人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新国立オペラ「チェネレントラ」指揮者変更 / 小森はるか監督「空に聞く」を観る 〜 陸前高田災害FMのパーソナリティ・阿部裕美さんを追ったドキュメンタリー:早稲田松竹

2021年08月21日 07時08分20秒 | 日記

21日(土)。新国立劇場からの通知によると、10月オペラ公演「チェネレントラ」の指揮を予定していたマウリツィオ・ベニーニが”本人の都合により”出演できなくなり、代わって城谷正博氏が指揮をすることになったとのこと 塩谷氏は今年3月の新国立オペラ「ワルキューレ」の最終公演を指揮したそうですが、私は大野和士の指揮で聴いたので城谷氏は初めてです ベニーニのイタリア・オペラは好きなので降板は残念ですが、”本人の都合”って何でしょう。気になります ところで、本公演では脇園彩さんがヒロインのアンジェリーナを歌います 新国立オペラでは、モーツアルト「ドン・ジョバンニ」ドンナ・エルヴィーラ、ロッシーニ「セヴィリアの理髪師」ロジーナ、モーツアルト「フィガロの結婚」ケルビーノに出演していますが、いずれも歌唱力・演技力ともに優れ、素晴らしいパフォーマンスでした 本公演は得意のロッシーニということで今から楽しみです

ということで、わが家に来てから今日で2415日目を迎え、みずほ銀行は20日、システム障害により一時全ての店舗窓口で入出金や振り込みなどの手続きができなくなったと発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     みずほも 三菱東京も 三井住友も 頭文字はM これから みずほのMは ミス保のMに

 

         

 

昨日、夕食に「チキンステーキ」と「キャベツの洋風スープ」を作りました チキンステーキは定番料理の一つですが、今回も美味しく出来ました お酒はやっぱりワインですね

 

     

 

         

 

早稲田松竹で小森はるか監督による2018年製作映画「空に聞く」(73分)を観ました

東日本大震災後に各地に設けられた災害FM局の一つで、2011年12月10日に開局した陸前高田災害FMは、市内高台にあるプレハブのスタジオから24時間放送を続けている 同市で生まれ育ち、夫婦で営んでいた和食料理屋の店舗と実家を津波で流失した阿部裕美さんが開局当初からパーソナリティを務め、丁寧な取材と言葉によって多くの人気番組を生み出し、地元はもとより全国から注目を集めていく

 

     

 

この映画は、3.11大震災後のボランティアをきっかけに陸前高田に移住し、ドキュメンタリーを撮り続けている小森はるかが製作したドキュメンタリー映画です 地域の人々にインタビューを行い、彼らの記憶や思いに寄り添いながら、やさしい言葉で様々な声をラジオを通じてリスナーに届けていく阿部さんの姿を静かに追っていきます それと同時に、津波で流された町の再建が進み、かさ上げされた大地に新しい町が造成されていく様子もカメラに捉えています

阿部さんは約7年間パーソナリティを務めましたが、その間 FM局の経営はどのようになっていたのだろうか。スポンサーがいたのだろうか。広告収入などがあったのだろうか。その辺の情報もあった方が”生活者としての阿部さん”が浮かび上がったように思います

阿部さんはパーソナリティを"卒業"した後、和食料理屋を再建し営業を再開しました 阿部さんの接客の様子も映し出されていました これから陸前高田を旅することがあれば、是非訪れてみたいと思います

 

本日、toraブログのトータル閲覧数が650万ページビューを超えました( 6,500,841 P V 。トータル訪問者数は 1,905,511 IP)。これもひとえに普段からtoraブログをご覧いただいている読者の皆さまのお陰と感謝申し上げます これからも1日も休むことなく根性で書き続けて参りますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします

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「第4回哀しみのモーツアルト」(12月2日)のチケットを取る / 小森はるか監督「息の跡」を観る 〜 陸前高田で種苗店を営む佐藤さんの記録:早稲田松竹

