とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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昭和ブームは老齢化

2007年11月03日 09時09分14秒 | 社会
世の中は「昭和ブーム」だそうだ。

映画もテレビも漫画も小説も「昭和時代」を回顧している。
こういうヘンチクリンなところはアメリカの「50年代懐古趣味」と非常に似通っていて面白い。
これは昭和時代が平成時代の今と比べて輝いて見えるからに違いなく、昭和を知る三十代以上の世代にとって「戻りたくても戻れない」青春時代と重なってよりいっそうの輝きをもって目に映ってくるのかもわからない。

私ももちろん昭和生まれ。
大阪万博で「迷子ワッペン」を胸に付けて両親や田舎から出てきた従兄弟のお兄ちゃんやお姉ちゃんに引きずられるように歩き回ったことを辛うじて覚えている世代だ。
万博で初めて目にした外国人。
万博の頃に初めて乗せてもらった新幹線。
万博の頃に初めて行ったスーパーマーケット。
万博の頃に初めて写してもらったカラー写真。
万博へ行くのに初めて乗った地上を走る地下鉄。
などなど。
今思い起こせば、この私でも万国博覧会を中心に昭和時代が輝いて見えなくもない。

しかし、皆さんもご存知の通り、私は天の邪鬼。
世間が「懐かしい」と思うほど昭和時代を懐かしいと言う気持ちに包まれることはまったくない。

というのも現在は仕事が忙しく今にしか関心が持てないことが原因していると思うのだ。
懐かしがって昔を振り返っている暇はない、というのが日常かもしれない。
しかしそれ以上に「昔話」に凝り固まるというのはどうも「老人の戯言」にしか聞こえないこともあり、懐古趣味に浸る気持ちにならないのだろう。

ご多分に漏れず、うちの会社にも大手企業や官庁を退職して「コネ」で入社してくるご老人方がいらっしゃる。(これを「天下り」「引き取り社員」と人の言う)
その人たちのだいたい9割が仕事では使い物にならず、ただただ「昔は良かった」という話をする人たちなので絞め殺したくなってくるのだ。

「○紅じゃ、こんなことはしなかったよ」
というような文句か愚痴かつかないような「アドバイス」をしてくれるA部長。
「うちはそんな『ご立派な会社』じゃありませんからね」と思わず口をついて出て来そうになってしまう。
「あんた、ゴルフやってるだけやん」
ともツッコミそうになるのだが、そこを我慢するのが大変だ。

「○松製作所の技術はそんな生易しいもんじゃない」と宣うオッサンなんかも「生易しくないのについていけないから、アンタうちに片道出向してきたんでしょ」
と言いたくなるが、これも我慢。

「君らが学生やった頃、ボーナスなんか、こう袋ごと立ったもんだ」
なんて言うジジイは市中引き回しのうえ打ち首獄門に処したいくらいになるが、そういうわけにもいかないから「私は勢力隆々で元気ですから毎朝立ちますよ」と下ネタ冗談を言うのが関の山だ。

ということで老人の戯言に聞こえて仕方がない「昭和ブーム」。
これって日本社会の老齢化なんでしょうかね。


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