バルバレスコ パヨレ(Barbaresco Pajoré)2010を追加しました。6月末に発注をして1本入荷の後、キャンセル待ちの状態にあった3本のワインです。このワインの売りは、DRCと同じ樽で熟成をしていることです。以前はモダンバローロに刺激をされて大樽からバリックへ移行しようとしていた生産者です。しかし、4つある畑をそれぞれの個性で造りを変えて醸造していたのですが。試行錯誤の末、自然酵母で発酵をし、バリック(新樽率は25%)で熟成させる方法に統一していった経緯があります。おそらく、単一畑の個性を優先するのであれば、醸造を統一することで、4つある畑のワインが解りやすいのではないかと思われます。それにしても、このパヨレは、私の読みが当たっていれば、グラデーションの広いふっくらしたワインになるはずです。最近のワインは飲み頃を早く迎えるので、10年も待たないで済みそうですが。5年くらいはエイジングをします。
左のワインはニュージーランド マルボロ地区のソーヴィニヨン ブランです。造り手はケヴィン ジュット氏です。次は日本人の造るワインを試飲したいと思います。
今回のイタリアワインは、ハウスワインとして使っている、フォンタナ カンディーダ社のフラスカーティ スペリオーレ “サンタ テレーザ“ 2012です。このワインは久々に家飲みをしました。味わうより寝酒に飲んでいます。特質した味わいがある訳ではありません。この価格帯なので、味わい深いとか、複雑だとか、一切ありません。しかし、食事に合わせるワインとは、このようなワインを指すのだと思います。セージのようなハーブの香りに、グレープフルーツ、摩り下ろしたリンゴか青リンゴの香り。洋梨の香りもあるかもしれません。程よい酸とそれなりの厚みの果実味に、ライトなボデイ。単純な香りに薄っぺらな味わい、しかし、シャンとしています。大きな声では言えないが、「**の一つ覚え、フルボデイのワイン」を凌駕するような凛々しい味わいがあります。定番ではありますが、サルティボッカが食べたくなりました。キンキの煮付けもよさそうな気がします。ライトボデイでこの存在感は、フルボデイにあって無いもの、それは、この軽妙さです。
ペッケニーノ社のドリアーニ スペリオーレ “ブリッコ ボッテ”(Dogliani Superiore Bricco Botti)2010をワインリストに追加しました。バルベーラ、ドルチェット、ネッビオーロを抱えるピエモンテは、10年ほどで随分と、その様相を変えて来ていると思います。ドルチェットは比較的早飲みのワインだと思っていましたが。以前デットストックになっていたドルチェットを開けて見ると、疲れた様子もなく凛としていたことを覚えています。先日、某卸の展示会でペッケニーノを扱っているインポーターが一連のワインを展示していました。このワインは要チェックに入れていたので、仔細を聞いて購入を決めました。その時に感じたのは「うんともすんとも言わない、つまらないワイン。」だなと思いました。そのことを伝えると、担当者は熟成をさせることで、酸や果実味の感じ方が変化をし、その姿がおぼろげながら想像ができました。3本ですが10年はコンディショニングをしようと思います。
今回のイタリアワインはマエロ社のコッリーネ サルッツェージ ペラヴェルガ 2006です。ペラヴェルガ種から造られるワインは以前から興味がありました。今まで、2つの理由からサンプルとして入手が出来なかったワインですが。札幌の業者から不意に、このワインを紹介され、今回試飲をすることになりました。
香りは石榴、ブルーベリー、ピンクペパー。酸は穏やかでタンニンはさらりとしています。黄桃のような果実味はワンポイントに刺激されツンとした酸を伴った、ネクタリンのような味わいがあります。味わいの展開はそつがなく滑らか構成のバランスもいいのだけれど、売りのキャッチがどうしても浮かびませんでした。
以前ならば、リストに加えていたと思いますが。今はトレヴェネツィエのワインを中心にしようと考えているので、今回は見送りにします。