2021年08月20日 07時19分14秒 | 日記

20日(金)。12月2日(木)午後6時からサントリーホール「ブルーローズ」で開かれる「第4回  哀しみのモーツアルト  『かなしさは疾走する』」公演のチケットを取りました このコンサートは毎年、モーツアルトの命日(12月27日)に 彼の短調の作品を中心に演奏するもので、今年は会場予約の都合で12月2日になりました プログラムは「ピアノ四重奏曲第1番K.478」、「ピアノ・ソナタ第14番K.457」、「レクイエムK.626」抜粋ほかで、演奏はヴァイオリン=崔文洙、ピアノ=仲道郁代ほかです

 

     

     

 

ということで、わが家に来てから今日で2414日目を迎え、アフガニスタン全土を制圧したタリバンは17日の記者会見で、イスラム法の範囲内で女性の権利を尊重すると表明していたが、18日のロイター通信によると、タリバン幹部はアフガニスタンの新政権が民主制にはならないとの見通しを示した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     「タリバンの歴史を考えれば、懸念は現実のものだ」というマララさんの言う通り

 

         

 

昨日、夕食に「冷しゃぶ」「生野菜サラダ」「冷奴」「玉ねぎの味噌汁」を作りました 下に敷いているのはキャベツですが、豚肉に良く合います

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹で小森はるか監督による2016年製作映画「息の跡」(93分)を観ました

東日本大震災の津波により住宅兼店舗の種苗店を流されてしまった佐藤さんは、自力でプレハブを建て、種苗店の営業を再開した 看板は手書き、仕事道具も手作りで、水は手堀りした井戸からポンプで汲み上げる 佐藤さんは陸前高田で種苗店を営む一方、自身の被災体験を独学で習得した英語で綴った本を自費出版し、中国語やスペイン語での執筆にも挑戦する さらに、地域の津波被害の歴史を調査し、過去の文献に書かれた内容が正しいものなのかを自力で検証していく

 

     

 

この映画は、ボランティアとして東北を訪れたことをきっかけに東京から陸前高田に移住し、本作が初の長編監督作品となった映像作家・小森はるかが佐藤さんに密着したドキュメンタリーです

佐藤さんはとにかくエネルギッシュです 本業の種苗店の仕事はもちろんのこと、必要な物はほとんど自分で作ってしまいます その上、震災の記録を英語で書いて自費出版してしまいます 「英語で書いたって、いったい誰が読むんだろうね 中国語なんてなおさらだよ 売れ残っていつまでも在庫の山が残っちゃうのも困るね」と自虐的な言葉を吐きますが、「でも、書くこと自体に意味があるんだろうね 誰かが書いて残さなければならないと思う」と語ります 私が疑問に思ったのは、「なぜ佐藤さんは日本語ではなく英語や中国語で震災の思い出や現在の暮らしを綴ろうと思ったのか」ということです これについて佐藤さんは、「日本語だとあまりにも悲しみが大きすぎるから」「曖昧な表現を避けるため」「書くことで痛みから逃れるため」「事実だけを書きたかったから」と語っています。しかし、その後「英語で書いても悲しみや痛みは消えない」ことが分かり、「何が起きて、どう感じたかを”伝える”ために書くことにした」と語ります

「周囲の多くの人たちが津波の犠牲になり死んでいったが 魂までは死なない」という佐藤さんは、残された者として何ができるのかを熟考した上で、信念を持って現在の生き方を選んでいます  このドキュメンタリーを観たわれわれは、佐藤さんの「生きる力」を感じるとともに、あの大震災のことをいつまでも忘れることなく、次世代に伝えていくことが大切なのだと思いました

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小林資典指揮で読響サマーフェスティバル「三大交響曲」を聴く ~ 重心の低いドイツ的な演奏を展開:「未完成」「運命」「新世界より」

2021年08月19日 07時11分58秒 | 日記

19日(木)わが家に来てから今日で2413日目を迎え、マスク着用の義務化に反対の立場を取っている米南部テキサス州のグレッグ・アボット知事が新型コロナウイルスに感染したことが17日 明らかになった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     科学を信じないトランプ流の姿勢が いかに脆弱かを証明するような自業自得の結末

