夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

旧暦8月11日

2007-09-21 08:22:18 | つれづれなるままに
 今朝は朝から日差しも強く、最高気温の予想は31℃で暑くなりそうです。発汗しない娘達はこういう暑さに弱く、たちまち生活リズムが崩れます。日中に眠りが多くなるのです。先日涼しくなったので、もういいかと古い扇風機をおばあちゃんがしまった途端に暑さが舞い戻りました。
 13年ぶりにきょうから家の改修工事が始まります。畳替え、クロスの張替えなど痛みの進んだ場所などの改修です。使い勝手の悪いところの見直しをしています。リーダーはカミサンで、大工さんとやりとりをしていて、私はお茶碗を洗っています。大工さんがそんな我が家を見て、感心しています。
 この大工さんは同じ町内の叔父さんで、とても丁寧な仕事振りをずっと見てきています。何度も家を建てられるわけではないので、なんとかこうして10年単位で補修していこうと思っています。
 しばらく落ち着かない日々が続きそうです。でも、これで冬に入る前に仕上がれば安心なことです。

ナイチンゲールとヘンダ―ソン③

2007-09-21 00:06:26 | 私と福祉とであいの旅
 わたしが看護の重要性をナイチンゲールとヘンダ―ソンに見るのは、病者を作り出さない衛生的な環境作りと自然治癒力を引き出そうとする看護姿勢にある。特にヘンダ―ソンが看護の独自機能としてあげた考え方(価値観)と14の基本的ニードは普遍的な考えだろうと思う。
<看護の独自機能>
 看護の独自機能は、病人であれ健康人であれ各人が、健康あるいは健康の回復(あるいは平和な死)の一助となるような生活行動を行なうのを援助することである。その人が必要なだけの体力と意志力と知識とをもっていれば、これらの生活行動は他者の援助を得なくても可能であろう。この援助は、その人ができるだけ早く自立するように仕向けるやり方で行なう。 

<14の基本的ニード>
 1 正常に呼吸する
 2 適切に飲食する
 3 身体の老廃物を排泄する
 4 移動する、好ましい肢位を保持する
 5 眠る、休息する
 6 適当な衣類を選び、着たり脱いだりする
 7 衣類の調節と環境の調整により、体温を正常範囲に保持する
 8 身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する
 9 環境の危険因子を避け、また他者を傷害しない
 10 他者とのコミュニケーションを持ち、情動、ニード、恐怖、意見などを表出する
 11 自分の信仰に従って礼拝する 
 12 達成感のあるような形で仕事をする
 13 遊ぶ、あるいは、ある種のレクリエーションに参加する
 14 正常な成長発達及び健康へとつながるような学習をし、発見をし、好奇心を満たし、また、利用可能な保健設備等を活用する

 私たちスタッフはこういう学習と価値観を共有するための討議を積み重ねながら、生活の場作りのための環境整備に乗り出した。
 1.離床運動
  ①ベッドの脚を切断して、ベッドの横に座った時に足関節が直角に保持されるよう、車椅子に水平移乗できるようにした
  ②車椅子を増やした
  ③P・Tを招聘し機能訓練を開始した
  ④柔らかな布団からやや固めのマットを導入した
  ⑤移動が一人で容易にできるように移動バーを備えた
  ⑥一日の垂直座位の離床時間を最低4時間とした

 2.生活の場への改善
  ①排泄はトイレで、娯楽はホールで、食事は食堂で、日中は普段着に着替える
  ②夕食時間の午後6時体制確保
  ③排泄自立を目指した個別排泄特徴の調査とオムツ外し
  ④作業療法への取り組み
   ・料理クラブ
   ・洗濯クラブ 
   ・趣味活動の外部講師の導入
  ⑤胃ろうなど経管栄養の方への口からの喫食援助
  ⑥病院的な環境から、生活の場を意識した環境調整

3.取り組み成果
  ①オムツ対象者の4割から1割への減少
  ②離床時間の完全4時間以上確保
  ③生活が活性化・自治会の結成など
  ④スタッフの生活の場確保のための意識改革が進んだ
  ⑤口腔からの食物摂取援助により、経管栄養の方を解放
  ⑥入所者の有用感が高まり、自主的な作業への取り組みが活発化
  ⑦床ずれゼロの環境が確立された

 こうして医療的な環境から、ようやく入所者の自主的な生活の場へと変化して行った。
いかに我々支援する側の意識によって、それが左右されるかが、ここに現れている気がする。スタッフ間の共通した価値観を持つことも重要な意義がある。そのためにはそれぞれが専門性を高めることはもちろん、ナイチンゲールやヘンダ―ソンを古典として捉えることなく、もう一度人間のあるべき姿と看護視点を再確認する作業が必要だと思う。それは心身の生活障害にとらわれることではなく、その人個人の尊厳の保持や、自立というADL(生活日常動作能力)ともう一方でのQOL(Quality of Life:生活の質・生命の質・人生の質)の確保や点検が重要なことは言うまでもない。