鐔の歴史 古後藤
樋定規に五三桐紋図笄 古後藤
細い樋定規に小さな桐紋を組み合わせた、引き締まった景観の美しい作。赤銅魚子地は古風で、桐紋も同様に古色に溢れている。古い作品というのは、この例のように稚拙な作行ながら味わい深いところに妙趣が感じられるもの。□
後藤家というと、初代が祐乗、二代が宗乗、三代乗真、四代光乗と続く。子が分家して別家を立てたことも良く知られている。別後藤である。後藤喜兵衛家は乗真の次男が宗家となっている。後藤理兵衛家は五代徳乗の次男(顕乗正継)が宗家。後藤源兵衛家も徳乗の五男が別家を興した。時代的にはこれらの分家の金工も桃山頃を活躍期としている者があり、古後藤の範疇に含められるはずであるが、この点もあまり研究されていないのが現実。何だ別後藤か、などと見下す方もおられるようだが、実はけっこう上手の工があり、甘く見ないでほしい。作品本位で楽しむことをおすすめする。
樋定規に五三桐紋図笄 古後藤
細い樋定規に小さな桐紋を組み合わせた、引き締まった景観の美しい作。赤銅魚子地は古風で、桐紋も同様に古色に溢れている。古い作品というのは、この例のように稚拙な作行ながら味わい深いところに妙趣が感じられるもの。□
後藤家というと、初代が祐乗、二代が宗乗、三代乗真、四代光乗と続く。子が分家して別家を立てたことも良く知られている。別後藤である。後藤喜兵衛家は乗真の次男が宗家となっている。後藤理兵衛家は五代徳乗の次男(顕乗正継)が宗家。後藤源兵衛家も徳乗の五男が別家を興した。時代的にはこれらの分家の金工も桃山頃を活躍期としている者があり、古後藤の範疇に含められるはずであるが、この点もあまり研究されていないのが現実。何だ別後藤か、などと見下す方もおられるようだが、実はけっこう上手の工があり、甘く見ないでほしい。作品本位で楽しむことをおすすめする。