夢発電所

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岩木地区敬老会アトラクション準備

2007-09-05 07:17:58 | 私と福祉とであいの旅
 市町村合併による社会福祉協議会の一本化と、それまでの行政依存型の住民福祉が、今その内容の変質を求められている。5月に発足した弘前市社会福祉協議会に岩木地区社会福祉協議会という分会ができ、役員が構成組織された。年間の地域福祉活動計画が具体化されて、その最初の行事が岩木地区の「敬老祝賀会」である。私は町のボランティア会としてこの敬老会のアトラクションの総合司会と、地区社会福祉協議会役員の演芸を企画準備を担当することになった。
 75歳以上の長寿者の演芸で、何が一番わかりやすく楽しめるものになるのかを考え、またその出演者の構成を見れば、とても練習回数を増やしたり、台詞を覚えてこなせるような役者はいなかった。こうして考えたのが青森県人がこれまで親しみ続けている楽しみの一つ、そして今なお郷土出身の方々の活躍の場「大相撲」をアトラクションにすることにした。タイトルは「幻の最終戦・栃若戦う大相撲岩木場所」とした。弘前市出身で国民はもとより弘前市では未だにそのファンは忘れ得ない「第45代横綱若乃花」とマムシの異名を取った「横綱栃錦」の取り組みを再現する。若乃花は70歳、栃錦は既にこの世になく、往年の好一番を思い出している若乃花。それが夢の中で実現した。
 登場人物は呼び出しには民生児童委員協議会会長O氏。行司は同じく社会福祉協議会副会長のI氏。横綱栃錦は我があうんのある町会の区長I氏。若乃花は我が家の隣に住む地区社会福祉協議会会長であるT氏。審判長は役員監事の方にそれぞれ依頼した。
 この数週間大相撲の一からの勉強をした。それは呼び出しや行司の服装、関取のマワシ。行司の軍配などの所持品がどのようなものであるのかから始まった。予算は1万円以内。相撲のふれ太鼓の録音や、行司の衣装などは100円ショップで和紙を購入して、作った。室町時代の武士の衣装だという行司の衣装は、烏帽子や軍配も含めて全て手づくりである。昨日の夜我が施設に練習に集まった役者の皆様に、演芸の概要を説明し、出来上がった衣装合わせと流れを説明し、3度ほど練習を行なった。
 若乃花役の会長も寄る年波の影響でか、相撲の蹲踞(そんきょ)が膝が痛くてできない。止む無く椅子を準備しての蹲踞を行い、熱戦の中での「行司待った」は高齢(70歳)の二横綱が息が上がってしまい酸素吸入をするという水入りならぬ酸素入りでの小休止場面が場内を沸かせることになる。酸素ボンベも作成したのである。
 こうして第1回目の練習が終了した。やはりというかいざやってみれば、我々が日常的に慣れ親しんでいるこの大相撲の、詳細を考えると見ているようで見ていないことがたくさんありすぎることが実感された。「行司の軍配が返る」とはどういう風に動作をするのかや、力士の所作などもいざやろうとすると、ちんぷんかんぷんである。今夜また第2回目の練習を行って、残るは本番前日のみの計3回。とにかくお年寄りを笑わせることができれば、成功といえるだろう。今夜は時間測定をするのだが、15分間の演芸である。衣装も実際に合わせてやってみれば、マワシがゆるゆるで途中の熱戦でずり落ちたり、お相撲さんの胸や腹の肉を、パンティストッキングに綿を詰め込んで腹や胸に縛り付けた。
 一見この準備が大変そうには見えるかもしれないが、私にとっては実はとんでもなく楽しいのである。脚本作り、衣装や道具の構想、考証。何よりもその準備過程に楽しく練習を通じて参加者の心が一つになって行くのは、たまらなく面白く嬉しいことでもある。これを契機に地区社会福祉協議会役員が、何ごともお互いに助け合ってやればできないことはないことをみんなで確認したいと思う。