているのだ。


 

 

 

人間を「芯から支える」とは・・・

2013-02-19 07:11:59 | 福祉について
 この「人間を芯から支える」という言葉が、いつの日か私の脳裏に刻み込まれている。私が15年間特別養護老人ホームで生活指導員として、リハビリ担当をしている際に読んだ本が確か太田仁史先生が言われたこの言葉であった。

 【リハビリの基本 : リハビリは、障害を自分の中に包み込んで生きて行く、自立していく、自分の生活を自分で組み立てて行く事が本来の目標である。
 だから、体についても病院のリハビリ訓練を受けるだけでなく、自分の体を自分の意志で動かすことを学ぶことが基本である。】

  この「人間を芯で支える」ということこそ、私たち福祉の道を歩むことを生業とするものの使命ではないかと思っている。
 それではこのことを「障がい者」に置き換えて考えてみよう。
 「自立・自律」という目標が「自分の意志」をまず大切にすることとすれば、対象者自身がそこに自分で望む生き方の選択がなければならないのだろう。しかし現実に目の前の障がいのある方々は、どのように生きているのだろうか。
 知的に障害があるということもバックボーンとしては大きいことではあるが、両親をはじめとして我々現場の職員も過剰介護をはじめ意識下で過保護な側面があり、それが彼らの自立・自律性を妨げてはいないかと思うのである。
 その結果彼らの失敗経験は減り、常に依存的な生き方を余儀なくしているように思うのである。失敗もなければ成功体験も少ない彼らは、自分の主体性を失い「指示待ち」の障害者像が、こういう所からも醸成されているのではないだろうか。

 私たちは彼らに自分の心の中の自分を意識させ、その自分の内側の自分が何を望んでいるのかを制約を取り払って表現できるように支援しなければならない。その次に、その自分が望んでいることの実現のために、まずすべきことを考えさせなければならない。それが具体化したとき、初めて彼自身の実行の時が訪れるのだ。
 支援者は「失敗は成功の母」という言葉こそを、その際にもう一度想起すべきである。失敗をして痛みを伴ってこそ、それは血となり肉となるのではないか。その継続の中にこそ、自分の人生の豊かさやオリジナリティがあるのだと思う。彼らの混乱を鎮めさせ、「もう一度やればきっとできるよ」という支援が、彼らの背中にある見えない羽根に筋力をつけさせてくれるのだ。
 遠いあの日、自転車を一人でこぐことができた瞬間を、もう一度思い起こそう!繰り返し転倒しながら、ふと気づくと自分が自転車をこいでいるあの自由感、浮遊感だ。それができて初めて彼は自分の世界を広げようと思いつくのではないか。
 なんどやっても逆上がりができなかったあの日、隣の友人が「できた!」と鉄棒の上で笑顔満面になった時の、できないでいる自分の思い・・・。みんな初めはそんな風ではなかったのか。
 チャップリンの「モダンタイムス」もしかり、人間社会の現実として、大きな歯車の中で部分にしか過ぎない自分の生き方に、ある時空しさを感じる人間像。障がいがあるとかないとかは関係なく、そこに自分の主体性と目標「どこに向かって自分は生きているのか」が、わかることこそが大切なのだと思う。
 来年度の私たちの目標イメージ「書を捨てよ町へ出よう!」だ・・・。 
 

またまた自転車操業か・・・

2013-02-18 06:59:31 | 福祉について
 4月から新規に事業を二つ開始する。その事業を開始することの期待と、もう一つは資金繰りへの痛みがある。
 これまで法人で13年間様々な活動展開が成されてきたが、そのたびに「つなぎ資金」なるものが必要となって悪戦苦闘の連続であった。つまりスタート時に運転資金を持たないと、実施後3ヶ月経ってしか投入分が入ってこない。その経費は、ほとんどが人件費であるが、この経費の捻出で今回も500万円の運営資金が必要となっている。結局銀行からこの資金を融資してもらうことになるのだが、何故に福祉行政の支援というものがこの辺りで出てこないのかといつも思う。順序が逆だと思う。

 入所事業を行う法人は運転資金(剰余金)は唸るほどあるらしく、我々通所事業を中心に行う法人はいつも垂涎の思いで立派すぎる建築物を見たりしている。
 私はそれでも福祉の原点は「地域生活」=ソフト事業にあると信じているので、大規模入所施設=ハード事業は考えにもない。

 日本の福祉事業が遅れる理由が、まさにここにある気がしてならない。どんなに先駆的事業に夢を抱こうとも、結局は資金なしには思い描いたプランは儚く消え去ることもある。それ以上に夢の実現までに時間がかかって、色あせた夢が息絶えるかのようだ。

