とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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テレビを見ないことへの弊害

2005年11月22日 20時42分27秒 | 社会
10年少し前、中学校の同窓会の席で大阪府職員になっていた友人Tが言った。
「最近忙しくてや~、テレビ、全然見えへんねん(大阪弁で「見られない」の意)。テレビに出てるTRFちゅうのおるやろ? オレ、あれって「トリフ」って読むんか、言うて、入庁したてのヤツに笑われたわ」
思わず「トト、トリフの大爆笑♪」というフレーズが浮んだが、こちらも仕事が忙しく、テレビを見る機会が少なくなっていたので、状態はTとあまり変らなかった。
ついでながら、わたしもTRFとはその時、なんのことやらサッパリ分らなかったのだ。

その後、Tは結婚し、口の廻りお菓子ベタベタの洟垂れ娘も生まれたので、少しはテレビを見るようになったかと思う。
しかし、私の方はというと、普通のテレビをほとんど見なくなってしまい話題について行けないことが増えてしまった。
見る番組はニュースか一部のドキュメンタリー。ヴァラエティショーは「なんでも鑑定団」と「探偵!ナイトスクープ」ぐらいしか見なくなったのだ。
一方、ケーブルテレビのドラマ「スピンシティ」やディスカバリーch「パワーゾーン」、ヒストリーch「バイオグラフィ」などはよく見てるのだが、この辺の番組は会社や宴会の席で話題に登ることはほとんどない。

先日、会社の仲間と近所の中華屋で昼食をとっていると、店のテレビで「笑っていいとも」が放送されていた。
テレホンショッキングのコーナーは今話題のお笑い芸人が出てきたということで、会場内は大歓声。
一緒に食べていた会社の連中も「おお!」と言いながら画面をみつめていた。
「誰?これ」
という私の質問に、同僚のMさんは言った。
「これ知らん、ていうことはよっぽどテレビ見てないんやな」
登場してきたのはレイザーラモンHGというゲイをネタにした芸人だった。
最近話題の人気急上昇中の若手芸人の一人だという。
「フォー!」
と登場後すぐに叫んでいた。
最近雑誌や新聞の小ネタ欄で「フォー!」と書かれていることが多かったので、私はてっきりベトナムうどんが流行しているのかと思っていたのだが、これでやっと疑問は氷解したのだった。
なるほど「フォー!」はベトナムのフォーではなく、こいつの叫び声だったのか。

それにしても「.....」な芸人だ。
ヴィレッジピープルよろしく一時代前のゲイファッションに身を包み、お昼の番組だというのに自著の書籍をパンツの股間に挟むところは、トルコで非難を浴びた江頭某と変らない。
しゃべりも際立った冴えはないし、特別な芸もないらしい。
それとも「ゲイ」であることが「芸」なのか。

「どこが面白いん?」
ラーメンを啜りながら訊いた私に、みんなの目が点になった。

これもテレビを見ないことへの弊害と言っていいのやら。もしかすと、「フォー!」の前後と併せて見たら面白いのかも知れない、と思ったが、未だ見たことはない。