夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

POEM/畳

2007-09-30 12:04:43 | 創作(etude)
 職場から帰宅して
 玄関を空けると
 ぷーんと
 い草の匂いがして来た
 あっ畳替えしたんだ
 
 畳表はい草である
 まだ新しいので
 色も青い
 女房と畳は新しいものに限る
 なんていうことわざがあったっけ

 でも
 畳はそれぞれの部屋で
 それぞれの家庭の
 日々の暮らしを
 知っている

 日々の家族の
 暮らしの匂いだったり
 汚れだったり
 傷だったり
 日だまりの色だったりする

 お父さんが
 酔って寝転がったり
 お母さんが
 涙をこぼしたり
 お姉ちゃんが
 足の指に
 マニキュワを塗って
 たらりとこぼしたり
 家族がすき焼きを囲んだ
 幸福の溜まり場だったりするんだ

 古い畳だからこそ
 知っている家族の
 歴史がそこにある
 その畳が替るのは
 なんだか切ない

 新しい畳が
 また新たな日々の
 証言者として
 部屋部屋に
 敷き詰められていく
 その家族の
 個性に合わせて
 なじんでいくのだろう
 家族の成長は
 畳の風格でもある
 畳は癒しの和風カウンセラーだ
 
 

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2 コメント

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見守ってくれている…。 (むすびちゃん)
2007-10-01 18:35:22
畳が知っている家族の歴史…。

畳に卓袱台が極普通の暮らしだった頃、畳や座布団に食べ物をこぼしては、小言を言われたことを思い出しますね。

もう30歳になる甥が7歳位だった頃のお正月、手元が狂って、座布団一面にお醤油の海になったのです。甥も親戚が大勢集まり興奮していたのですね。

随分口うるさかった私の父が、孫には優しい眼差しで、大丈夫だと一言。子どもと孫では対応が違う!懐かしいシーンです。

私達も家庭をもって27年になります。自分達自身も大分くたびれて来、壊れたり無くしたりしたものもたくさんありますが、最初に買った小皿は一枚も欠けずにあります。ずっと見ていてくれたようで、使う度に粗末にはできない気持ちになります。これは家族への感謝と自分へのささやかなエール?かもしれませんね。
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むすびちゃんへ (なりたはるみ)
2007-10-02 06:08:21
 昔からの畳は上手に使えば、普通50年間はもつと畳屋のお爺さんが語っていました。畳表だけを変えれば、裏返して使うことも可能なのでしょうね。
 どこの家でもみな孫や子どもの成長ぶりが、あちこちの家具や建物に残っていますね。忘れられた思い出、忘れられない思い出の数々が古さの裏側に隠れているようです。
 そうですか、27年間ご主人とご一緒にお子様方を育てられたのですね。お互いに酸いも甘いも知り尽くしている夫婦こそ、長持ちの秘訣かもしれませんね。我が家も32年です。後半の人生を楽しみましょう。
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