 手を挙げなければ前に進めないとすれば、やらざるを得ない。またまたこうして、わが法人の自転車操業が続くのである。

生活支援ネットワーク「ライフ」研修会

2013-02-10 13:18:31 | 福祉について
2月9日(土)

 八戸市にて「生活支援ネットワーク「ライフ」研修会が開催され、参加して来ました。
 テーマは「地域でともに生きたい~重症心身障害の方のライフステージを考える」
 
 シンポジストとして 医療の立場で「大城先生」家族の立場から「木村さん」そして相談支援員の立場では「中野渡さん」がそれぞれ発言をしました。

 大城先生は「重症心身障害児」の障害特性を説明された後、重症児がライフステージごとにどのような課題と対峙することになるのかを説明されました。
 そして親の為すべきこととして、親に代わってサポートしてくれる人をより多く確保することが大切であることを強調されました。
 そして支援する側にも必要な「顔の見える関係」づくりが大切であることも強調されました。

 木村さんは重症のお子さんとの37年間の歩みを、時系列で紹介されました。木村さんのお子さんは我が家の長女と同じ年であり、青森県守る会をともに立ち上げた仲間でもあります。母一人で重症児を育て上げたことの苦労は、計り知れないと思います。
 我々もそうですが、人生の折々をたくさんのサポーターに助けられながら、現在があるのだと再確認しています。

 冒頭のテーマである「地域で共に生きたい」という思いをどのように実現するのかということがテーマですが、24時間365日とその人生の折々を支援するための仕組みと、社会資源である各団体や機関が、どのように連携してサポートしていくのかが問われています。
 「地域自立支援協議会」の役割が問われていると思います。現実的にはこの協議会がどの市町村も十分にその期待に答えているという話を聞いたことがありません。
 障害者福祉の行政機関、教育機関、福祉団体、当事者などそれぞれの持っている機能や役割を果たすことが求められていますが、現実的には構成されている団体それぞれの勉強不足であったり、実現のための行動に繋がらないという課題が解決されていないようです。

 今後は障害者福祉の分野でも「ケアマネジメント」という、個別支援の専門的なアプローチが今後深まっていくことが求められているようです。
 
 

2013年度の計画を練る

2013-01-24 06:53:22 | 福祉について
1月24日(木)

 年度末のこの時期、幹部職員に対して「事業運営方針」を示した。これをもとにして、それぞれの役割分担で各課ごとに事業計画が策定される。明日は合同会議で、各事業所の職員が集まる。出席者全員に提案書を配布して、本年度の業務改善事項を提案してもらうことになっている。決められたことだけを遂行するだけでは、質の向上は図られない。
 ということで、このところ私なりにも次年度の改善事項を考え続けている。

 昨日担当課スタッフと、空き時間を見ながら少し意見交換をしている。

 一つ目が生活介護対象者グループA(重度重複障害者)の支援内容の見直し
 二つ目がケアホームのドアツードアの送迎見直し
 三つ目が生活介護Bグループの、生産活動内容の見直しである。

第一の課題では、グループAの支援内容見直しは、今支援している内容のほかに、プラスアルファ活動を具体化すること。一日短時間でもその人固有の楽しみを身近にする時間と空間を確保支援すること。幸いなことに昨日は、市ボランティア支援センターから音楽ボランティアの申込もあり、外部支援も活用する方向でも検討できそうな気がしている。
 毎月の「みんなのうた」を一ヶ月ずつ通して歌う時間を持つこと。
 もう一つはこれも外部資源を活用して、ジャズダンスもしくはエアロビックス的な音楽を通じて樂しく体を動かすプログラムを開発すること。

 第二の課題ではケアホームの生活改善である。事業所から送迎バスに乗ってまっすぐケアホームの玄関に到着する生活が続いているが、本来の社会的な生活とはもっと気まぐれなものではないだろうか。
 せめて天気の良い日くらいは、寄り道をしながら帰ることもあって良いのではないだろうか。特に自分で帰ることの可能なメンバーにいたっては、歩くことの大切さをもっと感じて欲しいと思う。ということで、一日何歩という目標づくりをして、万歩計をつけていろんな場所からのケアホームまでの道草の日を作ることを考えている。あそこの映画館まではケアホームから歩いて何歩と記録して、ケアホーム周囲のマップづくりなども樂しいかもしれない。

 第三のBグループの生産活動の見直しは、現在作業棟工事が進んでいるが、生産活動による月3千円を稼ぐための計画である。
 今は自助具を制作して法人の畑で生産作付けしている大豆を使用しての、打豆づくりが調子がいいと聞いている。そしてもう一つが、手作り醤油づくりである。これも大豆を使用しての、大豆麹を作ることから始まる。



 重度の対象者で潜在的な能力を秘めている宝のような原石として、みんなで磨き上げることで彼らを輝かせることを又今日も考えたいと思う。