とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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道頓堀の新名物店

2005年04月17日 12時18分54秒 | エトセトラ
久しぶりに大阪の道頓堀をうろついた。
半期が終って目標の145%で折り返した好成績に気を良くした会社が、打ち上げおよび後期の決起を兼ねて飲み会を実施したのだ。

わたしも多くの同じ世代の人たちと同じように、不特定多数の会社のメンバーと酒を飲むことがあまり好きではない。
ともかく一次会で退散することばかり考えていた。
宴会が終わり、レストラン1階の玄関へ降りてくると、ものすごい人通りに圧倒された。
このレストランは道頓堀に面しており、もとはKという演芸場のあったビルだった。

人通りと煌めくネオンやLEDディスプレイに目を奪われ「やっと大阪も活気がでてきた」と喜んでいた。
ふと今居たこのK演芸場跡のビルを見渡すと一階にはグリコの専門店が入っていた。
グリコ製品が所狭しと「おしゃれ」に並べられていて、多くの客で賑わっている。
たかがグリコだぞ、そこらへんのコンビニやスーパーで売っているやつだぞ、と思いつつ、よくよく見るとどうやらここでしか手に入れられないパッケージの商品が売られているようだった。

このK演芸場跡のビルには流行りのアミューズメント式商店街が入っている。
ちょっと話題になっていて、道頓堀の新名物店になっている。
この日の宴会はこの商店街のなかにある創作和食の店で開かれたのだが、内装がとても凝っていて私の会社のお下劣な社員の雰囲気にはそぐわなかった。
ただ内装はファッショナブルだったが、肝心の創作和食はコンビニの弁当の方がはるかにマシだと思えるような味で、出てきたビールも「これ発泡酒?」「い~や、ビールやろ」「そうかな、泡でてへんし」と議論が始まるような代物だった。

このビルの一階ではちょっと変わった扮装の客引きが客を呼んでいた。
「いらゃっしゃい! まいどおおきに! よう来てくれはりました! 見て行っておくれやす!」
などと陽気に叫んでいる。
陽気なことは大いに結構だ。
雰囲気がとてもいい。
でも、ちょっと待て、なんか変だぞ。と思っていると部下の一人が私にささやいた。
「変な、大阪弁ですやん。僕らでも、あんな大阪弁使えへんし。」
そう、呼び込みが使っている「大阪弁」はまるっきり東京製作のテレビドラマで話される「大阪弁」そのものだったのだ。
きっとこの店のプランナーは東京人なのだろう。

戎橋が工事中で、見通しが悪かったが、それでも地方からの観光客や台湾など外国からの観光客でごった返していた。
ここ数年でかなり多くが改装されたり建替えられたりしたために、景観がグッとお洒落で、それでも十二分に大阪の雰囲気を残しつつ発展していたのだ。

デジカメを持って、久しぶりの夜の道頓堀をうろついているうちに、二次会へ向かう会社の連中とはぐれてしまった。
メデタシメデタシ。