鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

品玉図小柄 恒斎 Kosai Kozuka

2013-01-21 | 小柄
品玉図小柄 恒斎


品玉図小柄 銘 恒斎(花押)

 品玉とは、今で言うところのジャグリング。猿回し同様に正月や寺社の縁日など街中で見られた芸の一つ。宙を舞うキセルや玉が、恰も糸で操られているかのように元の手に戻る。神技とも言いうる妙技は手妻(手品)に通じよう。現代の手品は、そのネタが科学的な分野にまで広がっており、手や指の技を巧みとする本来の面白みから離れてしまったのはつまらないが、ジャグリングの妙技は何時見ても飽きない。この図も時代を見事に映し出しており、江戸時代を知る資料としては優れている。朧銀地高彫金銀素銅色絵。裏板に毛彫と金色絵で梅樹を描き、正月の季節感を演出している。