5年生 社会 米作りの盛んな庄内平野
この日は、米作りの授業のまとめです。これまでの学びのまとめと、日本という国全体から見た米作りについて学ぼうと思います。
その際に使う資料は、次のグラフです。(教科書の単元の最後に載っているもの)
このグラフを大人が見れば、日本人の米離れが進み、それに合わせて生産調整を行っていくので、米の生産量も徐々に下がりつつあることが読んでとれます。
その中から、生産調整が大事であること、需要と供給のバランスで農業が成り立っていること、しいては食糧自給率を上げなければならないこと..等に気付いて欲しいと思います。
しかし、子どもは案外グラフから、そうした大切なことを読み取る練習をしたことがありません。
ただ、このグラフを見ても、生産量が少しずつ下がっている。消費量も少しずつ下がっている。ぐらいしか読み取れません。
グラフから、狙ったような気づきを引き出すには、このグラフだけで1時間かけて学ばなければなりません。そうなると、資料の与え方の工夫が大事になります。
そこで、私はグラフを加工しておきます。
まず最初に与える資料は、こんなものです。
今から50年前です。お米の量を表したグラフです。と説明します。
このグラフの赤線は何を表しますか?
「生産量です。」「農家が作るお米の量です。」
このグラフの青線は何を表しますか?
「消費量です。」「私たちが食べるお米の量です。」
と、まずこのグラフについて説明します。
それぞれ何万トンですかと聞きます。
ほぼ同じ量だ。
だいたい1250万tだ。
でも、ちょっとだけ消費量が多いね。
これだけで、こんな会話が生まれます。
そのとき、一人の男の子が、このグラフはおかしいと言い出します。
「あのね、食べてる量の方が、作っている量より多いのはおかしいよ。」
しかし、他の子は、何を言っているのか分かりません。
そこで、もう一度言ってもらいます。
「あのね、食べている量より、作っている量が少ないのはおかしいんじゃない?」
......
その声につられて、他の子ども達もそのグラフをもっとよく見ます。
それでは、この点のようなグラフでは分かりにくいかもしれないから、もう少し先を見せます。
今度は、他の子ども達もそのことに気づき始めます。
「さっきR君が言ったけど、消費量の方が多いのはおかしいと思います。」
「だって、作った量よりたくさんは食べられないはずでしょ。」
「そうだね。わずかだけど、作った量よりたくさん食べるのはおかしいよ。」
「作っていない分が、どうしてあるの?」
そこで、どうしてその差ができるのかを考えさせます。
①ご飯を炊くときに増える。
②だれかからもらう。
③よその国へあげる。
④よその国から買う。
という4つの意見がでます。
多数決を取ってもいいですかと聞くと
「先生、周りの人と話させてください。」
といい、グループで相談し始めます。
多数決をとります。
1人以外は④よその国から買うを選びます。
ここは、私が解答を説明します。(それを解き明かす資料を渡していないため)
正解です。足りない分は外国から買ったり、前の年に余ったお米を使ったりしています。
このあとどうなると思う?
「う~ん、どうなるの?」
「先生、もうちょっと先を見せてよ。」
「あっ、ここで消費量と生産量が同じになった。」
「これで、お米が足りないで済むね。」
「でもさあ、このまま行くと、今度はお米が余るようになるんじゃないの。」
「そうだね。赤はもっと下がりそうだから、きっとお米が余るよ。」
とれどれ、この先を見てみようね。
「ほらね。予想通りだよ。」
「今度は、お米の方が多いから、外国から買わなくていいね。」
「うん。日本のお米は安全だからね。」
「おいしいしね。」
「でもさあ、余ったお米はどうするの?」
.........................
「外国に売ったらいい。」
「そうだよ。足りないときに外国から買うんだから、余ったら売ったらいいよ。」
「日本のお米はおいしいから、売れるよね。」
ところが、にほんのお米はほとんど売れないんですよ。
「えっ、どうして。」
「おいしいし、農家の人が工夫して作っているのに。」
どうしてだと思いますか?
