ジキルとハイドの中国人

新聞報道で太陽誘電という電子部品の中国工場で反日を理由とするストライキが発生し、先週末から創業できない状態が続いているという。
詳しいことはまだ分かっていないが、一部の反日を叫ぶ社員が他の中国人労働者を煽動し、ストライキを実行しているという。

中国という国にはまず自由がない。
選挙もなければ、報道の自由、言論の自由、移動の自由などがないのだ。
経済発展の著しい今日でさえ、力を持つのは共産党の幹部級の人たちか、そういう人たちにコネクションのある人たちだ。

文化大革命の時、党中央が実施した極端な赤化製作のために「本当はそうじゃないけど、反対したら殺される」という状況が出現した。
1980年代のカンボジアではないけれど、資産家や医者や学者などの高学歴者、国民党員が親類にいたものなどが粛正の対象とされて、頭を剃られ、強制収容所送りとなった。
チャン・イーモウの映画「活きる」の中に、文革を皮肉ったシーンがある。
共産党の方針のために、ベテラン婦人科医を追放した経験未熟なインターンばかりのような病院で、主人公の一人娘が出産をするが、大出血を起こしてしまう。若い医者たちは自信たっぷりに処置を施そうとするが上手くならず、自宅軟禁されていたベテランの医者を呼んでくるも手遅れで死なせてしまうのだ。

ちょうど現在の中国がこれにあたる。
?小平以来、偽りの歴史教科書で反日教育を施した結果が、今日の暴動に繋がっているのだ。
だから反日運動をする者には若者が多く、年配者は少ない。年配者は政府のおかしさを暗に知っていて、それでも真実を述べると「裏切り者扱い」されるから、だんまりを決め込んでいるのだ。

今日になって、上海で暴動の被害に遭った日本の飲食店に「お見舞いをしたいから」と市の役人が調査に回り出しているという。
一方では在日の中国大使館や領事館が日本の右翼活動家などから脅迫や嫌がらせを受けていることに対し「日本は賠償せよ」と自分の悪さは棚に上げ、笑止千万で無礼極まりない態度を見せるが、一方では解決の糸口を探っている。

アメリカは去るイラク戦争でバグダッドの駐イラン中国大使館を誤爆したが、このとき中国とやり取りした経験を日本政府にアドバイスしているらしい。
アメリカいわく「中国はプライドが高く表立っては感情的だが、同時に見えないところで、本当の交渉をする国である」と。

姑息なのか狡猾なのか、はたまたケンカ上手なのかわからないが、こんなジキルとハイドのようなチンケな国。
どうすりゃ良いのか分かっているの？　我が日本企業と日本政府。