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とりがら時事放談『コラム新喜劇』



今世間は姉歯さんの話題で持ち切りだ。

見るからにカツラ姿の一級建築士「姉歯」氏がデータを改ざんして設計した建物が首都圏を中心に20棟以上あることが発覚し、世間が今大騒ぎしている。
その多くの建物は震度5程度の地震で倒壊する可能性があるといい、なかには何もしなくても倒壊するかもしれないという、朝礼に参加した貧血気味の小学生のような建物があるそうだ。
これではどこかの国のデパート崩壊事故を非難できない。
大部分はマンションなので、知らずに購入した人は気の毒だ。
ローンを抱え、引っ越し先もままならず、怒りをぶつける術が無い。
またいくつかのビジネスホテルも問題建築だというので、知らずに宿泊したことのある人は地震が来なくて良かったと胸をなで下ろしているところだろう。

建築物は役所の建築指導課に必要書類を提出して認可を受けなければ工事に入ることが出来ない。
当然のことながら構造計算書は、そのなかでも最も重要な書類の一つで、今回その書類が偽造されたのがわからなかったということが、一番問題だということができるだろう。
きっと担当の役人は書類を受け取り、パラパラと捲って、施主名と設計事務所名、建築会社名を確認してハンコをついただけに違いない。

こういうのを一般に「盲判」と言う。

ウチ会社の総務担当者はいつも小難しいことを言うのだが、私の出した経費明細書に文句をつけたことがまったくない。
それがたとえ「○○商店」とか「○○商事」と書かれたキャバクラの領収書であったとしても文句をつけられたことがないのだ。
これも「盲判」のご利益だと考えられる。
しかし、役所の盲判はいただけない。
極端に言うと、役所というところは「ハンコをつく」のが仕事なのだから盲判はいかにもまずい。
我々市民は国や自治体に高い税金を支払って、その道のスペシャリスト役人として雇っているはず。
そういう選ばれしお役人様が捺したハンコが「盲判」とは信じたくない。

「阪神大震災で建物が崩壊したことで、誰かが建築会社や役所に文句をつけましたか。ウチはちゃんとした設計事務所と建築会社と思ってマンションを造らせて販売しているんです。ウチに責任はありません」
と欠陥マンションの販売会社ヒューザーの社長が昨日の朝、フジテレビの時事番組で吼えていた。
この社長の態度と言動には「役所がハンコをついた建物だから、役所が責任持ちなさい」というニュアンスがプンプンしていた。実に不快な言い訳だった。

私は一番悪いのは姉歯建築士と建築会社だと思っているが、販売会社もグルだと思う。
でも、この事件でちゃんとしなくちゃいけないことは、ハンコをついた役所の「担当役人」にも懲戒解雇や諭旨免職などの処分を下してもらわなければ納得できないということだ。
責任逃れの得意なお役人様似は逃げられて、アホな犯罪者のツケを自分たちのお金「税金」で悖ほど、バカらしいことはない。

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