とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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ネット規制

2005年04月20日 23時06分20秒 | 国際問題
昨年夏の初め、ミャンマーの首都ヤンゴンを訪れた。
東南アジアの最貧国と聞いていたので、どんな街なのか心配していたが、現実に歩いてみると英国植民地時代の建物が残り、古くはなっているものの立派な街並みが目を惹く美しいところだった。

街はスーレーパゴダという名の仏教寺院を中心に広がっていた。
このお寺の近くは門前町になっていてとても賑やかだ。
各種の商店が軒を並べ、買い物客や映画のような娯楽を求めてやってきた多くの市民で活気がある。
今となってはミャンマーの人たちに失礼だとは思うけれど、まさかハンバーガーやドーナッツなどのファーストフード店がそこここに店開きをしているとは予想していなかった。
とりわけJドーナッツと呼ばれるドーナツ店は日本のミスドにそっくりだ。

「どーしてJ何ですか?」
と案内をしてくれたガイドさんに訊ねると、
「ジャパンのJですよ。ミャンマー人は日本のことが大好きですから。」
と教えてくれた。
本当なのかどうか知らないが、なんだか嬉しくなってきてしまった。

この日本でいえば渋谷か心斎橋かと言ってもいいような繁華街には、当然のことのようにインターネットカフェもあった。
時間貸しのパソコンが店内に並び、空いているマシンを利用してインターネットを楽しむという場所だった。
ほとんどの客は地元のミャンマー人たちのようだったが、白人の旅行者や、メールをチェックしている日本人旅行者の姿もチラホラと見られた。
私も早速メールをチェックしたが、昔懐かしいナローバンドで自分のメールを開くのにモニタの前で数分待たねばならなかった。

「ヤフーは見れませんから。」
「どうしてです?」
「政府の方針で規制されていますから。」
とガイドさん。
悪名高き軍事政権の情報操作が徹底されているのだな、とその時は思った。
しかし、インターネットの情報が規制されているのにはホントの理由は他にあったようだ。

ミャンマーは言わずと知れた敬虔な仏教国。そこへインターネットを経由してアダルトサイトをはじめとする有害サイトが入ってくることは好ましくない。だから規制をかけているようなのだ。それが証拠に、ヤフーなど当時は規制されていたサイトに今では接続することができるのだ。
日本や欧米のマスコミは「軍事政権が深刻な人権弾圧と情報操作をしている」などと主張しているが、その報道は半分ホントで半分ウソ。
ミャンマーの人たちは衛星放送などで、国外からの情報を良く知っているしインターネットでの情報制限も私が見る限りほとんどなく、外国からの新聞、雑誌の主なメディアは自由に閲覧することができるのだ。

ハーバード大学、ケンブリッジ大学、トロント大学の合同研究チームが中国のネット規制を調査した。
その結果、今や世界の工場と化している自国の高度なハイテク技術を利用して、政府に都合の悪いことは巧みに全て削除検閲していることが判明した。
台湾問題、法輪講、チベット独立問題に日本との領土問題などなど、数え上げればきりはない。

欧米のいじめるおっとりとしたミャンマーと、情報規制で凶暴な国民を育成している中国と、どちらがホントに世界にとって危険な存在か。じっくりと考える必要がありそうだ。

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1 コメント

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中国はスゴイ (船長)
2005-04-21 07:48:50
中国の規制はある意味スゴイ。

ユーザーが、ブロックされたことにも気付かないという高等技術を駆使しているらしい。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050420-00000002-wir-sci



我々にとってはアタリマエのことが、共産国家では毛制されているのだ。

それでもいずれ情報が中国国民にももたらされるであろう。そのときこそ共産党政権の終焉、日本政府と国民は謝罪と賠償を要求しよう。

そして言うのだ。

「小中国は歴史を正しく認識しろ」と
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