夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

キタアカリの収穫

2007-09-14 07:03:15 | 岩木山麓 しらとり農場日記
 朝方から強い日差しが照り付け、農場へ行く準備をしている最中から汗ばんでいた。昨日あうんメンバーが農場用のフローリングの板洗いをして乾燥しているものを、きょうはトラックにつけて持っていこうとしていた。それにしてもきょうは朝から暑すぎる。久しぶりに農場にアイスキャンディでも買って行くかと思って、岩木川の袂にある「小山内アイス」に立ち寄った。シャーベットとキャンディを購入し、ハッポースチロールの箱に詰めた。店のおじさんにいつまで営業するのですか?と訪ねると、一年中やっているよとのこと。氷も販売しているので、そこそこに売れているのだろう。店の中にカキ氷やソフトクリームなどを食べるスペースとして、食堂風のテーブルが設置されていた。
 やまなみロードを走ると急に岩木山から雲が湧き出してきて、さっきの日差しが消えた。アイスの魅力がなくなっちゃうかな?とふと思った。農場の入り口を過ぎると、左の畑でオーナー夫妻とウーファーのKさんが種まきをしていた。春菊と小松菜だという。それにしてもこの小松菜の種の小ささは驚きだ。紫色の1ミリから2ミリ程度の仁丹のように丸い種は、なかなか条蒔きをするにも繊細な作業だ。2~3センチ離して蒔いて、その後土を両サイドからあわせるように軽くかけていくのだ。
 持参したキャンディをみんなで食べたあと、オーナーが「アッ」と大きな声を出して何かを拾った。それは黒曜石なのだろうか、4~5センチの黒く輝く石は美しく輝いていた。「ここには存在しない石だから、縄文の人々が持ち込んだのかもしれない」と、オーナーが語った。「この畑の湯ノ沢遺跡の出土した土器類は、旧岩木町の中央公民館のガラスケースの中に展示してあったよ」と、オーナーが教えてくれた。一度確認してみたいとふと思った。この小松菜の畑付近はまだほとんど手付かずの、縄文土器も滞留しているらしい。農場の景観として、岩木山側のオーナーハウス(西)から農場入り口(東)までは、緩やかな傾斜地であり、中間部の胡桃林付近では縄文土器の大物が多数出土したらしい。北側と南側には沢があり、川が流れており、胡桃や栗なども多数植生しているので、生活しやすい環境だったのだろう。
 小松菜の種を蒔いた後、みんなで今度は道路の反対側(北側)のあうんの畑の隣にあるジャガイモ畑で「キタアカリ」のじゃが芋掘りを行なった。軍手をはいて手で掘り起こすのだが、なかなか最初は土がうまく掘れないくらいに硬くて、更に草や笹竹も混じっているので、作業がはかどらない。しかし、親指を土に差し込みながら、芋を探し当てる方法を自分なりに工夫できるようになると、ようやく感覚が身についてきた。キタアカリはジャガイモの中でも澱粉質が高いのだろうか、その肉質は黄色というよりも赤みがかっていてとてもうまい。男爵芋のように丸みがあり、外観も少し赤みがかっている。オーナーの話しでは、「美味しいのだが、なかなか大きさが一定しない」と語っていた。
 キタアカリを焼いてバターと塩でいただくのもいいなあと思った。
 なんとかお昼までに畝を二つ分掘り起こして、収穫用の箱に4箱回収し一番上の小屋に保管した。あと畝は12あるから、しばらくはこの芋掘りが作業の中心になるのだろう。あうんでも先週収穫したダンシャクが味噌汁に入り出した。少し乾燥させてからでないと、澱粉質の味は乗らない気がする。
 昼食はオーナー夫人の豆腐のゴーヤ―チャンプルーだ。ササゲ(さやえんどう)も入っていて、美味しかった。ゴーヤ―は苦味はあるが、ウーファーの冬ちゃんのお母さんが8月に訪問した時、沖縄出身らしく調理方法を教えてくれたせいかとても美味しく感じた。ウーファーのKさんは横須賀出身で、聞けば栄養士の資格もあるらしい。食事もそのせいかゆっくりで、よく噛んでいるとオーナーが語った。そう云えば自分は食事の際の咀嚼はいいかげんだなあと思う。食事の咀嚼が早すぎるのだ。1時間もかかってカミサンが料理してくれても、恐らくお酒がなければ10分で終えてしまうような気がする。これでは、作る側も気が乗らないだろうなと思ったりもする。でも1回の咀嚼を30回などと考えながらの食事もどういうものかなとは思う。窮屈な食事よりは、気楽に味わって食べるのが一番美味しく思えるのだから、まっいいかっ…。