ひらのかおるタウン通信

ひらのかおるの日々の暮らしや市民活動の中で、みなさんにお伝えしたい情報や雑感などを綴っています。

特別支援教育って、ひとり一人に応じた教育

2007-11-16 | Weblog
15日 午後から吹田市での近畿市民派議員学習・交流会に参加。 
「吹田市立教育センターにおける特別支援教育推進の取り組みについて」吹田市教育センターの森田安徳さんがお話をされました。

特別支援教育とは何かということから、LD(学習障害)、ADHA(注意欠陥多動性障害)、高機能広汎性発達障害への理解、必要な支援体制、個別の指導計画の作成、事例検討会や保護者への支援等について、先進的取り組みを紹介していただきました。

個別支援を行うための担任の気づきシートの活用や具体的手立てによる支援方法の検討や実践を資料を使って説明されました、例えば
1、認知的障害~耳からや目からの情報処理ができにくいために起こる、読み書きの誤りの分析の例 として 
【国語】
「すきっぷ」を聴写する 聞いて書いた場合
① すっきぷ
② すきッぷ
③ すき(鏡文字)っぷ
④ すきぷ

2、行動面の指導の例
■家庭科の時間、高機能自閉症の生徒がずっと手を洗っている。
友人A「じゃまで手が洗えないじゃない」
生徒 「なにをいうんだ!」(けんかになる)
友人B「  ?  」
生徒 「(だまって横に移る)」
Bさんはなんと言ってのでしょうか?

「手が洗いたいので、横に行って」と言っただけですよ、と「分かる指示」をすることが大事と。また、単なるわがままや、なまけている、やる気がないと誤解され、友人関係のなかでスポイルされていくことが多く、発達障害への理解と支援の必要性を説かれました。実際にアスペルガー症候群の少年の苦しみを記録した映像を見せていただいた。

次のような、ある中学校の特別支援コーディネーターの言葉を紹介されたことで特別支援教育の意味がもっと深く理解できました。「特別支援教育とは、特別な子どものために特別な内容をする教育だと思っていた。現在は、通常の授業の話になってきている。わかりやすい発問、解き方の呈示の検討、ひとりひとりの生徒に応じた、わかりやすい授業が始まったと思う」

参加した議員からは特別支援教育への国・府などからの財政支援について質問がありました。国からの予算補助はなく、大阪府から巡回コーディネートの週8日分の補助があるのみということです。コーディネートは養護担当の教師などが行っています。吹田市では発達相談員の人件費、講師謝礼が予算化されているということです。

島本町でも4月から本格的に始まったばかりです。吹田市の取り組みを参考にしたいと思います。このような充実した企画を担当していただいた吹田市議のお二人に感謝いたします。


(写真は本文とは関係なく、視察に訪れた宮代町役場の1室 市民活動コーナー)

農のあるまちづくり~新しい村

2007-11-16 | Weblog
11月12日~13日は建設水道常任委員会の視察で埼玉県に行きました。関東方面の視察は初めてです。
12日は下水道事業運営について埼玉県三芳町に伺いました。
下水道の普及率は2007年度(見込み)で94.9%と高く、公共下水道整備事業はほぼ完了し、市街化調整区域内においての特定環境保全公共下水道事業(特環)も80%整備済みということ。

課題としては特環地域の事業者および農家の未接続の指導促進と公共下水道処理区域外の悪質排水事業者への行政指導ということです。受益者負担金や使用料の増が見込まれず下水道財政上は料金改定が急がれるとおっしゃられていました。

しかし整備事業のピーク時には100億円あった償還金も現在は利息を含めると70億円で、一般財源からの繰り入れも3億円(島本町は6億4千万円)とのことで、島本町に比べるとそれほど悪化していません。要因をお尋ねすると、98年に16人いた職員を現在6人まで削減したことも一つということでした。

また、下水道工事の設計は大規模でないものは職員自前で行っているそうです。実施設計をすべて委託している島本町としては、委託料も自前でできれば大きな削減になるのにと考えさせられました。

翌日は宮代町の「農のあるまちづくり計画について」の調査研修です。プラスチックを分別し焼却しないことでダイオキシンを減らした町(久喜・宮代衛生組合)として、有名なところですが、今回は農のあるまちづくりの取り組み~「新しい村」の見学を中心にお話を伺いました。

東京から1時間の所で人口も34000人で、島本町と面積もかわらず良く似た町です。役場に隣接して個性的な建物が目を惹きます。象設計集団という設計者のコミュニティホール進修館(公共施設)です。不思議なフォルムと蔦のからまる建物。同じ設計者の小学校もあります。役場も間伐材を利用した、木の香りのする建物です。とても快適で温かな雰囲気です。合併の動きもあり、それを見越して議場は作らず進修館で議会を開いているそうです。

本題の視察の農のあるまちづくり計画に最初から係わった職員の方の説明で、いかに熱意を持って意欲的に取り組まれたか、話しぶりで伝わってきました。

「前町長の施策として開発は必要以上にはしないと市街化区域を設定しなかった。町民からは開発から取り残されるという声もあったが、逆に都市近郊のオアシスとしての存在を高めた。農地は生態系、景観、災害、地産地消、教育、福祉と多元的な効果がある。積極的にまちづくりに活かし、大切な宮代の財産として農村文化や水と緑の自然を維持していくために、その拠点整備として「新しい村」の整備を進めた。町民参加方式の有限会社方式で現在は指定管理者制度を導入して運営している」とのこと。

新しい村は13ヘクタール(農地を町が買い取り)の農園で新鮮な野菜の直売所や、イベント・講座、ハーブ園や果樹園などで楽しめる観光農園です。竹アートの製作物があちこちにあります。幼稚園の子ども達が散歩したり、車イスの高齢者が野菜の直売所を見て回ったり、菜園で作業をしたり、池でつりをしたり、コンクリート護岸を剥がし自然に復元した水路の歩道を散歩したり、とても豊かな空間でした。

500万円の出資金で国の7つの補助事業を活用し、06年度末市場売り上げは2億3千万円突破と、事業として成り立たせています。学校給食の33%も地場産の野菜などだそうです。

行政のビジョンや推進する職員集団がいかに大切かということです。町民の力を活用して実践するためには、仕掛けが必要です。職員さんが溢れる思いを一生懸命伝
えていただきました。

小さくても「新しい村」のような農園として、JR西側に残ればいいな。

(写真 新しい村 野菜直売所周辺)