 

         

 

昨日、夕食に「鶏肉とアスパラガスの中華炒め」「生野菜とツナのサラダ」「冷奴」を作り、「ワカメとネギのスープ」「納豆ご飯」とともに食べました 「鶏肉~」は酒、塩、胡椒だけの味付けで、片栗粉をまぶして炒めます。多分、今回が2度目の挑戦ですが美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨夕、東京芸術劇場コンサートホールで読響サマーフェスティバル「三大交響曲」公演を聴きました プログラムは①シューベルト「交響曲第7番 ロ短調 D759 ”未完成”」、②ベートーヴェン「交響曲第5番 ハ短調 作品67 ”運命”」、③ドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 作品95 ”新世界から”」です 指揮は小林資典です

指揮をとる小林資典(こばやし もとのり)は1974年千葉県生まれ。東京藝大大学院で学び、2000年からドイツの歌劇場で”劇場叩き上げ”の指揮者として活躍し、2013年からはドルトムント歌劇場の音楽総監督と第1指揮者(カぺルマイスター)を務めています 4日前の8月14日には読響で三大協奏曲を指揮しました

 

     

 

自席は1階N列13番、センターブロック前から14列目の左通路側です。会場は9割近く埋まっているでしょうか

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの読響の並び。コンマスは林悠介です     第2ヴァイオリンのトップは葵クァルテットのメンバーで現在ドイツのベルリン・フィル・カラヤン・アカデミーで樫本大進のもとで研鑽を積んでいる小川響子が客演しています 新型コロナ感染拡大予防のため譜面台は弦楽奏者も含めて1人1台を使用します

1曲目はシューベルト「交響曲第7番 ロ短調 D759 ”未完成”」です この曲はフランツ・シューベルト(1797‐1828)が1822年に第2楽章まで完成し、第3楽章は9小節まで作曲したままの未完成の交響曲です シューベルトの死後、1865年12月17日にウィーンで初演されました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」の2楽章から成ります

小林資典が指揮台に上り第1楽章に入りますが、この曲ではタクトを使用しません 小林は重心の低いドイツ的な音楽作りと言えば良いのか、ゆったりしたテンポで音楽を進めます 日橋辰朗のホルンが素晴らしい この楽章は、同じメロディーが何度も繰り返され、普通の演奏では途中でうんざりするのですが、小林の指揮で聴くと繰り返されるたびに新鮮で、嫌味を感じません 第2楽章では、フリスト・ドブリノヴのフルート、金子亜未のオーボエ、金子平のクラリネットが良く歌っていました また弦楽器のアンサンブルがとても美しく響きました

2曲目はベートーヴェン「交響曲第5番 ハ短調 作品67 ”運命”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770‐1827)が1807年から翌08年にかけて作曲、1808年12月22日にアン・デア・ウィーン劇場で「交響曲第6番”田園”」、「ピアノ協奏曲第4番」などと共に初演されました 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「アレグロ」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります

小林はこの曲ではタクトを使用します ほぼ予想通り、極めて速いテンポで第1楽章が開始されました この曲でもドイツ的な重心の低い演奏が展開します オーボエ、フルート、ホルンが素晴らしい 第3楽章から切れ目なく演奏される第4楽章にかけての緊張感の持続が「苦悩を通じての勝利」を呼び込みます ここでもホルンが素晴らしい ピッコロも大活躍します ティンパニの連打が心地よいリズムを刻みます 全体的に速めのテンポによるスッキリした演奏ですが、メリハリがあり、思わず引き込まれました

 

     

 

プログラム後半はドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 作品95 ”新世界から”」です この曲はアントニン・ドヴォルザーク(1841‐1904)がニューヨークの私立ナショナル音楽院の院長としてアメリカ滞在中の1893年に作曲、同年ニューヨークで初演されました 第1楽章「アダージョ~アレグロ・モルト」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・コン・フォーコ」の4楽章から成ります

