とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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クッキーモンスターの食事制限

2005年04月12日 22時58分41秒 | エトセトラ
アメリカでは日本人の価値観からは想像できないような内容が訴訟に発展するケースが少なくない。
「歩道にできた穴ぼこや段差で転んで怪我をしたのは、それを放置していた市が悪い」と自分の不注意はそっちのけで提訴する人がいる。
「重症の肥満になって糖尿病を併発したのは、安くて美味しいマクドナルドのせいだ」と自己管理能力の欠如は無視して提訴する人がいる。
「タバコを売るから吸いすぎて健康を害してしまう」とタバコ会社を提訴する人がいる。
嘘のような話がホントになってしまう空想世界のような国なのだ。

空想世界を地で行く国だからか知らないが、この国には子供たちから大人まで愛されてやまない人気のアニメや映画のキャラクターたちがたくさんいる。
ミッキーマウスやドナルドダック、スヌーピーにチャーリーブラウン、スーパーマンにスパイダーマン。
数え上げるときりがない。
実はこのキャラクターたちに、件の嘘のようなホントの話が降りかかり始めたのだ。

日本でも人気のセサミストリーにクッキーモンスターというマペットのキャラクターがいる。
マペットは設立者のジム・ヘンソンとフランク・オズがマリオネットとパペットを合成して作った造語で、つまりは一種の操り人形のことだ。
日本ではカエルのカーミットが一番有名なマペットといえるだろう。
クッキーモンスターはその仲間だ。
このクッキーモンスターの特徴は、ニューヨークのとある街角のごみ箱の中に住んでいて、やたらとクッキーをかじることだ。
誰かからクッキーが貰えると、
「クッキー! クッキー! ムニョムニョムニョ」
とむさぼるように食べていた。

つい先日、マペット番組の製作会社が「今後クッキーモンスターがやたらとクッキーを食べることがないようにしたい。」と発表した。
なんでも子供たちがクッキーモンスターの真似をして、小児糖尿病のような病気になると困るからだというわけだ。
クッキーモンスターにもついにドクターストップがかかったということなのか。

私個人としてみれば、クッキーの食べ過ぎで糖尿病になって入院して、点滴を受けているクッキーモンスターや、ドクターのカウンセリングを真剣な表情で受けているクッキーモンスターなどの、妙にシビアでかつ阿呆らしい情景を是非とも見たいものだが、教育番組のキャラクターだけに、そういうブラックジョークは通用しないみたいだ。

そのうちアメリカンキャラクターの元祖ともいえるポパイも「ほうれん草の食べ過ぎは、鉄分の取りすぎになるから注意しましょう」なんて、指摘されるようになるかも知れない。

こんな些細なことでもアメリカを中心にして世の中、狂っているような気がしてならないのは私だけだろうか。