今回は遊撃手の続きです。昭和30年代で先ず思い浮かぶのは吉田義男です。攻守走全てに優れ、特に守備で、打球を捕ってから投げるまでの早さに関しては、彼に近づく選手はいないと思います。肩は格別強い訳ではありませんでしたが、守備範囲も広く堅実な守備は本当に素晴らしいものでした。当時広岡達郎とライバルと言われ、よく比較されましたが、かなりの差があったと断言出来ます。名手と言われ広岡達郎の守備面での評価は高かったのですが、正直私は彼の守備が巧いと思った事は一度もありません。腰高の守備で、結構雑な面も多く、簡単なゴロをエラーしたりトンネルする場面を度々見た記憶しかありません。身長180cmと当時の遊撃手としては、かなり長身で見栄えが良いという事と、人気球団の所属故、マスコミの過大評価の選手だったかと思います。又広岡達郎は打撃面は全く芳しくなく、走塁面も含め決して吉田義男のライバルたる選手では有り得ませんでした。同時期のパリーグでは、豊田泰光の打棒が他の遊撃手を圧していましたが、残念ながら守備範囲、送球面等かなりの難がありました。