小林はこの曲でもタクトを使用します 第1楽章ではオーボエ、フルートといった木管楽器が素晴らしい また、ホルンとトロンボーンのアンサンブルも美しく響きます 第2楽章のラルゴは何と言ってもイングリッシュホルン(フランス語でコーラングレ)の独奏による「家路」のテーマが聴きものですが、この演奏がとても良かった 読響の楽団員ではないようですが、いったいどこの誰だ それにしても、この曲では他の演奏者がいくら巧く演奏しても、イングリッシュホルン奏者が”美味しいところ”を一人でかっさらっていきます ドヴォルザークも罪な人ですね とはいうものの、コントラバスのピッツィカートに乗せてオーボエ、クラリネット、フルートが演奏するアンサンブルは抒情的で聴きごたえがありました 第3楽章ではホルンの素晴らしさに加え、固いマレットによるティンパニの連打が心地よく響きました 第4楽章ではトロンボーンとホルンのアンサンブルが美しく、弦楽器が良く歌っていました 小林は終始、ドラマティックな音楽作りに徹し、ドヴォルザークの郷愁を歌い上げました

ところで、小林は一見、真面目そのものに見えますが、意外にも 左の耳にキラリと光るピアスをしたりして なかなかお洒落です 読響からキラリと光る演奏を引き出し、満場の拍手を浴びました

【訂正】(8月25日)

本文中に、小川響子さんが「葵クァルテットのメンバーで」とあるのは、「葵トリオ」の誤りでした。お詫びして訂正いたします

 

     

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マックス・バーバコウ監督「パーム・スプリングス」& ユーゴ・ジュラン監督「ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから」を観る 〜 ギンレイホール

2021年08月18日 07時19分33秒 | 日記

18日(水)。わが家に来てから今日で2412日目を迎え、アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンの首都侵攻を受けて、国外に脱出したガニ大統領が出国時に多額の現金を持ち出した疑いがあるとロシア通信などが16日報じた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     私利私欲に満ちたこんな大統領じゃ タリバンに勝てるわけがない どこに亡命した?

 

         

 

昨日、夕食に「豚もも肉のシソ巻き焼き」「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「大根の味噌汁」を作りました 「豚肉~」は初挑戦ですが、とても美味しくでき、娘から合格点をもらいました

 

     

 

         

 

昨日、ギンレイホールで「パーム・スプリングス」と「ラブ・セカンド・サイト   はじまりは初恋のおわりから」の2本立てを観ました

「パーム・スプリングス」はマックス・バーバコウ監督による2020年製作アメリカ・香港合作映画(90分)です

カリフォルニアの砂漠のリゾート地パーム・スプリングスで行われた結婚式に出席したナイルズ(アンディ・サムバーグ)と花嫁の介添人のサラ(クリスティン・ミリティ) ナイルズのサラへの猛烈なアタックから2人は次第にロマンティックなムードになるが、謎の老人に突如弓矢で襲撃され、ナイルズは肩を射抜かれてしまう 近くの洞窟へと逃げ込む2人は、洞窟の中で赤い光に包まれ、2人とも目覚めると結婚式当日の朝に戻っていた 状況を呑み込むことが出来ないサラがナイルズに問いただすと、彼はすでに何十万回も「今日」を繰り返しているという   2人はこの無限タイムループから抜け出すために奮闘する

 

     

 

この作品は、映画館がコロナの影響で営業できない中、ドライブシアターで限定上映したところ、映画に飢えていた観客を沸かせたと言われていますが、よく分かります 鬱屈した閉塞感をぶち破るのに相応しい”笑えるラブコメディー”です 自分がナイルズのようにタイムループに陥ったらどうなるだろうか と考えると、夜も眠れなくなってしまいました。昼寝しましたが

 

         

 

