枝菊図鍔 武州
枝菊図鍔 武州
折り重なるような枝菊。巧みな構成で、これらを立体的写実的に彫り出している。密集する葉も活かされている。背景はもちろん透かし抜いて主題を浮かび上がらせており、重なる様子も平坦ではなく、確かな奥行感がある。菊は様々。花により質感を微妙に違え、細筋を浮かび上がらせている。この鍔では、朝露を意味する金の露象嵌が効果的に採り入れられている。露象嵌は、古典的な秋草図には欠かせない要素の一つで、陽の光に輝く露が季節を感じさせるのだ。背景を省略する透かしも、古典の唐草を想わせる構成へと視覚的な狙いがあるのだろう。このような精巧な彫刻は武州鍔工の得意とするところ。
枝菊図鍔 武州
折り重なるような枝菊。巧みな構成で、これらを立体的写実的に彫り出している。密集する葉も活かされている。背景はもちろん透かし抜いて主題を浮かび上がらせており、重なる様子も平坦ではなく、確かな奥行感がある。菊は様々。花により質感を微妙に違え、細筋を浮かび上がらせている。この鍔では、朝露を意味する金の露象嵌が効果的に採り入れられている。露象嵌は、古典的な秋草図には欠かせない要素の一つで、陽の光に輝く露が季節を感じさせるのだ。背景を省略する透かしも、古典の唐草を想わせる構成へと視覚的な狙いがあるのだろう。このような精巧な彫刻は武州鍔工の得意とするところ。