鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

唐草文図鐔 古金工 Kokinko Tsuba

2011-10-11 | 鍔の歴史
唐草文図鐔 (鍔の歴史)


唐草文図鐔 古金工

 古典的な表現になる唐草文の鐔。このような先端が大きく丸まって、大きさが揃ったように連続する唐草文は、時代の上がる目貫や小柄笄などにも例がある。この鐔は、山銅地に極端に深い片切彫風の彫法で唐草文を彫り込み、他には一切の装飾を施さない、渋い地金と表現手法が魅力の室町時代の作例。造り込みは簡素な板鐔で、櫃穴に特徴がある。太刀から打刀に以降しつつある中でこのような形態となった。もちろん地金の質感が時代の判断の大きな要素であるが、この形状であるから古いというわけではない。注意されたい。78ミリ。