「ラブ・セカンド・サイト   はじまりは初恋のおわりから」はユーゴ・ジュラン監督による2019年製作フランス・ベルギー合作映画(118分)です

高校時代に出会い、一目ぼれから結婚したラファエル(フランソワ・シビル)とオリヴィア(ジョセフィーヌ・ジャピ) 人気SF作家として多忙な毎日を送るラファエルと、小さなピアノ教室を運営するオリヴィアの夫婦生活はすれ違いが続いていた オリヴィアと大喧嘩をした翌朝、ラファエルは見覚えのない部屋で目を覚ます そこは夫婦の立場が逆転した”もう一つの世界”で、ラファエルはしがない中学教師、オリヴィアは人気ピアニストで、ラファエルのことを知らなかった ラファエルは元の世界に戻るべく、SF最新作のストーリーのラストを書き直す

 

     

 

2人の出会いは、学校の音楽教室のピアノでオリヴィアがシューベルトの「セレナーデ」を弾いているのをラファエルが偶然聴いたことでした この曲は、もう一つの世界にいるオリヴィアがもう一度彼の前で弾くことになります この曲はフランツ・シューベルト(1797‐1828)が1828年に作曲した歌曲集「白鳥の歌  D957」の第4曲で、映画ではフランツ・リストがピアノ用に編曲したものが演奏されています そして、オリヴィアはラストのピアノ・リサイタルのシーンでショパンの「幻想即興曲  嬰ハ短調 作品66」を弾きます この曲はフレデリック・ショパン(1810‐1849)が1834年に作曲したピアノ曲です この映画では、オリヴィアのラファエルに対する激しい想いが伝わってくるような情熱的な演奏シーンが展開しました

いつも思うのですが、映画において音楽は重要な要素です

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ぺテル・べブヤク監督「アウシュヴィッツ・レポート」を観る 〜 収容所に流れる ラデツキー行進曲、凱旋行進曲、美しく青きドナウ:新宿武蔵野館

2021年08月17日 07時14分37秒 | 日記

17日(火)。わが家に来てから今日で2411日目を迎え、香港の大規模デモを主催してきた民主派団体、民間人権陣線は15日、香港国家安全維持法のもとで活動を続けることは難しいと判断、解散したと発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     覇権主義政策を推し進める中国・周近平の傀儡政権のもとでは 自滅しかないのか!

 

         

 

昨日、夕食に「野菜と挽肉のドライカレー」を作りました 今や私の定番料理なので失敗はありません カレーにはワインですね

 

     

 

         

 

昨日、新宿武蔵野館でぺテル・べブヤク監督による2020年製作スロヴァキア・チェコ・ドイツ合作映画「アウシュヴィッツ・レポート」(94分)を観ました

第2次世界大戦中の1944年、ユダヤ人が収容されたアウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所で、過酷な労働を強いられて殺害される人々の遺体記録係をしているスロヴァキア系ユダヤ人のアルフレート(ノエル・ツツォル)とヴァルター(ぺテル・オンドレイチカ)は、ナチスドイツによる残虐な行為の証拠を持ち出し、有力者に届けるために脱走を企てる 脱走に協力した仲間たちは一日中立たされ「正直に話せば全員宿舎に戻れるんだぞ」と執拗に拷問されるが、誰も口を割らない。アルフレートたちは3日間収容所の敷地内の資材置き場に潜伏した後、ホロコーストの真実を世界に伝えるため収容所を脱出し国境を目指す 奇跡的に救出された2人は、赤十字職員にレポートを提出し、赤十字から収容所に届けた医療品や食料などの援助物資は囚人に渡ることがないというアウシュヴィッツの実態を告白した上で、「収容所を爆撃し破壊するべきだ それは囚人たちも望んでいることだ」と懇願するが、それが実現することはなかった しかし、このレポートによって12万人のユダヤ人たちの命が救われることになった

 

     

 

この作品は、アウシュヴィッツ強制収容所を脱走した2人の若いスロバキア系ユダヤ人のレポートによって、12万人のユダヤ人の命が救われた実話に基づいて製作された人間ドラマです

