10月28日
studio L代表 山崎 亮氏の講演を聞きに行きました。彼はまだ35歳の若さだそうですが、滑舌のいい男でした。
今回の話は石川県の海士町(あまちょう)の長期総合計画づくりに参加して、2010年度グッドデザイン賞をそのプランが受賞した時のお話でした。
財政再建団体になった北海道の夕張や、我が青森県にも4つほどある自治体の財政危機団体があります。この海士町は、まさに全国最下位の経済危機を脱出した町です。
石川県松江市からフェリーで3時間30分。一日3便程度の交通も不便な、島のお話でした。隠岐の島(おきのしま)は聞いたことがありますが、その辺一体には小さな島が点在しています。「承久の乱(変)」で後鳥羽上皇が幽閉された島といったほうが分かるでしょうか。
高齢化率は39%。農業や漁業も50歳代以上が殆どで、75歳以上の階層が多い町です。少子高齢化のはっきりした町は、今年には高等学校も廃校の予定だったそうで、そうなれば3時間以上もある松江まで通うことは困難です。高校進学者は必然的に下宿するしかないのです。港湾工事などの公共工事を中心になんとか仕事にありついてきた人々が、今やそれもなくなって人口は減るばかり。
そういう町がどうして復興したのか・・・というのが今回のお話でした。
従来の行政依存型の総合計画づくりではなく、住民と行政が一体化した街づくり計画が実現したことによる成果がこの町の変化につながっているようです。それは「しあわせ」というキーワードを、町民全体が膝を交えながら考え、行動した結果でしょう。
東京のような都会ぐらしと、島の暮らしでどちらが豊かで仕合せな暮らしなのか・・・。
マイナスイメージを持ちながら暮らすよりも今一度、外目線で物を考えることによる価値観の転換。例えば、東京よりも自然環境は豊かで美しく、食材も安く新鮮。車に鍵をつけたまま駐車できる安心安全な町。人と人が寄り添って暮らせる街。
幸福になるための仕掛け作りを町民に考える機会を作ったスタジオLは、幸せになるためには自分たちで行動するきっかけを作っています。それは町民全体でのワークショップの繰り返しです。その中で、1人でできること、10人でできること、100人でできること、1000人でできることというテーマ設定は、まさに目からうろこの問いであったように思いました。それぞれの得意の組み合わせにより、今直ぐできることを具体的に考えていったのです。
全国1低い生活から、一気にそれまで抱えていた難問を解決に向けて成果を上げていった海士町。2300人しかいなかった島に、その後 Iターン組が200人以上やってきているということです。小さな島だからこそ実現できること、それこそが本来人間の求めていた生きがいや、安全安心、豊かな暮らしを知らしめたようです。
人と人の組み合わせをネットワーク化するスタジオLの役割は、とても評価されていいものかもしれません。
studio L代表 山崎 亮氏の講演を聞きに行きました。彼はまだ35歳の若さだそうですが、滑舌のいい男でした。
今回の話は石川県の海士町(あまちょう)の長期総合計画づくりに参加して、2010年度グッドデザイン賞をそのプランが受賞した時のお話でした。
財政再建団体になった北海道の夕張や、我が青森県にも4つほどある自治体の財政危機団体があります。この海士町は、まさに全国最下位の経済危機を脱出した町です。
石川県松江市からフェリーで3時間30分。一日3便程度の交通も不便な、島のお話でした。隠岐の島(おきのしま)は聞いたことがありますが、その辺一体には小さな島が点在しています。「承久の乱(変)」で後鳥羽上皇が幽閉された島といったほうが分かるでしょうか。
高齢化率は39%。農業や漁業も50歳代以上が殆どで、75歳以上の階層が多い町です。少子高齢化のはっきりした町は、今年には高等学校も廃校の予定だったそうで、そうなれば3時間以上もある松江まで通うことは困難です。高校進学者は必然的に下宿するしかないのです。港湾工事などの公共工事を中心になんとか仕事にありついてきた人々が、今やそれもなくなって人口は減るばかり。
そういう町がどうして復興したのか・・・というのが今回のお話でした。
従来の行政依存型の総合計画づくりではなく、住民と行政が一体化した街づくり計画が実現したことによる成果がこの町の変化につながっているようです。それは「しあわせ」というキーワードを、町民全体が膝を交えながら考え、行動した結果でしょう。
東京のような都会ぐらしと、島の暮らしでどちらが豊かで仕合せな暮らしなのか・・・。
マイナスイメージを持ちながら暮らすよりも今一度、外目線で物を考えることによる価値観の転換。例えば、東京よりも自然環境は豊かで美しく、食材も安く新鮮。車に鍵をつけたまま駐車できる安心安全な町。人と人が寄り添って暮らせる街。
幸福になるための仕掛け作りを町民に考える機会を作ったスタジオLは、幸せになるためには自分たちで行動するきっかけを作っています。それは町民全体でのワークショップの繰り返しです。その中で、1人でできること、10人でできること、100人でできること、1000人でできることというテーマ設定は、まさに目からうろこの問いであったように思いました。それぞれの得意の組み合わせにより、今直ぐできることを具体的に考えていったのです。
全国1低い生活から、一気にそれまで抱えていた難問を解決に向けて成果を上げていった海士町。2300人しかいなかった島に、その後 Iターン組が200人以上やってきているということです。小さな島だからこそ実現できること、それこそが本来人間の求めていた生きがいや、安全安心、豊かな暮らしを知らしめたようです。
人と人の組み合わせをネットワーク化するスタジオLの役割は、とても評価されていいものかもしれません。