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とりがら時事放談『コラム新喜劇』



朝起きて顔を洗い朝食を摂るためにテーブルについた。
ぼんやりした頭でNHKニュースを見ていると、私の耳元を「ぶ~~ん」という音が横切った。
この音、蚊の音、夏を告げる音。

しかしまだまだ六月が始まったばかりだ。どうして家の中を蚊が元気よく飛んでいるのかよく分からない。
地球温暖化が原因か?
それとも気温が低くても元気な新種の蚊が現れたのか?
さらにそれとも我がアパートメントの電気室の暖かさの中で冬でも越したのか?
定かでない。
ともかく家人が朝、窓を開けたときに家の中に紛れ込んできたに違いない。しかもきっちり私の首筋とケツから血を吸って飛び去った。なかなか元気な蚊であった。

蚊といえば熱帯地方ではマラリアを媒介する病原虫として忌み嫌われている。

4年前にタイのチェンマイから日帰りで黄金の三角地帯を観光した帰り道、ツアーのミニバンの中を蚊が一匹飛んでいた。
「うわ~~~~~~、蚊よ、蚊! 蚊、蚊、かかかかかかかか、蚊!。」
と乗り合わせていた、それまで機嫌よく鼻歌を謡っていた小錦に似た喧しいカナダ人のオバハンが叫んだ。
つまり、それほど蚊に対する恐怖を熱帯地方では感じるわけだ。
「大丈夫です。このあたり(チェンライのあたりだっと記憶する)にはマラリアの蚊はいません。」
とガイドの女の子は宣言したが、カナダ人のオバハンの恐怖は暫く鳴り止まず、もともとオバハンの鬱陶しい鼻歌に悩まされていた他の客は、さらにオバハンの恐怖に引きつった声に悩まされることになった。

先週の英会話スクールでのレッスンで、このマラリアのことが話題になった。
「大阪にはマラリアを予防する薬をくれる病院がないらしい。」
というのが話題の中心。
私のクラスの講師は度々アフリカを旅行しているが、旅行する数週間前からマラリア予防の薬を服用しているという。しかもその薬は日本では入手できないのでオーストラリアの実家から送ってもらっているのだという。
「大阪の病院はバカ野郎だ」
という意味のことを、英語で多少丁寧に彼は話した。

一説によると、大阪でマラリアの治療ができるのは大阪市立総合医療センターだけで、マラリアの症状を発症してもしここ以外の病院に行ってたりしたら、
「ん~~~~~~、風邪ですね。」
といわれて三日後にはお葬式、ということもなくはないらしい。

これまで日本ではマラリアに罹患することはないと言われてきた。問題の熱帯熱マラリアに罹患して死に至る日本人はたいてい東南アジアかアフリカからの帰国者だった。
ところが地球温暖化の影響で、この最も恐ろしい熱帯熱マラリアを媒介するハマダラ蚊が日本に分布する可能性が出てきたというのだ。
もともと日本列島最南端の台湾は熱帯病の百貨店で、もちろんマラリアもその一つ。
台湾から南西諸島、沖縄諸島、奄美諸島を経由して、本土を蚊に奇襲されるのも時間の問題だとか。
日本に侵略の魔の手を延ばすのは中国、南北朝鮮だけではないらしい。
偶然かも知れないが、この三つとも世界中の嫌われ者、という共通点があるのが面白い。

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