鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

雛祭図縁頭 Morichika Fuchigashira

2013-01-28 | 縁頭
土屋守親作年中行事図一作金具から


雛祭図縁頭

 雛人形に関わる風習とは、古くは人形を自らの依り代とし、病魔など邪悪な要素を移らせて川に流し去るという、禊に通じる呪術的なものであった。流し雛は今でも各地に残されている。また、雛人形を村はずれの祠などに納めるという地域もあった。これも流し雛を同じ意識からなるもので、それが故に雛人形あるいは単なる人形であっても拾ってくることは忌避されたのである。自らの身体の代理とする意識は、後の雛鎧を寺社に奉納して自らの安全を願う意識に重なる。雛飾りは、元来は三月はじめの巳の日に行われた風習の一つ。曲水の宴も有名。この縁頭は、今の季節感では少し時節も違っているが桃の節句といわれるようにその一枝を飾っており、行事の一つとして行われる蹴鞠も添えている。


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