....................
じつはね、日本のお米は外国のお米に比べて、値段が高いのです。
「そうかあ。高いと売れないんだ。」
「どうして、日本のお米は高いのかなあ。」
「それは、農家の人が農薬を使わないで、堆肥を作って与えているからだよ。」
「それに、よいお米を作るために田にパイプを埋めて、水を管理している...」
「いろいろ、工夫している分、値段が高くなるんだ。」
それでは、お米が余ると、困るよね。
「余ったお米は、来年食べればいいじゃん。」
「だって、来年になれば、またおいしいお米ができるんだよ。」
「そうかあ、じゃあ、お米をつくる量をちょっと減らしたらいいんじゃない。」
「どうやって減らすんだよ。」
「あのさあ、今まで田んぼだったところで、お米じゃなくて野菜をつくったらどう?」
「確か、堆肥のために、豚も飼うってのっていたよ。豚小屋にしたらいいよ。」
「じゃあ、田んぼを少しやめて、畑や豚小屋にしたら、丁度よくなるんじゃないの。」
それじゃあ、この先どうなるか、見てみようね。
「ほらね。やっぱりお米作りをすこしやめたんだ。」
「その分、田んぼが減って、畑が増えた訳ね。」
「でもさあ、このグラフの傾きを見ると、この先またお米が足りなくなりそうなんだけど...」
どれどれ...
「なるほど、足りなくなると、お米作りを増やして、多くなるとお米作りを減らすんだ。」
「きっと、それは、田んぼを増やしたり、畑を増やしたりして調整しているんだね。」
そのとおりです。そうして、今日までお米の量を調整しながら生産してきました。
そうして作る量を加減することを「生産調整」といいます。
これが教科書に載っている資料全体です。
でもね、よく見ると生産調整調整しながら、大事件が起こっているのだけど、わかりますか?
「えっ、大事件。何だろう?」
「だんだん、生産量も消費量も減っているね。」
「生産量はなだらかに減るけど、消費量はでこぼこだね。」
「減った分は、食べないってこと?」
「いや、きっと、その分をパンや....」
「スパゲッティや、麺もたくさん食べるようになったんじゃない。」
「そうだね。お米だけ食べていたのが、いろいろ食べるからお米は少なくてよくなったんだ。」
いいことばかりに気付いたね。では、この先の未来を予想してみませんか?
じゃあ、そのみんなの予想をこのグラフに入れてみるね。
こんなふうに、それぞれのグラフの傾きをとって、それを延長してみます。
すると、こんなグラフになるね。
「やっぱり、もっとお米作りは少なくなる。」
「消費量も少なくなっていくね。」
「もっと、減りそうだね。」
こんな感じになるのかな?
でもさあ、これって大事件だと気付かない?
「えっ?大事件??」
じゃあ、ここにもう一本線を入れてみるよ。
「わあ、いつの間にか、米作りが限りなく0になっちゃった。」
「日本の国の田んぼが、ほとんど畑になっちゃうんだ。」
でもね、もし、外国が小麦とか、トウモロコシとかを売ってくれない、売れない幼になったらどうするの?
「一度田んぼをやめたら、直ぐには田んぼには戻らないって聞いたことがあるよ。」
「そうなったら、主食がなくなっちゃう。」
「もっと、日本人はお米を食べなくちゃ。」
「私のうちは、毎朝パンだけど....。」
「給食にお米が出るのもそのためなんだね。」
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http://jp.youtube.com/watch?v=fI3TbS4b_cs
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http://maharishi.news-site.net/MVC/MaharishiSchool_short.wmv
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詳細はこちらのサイトをご覧ください。
http://www.japan.stressfreeschools.org/
マハリシ総合研究所
田代由起子
ta-bo@maharishi.co.jp