鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

猿と注連縄図鐔 Tsuba

2013-01-10 | 
猿と注連縄図鐔


猿と注連縄図鐔

 注連縄の下で猿が遊ぶ図にも見えるが、被り物をみると、どうやら猿回しの猿のようだ。即ち、正月を祝って家々を廻る門付芸の一つ。現代でも演芸の一つとしてみることが出来るも、江戸時代には主に正月を彩る風習の一つであった。赤銅魚子地を高彫にし、金銀素銅の色絵を巧みに配している。裏の注連縄の構成も美しい。無銘で、京都金工一宮派と極められている。

福神相撲図小柄 Kozuka

2013-01-10 | 小柄
福神相撲図小柄


福神相撲図小柄

 多くの古い太刀や武具などを所蔵していることでも知られる大山祇神社では、田植えの頃と収穫の頃に一人相撲行がわれている。一人相撲は自然の恵みをもたらす神と相撲をとることによって豊作を祈り、また、祝う儀式。一方、七福神の相撲は正月の祝い事の一つであり、室町時代の後藤家の目貫にこの図があることから、七福神思想が大流行した江戸時代に至る以前に、すでに意識され理解されていたことが分かる。