ぺテル・べブヤク監督はこの映画を撮ろうと思った理由について、「近年、スロヴァキアに限らず、ヨーロッパ全土でファシスト思想を持つ政党を支持したり容認したりする傾向が強まっていることに対する危機感からだ」「沈黙を保つことは過激者を支持していることと同じである。先人たちの過ちを繰り返してはならない」と語っています

映画の冒頭、収容所の小さな楽隊によって演奏されるヨハン・シュトラウス1世の「ラデツキー行進曲」に合わせて囚人たちが行進します また、次の行進シーンではヴェルディの歌劇「アイーダ」の凱旋行進曲が演奏されます そして3度目の行進シーンではヨハン・シュトラウスⅡ世の「美しく青きドナウ」が演奏されます いずれの曲も、恐ろしいアウシュヴィッツ強制収容所の実態からかけ離れた、楽しくウキウキする音楽です スクリーンに流れるこれらの音楽を聴きながら、監督はアンビバレンスを狙ったのだろうと思いました 楽しいシーンでは悲しい曲を、悲しいシーンでは楽しい曲を流して、より愉悦性や悲劇性を際立たせる手法です

ところで、「収容所と音楽」ということで思い出すのはシェーンベルク「世の終わりのための四重奏曲」です フランスの作曲家オリヴィエ・メシアンは第2次世界大戦でドイツ軍の捕虜となり、ゲルリッツにある捕虜収容所に収容されましたが、1940年に収容所内で作曲したのがこの作品です 四重奏と言っても、ヴァイオリン、クラリネット、チェロとピアノによる変わった編成による四重奏曲です これは、メシアンが収容所で出会った3人の演奏者との偶然の出会いによります 一人でも別の楽器の演奏者だったらまったく異なる四重奏曲になっていたはずです 初演は1941年1月15日、第27兵舎でメシアンのピアノほかで行われました 収容所では、音楽家は捕虜の中でも比較的優遇されていたようです

しかし、これからは収容所で書かれる音楽があってはなりません

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菅総理を題材にした「パンケーキを毒見する」を毒見する 〜 今秋の衆議院議員選挙の投票の判断材料として格好の教材:新宿ピカデリー

2021年08月16日 07時15分55秒 | 日記

16日(月)。わが家に来てから今日で2410日目を迎え、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が2019年8月にトランプ米大統領(当時)に宛てた書簡で、米韓が同月実施した軍事演習を強く非難し、「私は与えるだけで、何の見返りもない。間抜けに見えてしまう」と恨み節を述べ、事実上の非核化交渉中断を通告していたことが分かった  という報道を見て感想を述べるモコタロです

 

    

    二人は独裁者同士でうまくやってると思ったら  気まぐれトランプに騙されたのね

 

         

 

昨日、新宿ピカデリーで企画・製作・エグゼクティブプロデューサー=河村光庸、内山雄人=監督による2021年製作映画「パンケーキを毒見する」(104分)を毒観しました

緊急事態宣言態勢のもとにあるので、座席は市松模様配置ですが、ほとんど埋まっています これほど関心が高いのか、とちょっとビックリしました

菅義偉氏は秋田県のイチゴ農家出身で、上京して段ボール工場で働いた後、国会議員の秘書となり、横浜市議会議員を経て衆議院議員となった 第二次安倍内閣の官房長官時代は「令和のおじさん」として名を馳せ、世襲議員でない叩き上げの首相として誕生した菅政権だが、酒が飲めない菅氏は就任直後に報道関係者を招いて「パンケーキ懇談会」を開き、記者の人心を掌握しようとした。携帯料金の値下げ要請など一般受けする政策を行う一方で、学術会議の任命拒否を断行した この映画では、自民党の石破茂氏、江田憲司氏らの政治家や元官僚、ジャーナリストや各界の専門家に話を聞き、菅義偉という人物について、そして菅政権が何を目指し、日本がどこへ向かうのかを模索する さらに菅首相のこれまでの国会答弁を徹底的に検証し、ポーカーフェイスの裏に隠された本心を探る

 

     

 

