鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

鍾馗図鐔 常重 Tsuneshige Tsuba

2011-09-30 | 鍔の歴史
鍾馗図鐔 (鍔の歴史)


鍾馗図鐔 常重

 江戸中期の奈良派の金工と伝えられることから、安親とほぼ同時代あるいはその直後の金工と推測される。和漢の人物を題材とした大胆な人物描写で知られている。専ら真鍮地を用い、古色溢れる風合いを演出している。
 真鍮地は、先に紹介したことがあるように、室町時代中頃の応仁鐔と呼ばれる作から多くみられる。多くは文様部分にとられる程度で、地金を真鍮に求めるのは桃山頃の埋忠派辺りからであろうか、その渋い質感は適切な画題と適合すると、見事な調和美となって視覚を刺激する。奈良派の金工も真鍮地を多用している。そして、多くが成功しているようである。76.5ミリ。


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