totoroの小道

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やっぱり やり直した方が...

2009-06-07 20:19:13 | 図工

4年生 図工

前回の図工は、電柱の絵にその後ろにある家を書き込み始めました。

しかし、プール掃除の手伝いに行かねばならず、ちょこちょこっと指示してあとは子ども達に全て任せてしまいました。

私が、先週子ども達に残した指示は、家のここをまず描きなさい。

(屋根の中心に、丸い瓦があるでしょ。ここを最初に描いて、次に....
....そのあと、その下というように、ここを中心にゆっくり、少しずつ範囲を広げていきなさい。

それを、何人かは忠実に守り、おもしろい絵になってきました。


しかし、ほとんどの子は、最初は屋根の中心を描くものの、どうしても既成概念から抜け出ることができません。

実際は、電柱の下に座り込んでいるので、その向こうにある家も、下からのぞき込んだ形になります。だから、屋根の瓦は縁しか見えず、屋根は軒下を描くことになります。

しかし、どうしても、見えないはずの屋根瓦を描いてしまうのです。
こんなぐあいに

これでは、真下から見上げる構図と、遠くから平行に見る構図が混じり合い、つじつまの合わない絵になります。

さらに、軒下は立体的に描かなければ軒下に見えず、デッサンの力のついていない子ども達には、難しい作業です。
見えているけれど見えないので、あきらめて、適当になります。すると、本来ある大きさでなく、「まあ、このぐらいだろう。」という漫画みたいな絵になります。

 

そこで、この絵を大桑先生に持っていき、見てもらいます。

「なかなかいいですよ。」
と褒めてくださいます。
「丁寧に書いてありますね。」
と。

でも、真下からと真横からの構図が混じっていたらおかしいですよね。
と聞くと
「そうですね。せっかく、これだけ丁寧に書いているのに残念ですね。」
と答えます。
「もう一度、直させた方が、いいでしょうかねえ?」
と、聞いてみます。

せっかく頑張って描いた絵を、一度消させるのは、悪いなあと思ったのです。
でも
「そうですね。一度消させて、しっかり指導して納得する絵にしてあげたら喜びますよ。」
と助言していただき、やり直そうと覚悟が決まります。

私は、一番最初に、ここを描かせたのですが、

この軒下を描かせるのに、大桑さんならどこから描きますかと聞きます。

大桑さんは
「私だったら、ここから描き始めさせます。」
と教えてくれます。

ほぼ同じ箇所ですが、大桑さんの書き始めは、軒下の梁です。

そうかあ、こういう方向の線を見付けることが難しいんだ。と分かりました。
この線が見つかれば、見えない屋根の上を描くわけにはいかなくなります。

そこで、手だてを考えます。

外へ写生に出す前に、一斉指導をすることにしました。

まず、プロジェクタでこんな写真を映し出します。
「何?これ?」
と、子ども達は一部だけ拡大した写真を突然見せられ、家の梁とはきづきません。

この棒の形を、線で表します。
どんな形に見える?
「箱の形。」
そうだね。箱の形を描くのには、まず、3本の平行な線を引きます。


この三本の線を、屋根の一番上にしたい部分に書き込んでごらん。
と指示します。

次に、この家の屋根を少し広げた写真をプロジェクタで映します。
そして、ほら、ここの形はどんな形?
と聞いてみます。
「三角!!」
じゃあ、こんな三角の線を書き入れてみよう。

このまえ、二本目の線っていう勉強したよね。
この線に二本目の線はない?
「あるよ、ほら、その直ぐ上!!」

こうして、ちょっとずつ、梁から周りに視線を移していく練習を全員で、スクリーンを見ながら行います。

子ども達の見付けた線は、その場で、このようにソフトを使って画面に書き込みます、

ここまで、屋根の構造や、見付ける線。
その線を見付ける順序を皆で学んでから
さあ、外に出て、今日は電柱の後ろの家を描いていきましょうと話します。

この学習により、どの子も、電柱も家も下から見上げる構図になり、つじつまが合うと同時に、なんだか迫力が出てきました。

この後が楽しみです。

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