本作は映像によって菅氏の過去の実績を振り返り、彼を取り巻く政治家など関係者へのインタビューを行い、アニメを駆使して菅氏の行動をシニカルに捉えるなど、まるでバラエティー・ショーのようなスタイルを取って製作されています 国会答弁で「言語明瞭意味不明」な答弁を執拗に繰り返す菅総理の姿を見ていると、「この人に日本の政治を任せておいて大丈夫なのか」と疑問が湧いてきます なぜ 安倍政権を引き継いだ頼りない菅政権が続くのかを問われた複数の政治家の答えは「だって、選挙で勝ってしまうから、何をやっても許されると思ってしまう」ということです 東京オリンピックが終わった今、繰り返される新型コロナに係る緊急事態宣言の発出、ワクチン不足に対する国民の不安などを背景に、政権支持率は3割を割り込んでしまいましたが、それまでは若者を中心に一定の支持率を誇っていました それでは、そんな政権を許してきたのは、誰の責任なのか?  政府広報を伝達するだけのマスコミの責任か?  選挙で政治家を選んだ国民の責任か? 答えは出ています いま国民に求められているのは、選挙があったら棄権をしないで投票するということです 投票率が低い(=政治に関心が低い)ほど政権与党に有利になることを認識すべきだということです

アニメで 一番傑作だったのは、閻魔様が罪人の舌を抜くとき、何度抜いても新しい「二枚舌」が生えてくる罪人がいて、顔が映し出されると、安倍晋三元総理だったというブラックユーモアです 森友学園、加計学園、桜を見る会など挙げていったらキリがない。嘘の塊りです

現政権に呆れてばかりもいられません 今秋に行われるであろう衆議院議員選挙の投票率を上げることが出来るかどうかが国民に問われています まず菅政権の実態はどんなものかを知る必要がありますが、そのための判断材料として本作は格好の教材になります 一人でも多くの人に観ていただきたい作品です

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読響サマーフェスティバル「三大協奏曲」公演を聴く ~ 石上真由子のメンデルスゾーン、角野隼斗(かてぃん)のチャイコフスキー、北村陽のドヴォルザーク / 上野千鶴子の「言語能力」

2021年08月15日 07時10分07秒 | 日記

15日(日)。昨日の日経朝刊 読書ページのコラム「半歩遅れの読書術」に社会学者・上野千鶴子さんがエッセイを寄せています 上野さんは冒頭、次のように書いています

「言語能力というものはたくさん読み、たくさん書くこと以外に、身につけることができない 言語というのはいちばんチープで誰にでもアクセス可能な表現手段であるだけでなく、最後に残る自己表現手段でもある ネットが登場し、AV媒体が進化し、画像や動画がどれほど普及したとしても、人間にとって最初であり最後である表現手段は言語以外にないだろう

まったくその通りだと思います というのは、ひと様のブログやツイッターを読んでいると、「この人は、普段から新聞も本もろくに読まないで、書きたい放題 書いているな」と”判る”、つまり「インプットをロクにしないでアウトプットだけしている」ケースが少なくないからです 酷いのになると「自分で何を書いているのか分かっているのか?」と言いたくなる支離滅裂なブログもあります 文章を読めばその人がどういう人物か ある程度判るものです 上野さんの言う「言語能力というものはたくさん読み、たくさん書くこと以外に、身につけることができない」というのは、「多くの本や新聞を読んで情報を知識として『インプット』し、それをもとに言語により自分の考えを『アウトプット』することを繰り返すこと以外に、言語能力(自己表現力と言ってもよいか)を身につけることは出来ない」と言い換えることが出来ます

尊敬する上野さんの言葉を念頭に置いて、これからも「インプット」と「アウトプット」を繰り返し、少しでも”言語能力”が身につくように努力したいと思っています

ということで、わが家に来てから今日で2409日目を迎え、アーノルド・シュワルツェネッガーが、マスク着用やワクチン接種を拒否する人々を「愚か者」だと批判している  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ワクチンはともかく マスクをしないのは愚か者トランプ元大統領の悪影響が大きい

