鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

越後獅子図目貫 土屋 Tsuchiya Menuki

2013-01-07 | 目貫
越後獅子図目貫 土屋


越後獅子図目貫 無銘土屋

 正月の風景として、子供が主役の越後獅子も忘れることは出来ない。獅子舞という姿ではあるが軽業としての角付芸である。越後国三日月村に越後獅子の本拠地があり、親方が数名の子供の獅子舞をまとめ、各地を廻っていたという。子供であるが故の身軽さからの芸であろう、人気も高く、かなり多くの人々が関わっていたようだ。土屋安親が活躍していた江戸時代中期には既に定型化していたと考えられ、作品がある。この目貫も、その一門あるいは安親の典型的作例。素銅地を容彫にし、金銀赤銅の色絵を加え、獅子の被り物が身体と一体化しているかのような表現。きびきびとした動きの様子が巧みに表現されている。
 別の流派の、同図の目貫を併せて紹介する。