大下剛史は脚力があり、小技も出来、守備もそつなくこなしていました。野球センスには優れていた選手かと思います。しかし身体能力、所謂潜在能力ではそれ程恵まれている方とは思えませんでした。脚の速さでも、盗塁数が多い為かなりの俊足かと思われますが、福本豊や大石大二郎の様な脚力ではなかったと思います。投手の癖を見破ったり、勘の良さを活かしたスタートにより数を稼いでいたと思います。守備位置は当初ショート、3年目からセカンドになりますが、このコンバートの理由は間違いなく肩の差でした。ショートとして肩が強い方ではなかったのですが、昭和44年、驚異の肩の持ち主大橋穣の入団により、そのあまりにも差のある肩の強さの為、チームとしても迷う事はなくコンバートしたかと思います。打撃に関してですが、当時の小柄な打者の多くに見られる様に、パンチ力、長打はないもののコツコツ当てにいくタイプでした。バットの先端がやや投手よりに傾いていたフォームでしたが、特に大きな欠点はないものの、どうしても力強さに欠ける為、毎年続けていい成績を挙げるこ事は出来ませんでした。しかし一度とは言え3割をマークする等それなりに頑張った数字かと思います。相手にとって兎に角油断の出来ない選手という印象が強いものです。
通算成績 1310試合 1233安打 0.260 50本塁打 322打点 295盗塁
通算成績 1310試合 1233安打 0.260 50本塁打 322打点 295盗塁