 

         

 

昨日、 Kirioka さんと 池袋の東京芸術劇場コンサートホールで読響サマーフェスティバル「 三大協奏曲」公演を聴きました プログラムとソリストは①メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」(Vn:石上真由子)、②ドヴォルザーク「チェロ協奏曲 ロ短調 作品104」(Vc:北村陽)、③チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23」(Pf:角野隼斗) 指揮は小林資典です 小林資典は1974年千葉県生まれ。東京藝大大学院修了。文化庁海外派遣研究員として渡独、ベルリン芸術大学で学ぶ。2013年からドルトムント歌劇場の音楽総監督代理と第1指揮者を務めています

席は1階k列15番・16番、11列目のセンターブロック左側です。会場は文字通り満席です いつもの「読響定期演奏会」と違い女性客が圧倒的に多く、年齢も多岐にわたっています ほぼ間違いなくYouTubeやTBS系テレビ「情熱大陸」で話題となったピアニスト かてぃん 目当ての聴衆がかなりの割合を占めています

 

     

 

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び。コンマスは林悠介です

1曲目はメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809‐1847)が1844年に作曲、翌1845年3月にフェルディナント・ダヴィッドのヴァイオリン独奏により初演されました 第1楽章「アレグロ・モルト・アパッショナート」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグレット・ノン・トロッポ~アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

ヴァイオリン独奏の石上真由子は1991年 京都市生まれ。8歳でローマ国際音楽祭に招かれる 日本音楽コンクール第2位、ルーマニア国際音楽コンクール優勝など受賞歴が多数あります

石上真由子が黒地に白の女性の上半身のイラストをあしらったエレガントな衣装で登場、小林の指揮で第1楽章に入ります 彼女の演奏の最大の特徴は自然で美しいヴィブラートです とりわけカデンツァは鮮やかでした 第2楽章こそ彼女の特徴が一番発揮された演奏で、音は若干小さめながら、しっかりと美音が聴衆に届いていました 第3楽章は愉悦感に満ちた演奏で聴衆を魅了しました

どうでもいいことですが、コンサート後の彼女のツイッターを見たら、アフターコンサートに何と東銀座の歌舞伎座に行ったようです 彼女は歌舞伎ファンだったのか そういえば、彼女は歌舞伎役者のように「目力(めぢから)」があるなぁ、と思いました

2曲目はドヴォルザーク「チェロ協奏曲 ロ短調 作品104」です この曲はアントニン・ドヴォルザーク(1841‐1904)がニューヨークのナショナル音楽院の院長を務めていた1894年から翌95年にかけて作曲、1896年にロンドンで初演されました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ・マ・ノン・トロッポ」、第3楽章「フィナーレ:アレグロ・モデラート」の3楽章から成ります

チェロ独奏の北村陽は2004年生まれ。9歳でオーケストラと共演。「若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」で優勝し注目を集めました

チェロを帯同してステージに登場した北村は、まだ あどけなさが残る少年といった雰囲気です それはそうです。まだ17歳ですから

小林の指揮で第1楽章に入りますが、冒頭の管弦楽部分は小林の指揮にかなり力が入っています 次いで北村のソロが力強く入ってきます あどけない容姿と悠然とした演奏とのギャップに驚きます 第2楽章では郷愁を誘う叙情的な演奏に惹かれます フルートの倉田優の美しい演奏に続き、クラリネットが巧いなぁと思ってよく見ると、新日本フィル首席の重松希巳江が客演していました 次にソロを吹いたオーボエの金子亜未も新日本フィルにいたので、さながら同窓会のようでした 第3楽章に入ると、北村は民俗色豊かな演奏を繰り広げ、スケールの大きなフィナーレを迎えました 小林 ✕ 読響がしっかりとサポートし、ソリストを盛り立てたのは言うまでもありません

休憩時間は予想通り、女性トイレに長蛇の列ができました 15分の休憩では並んでいる全員は入れなかったようです 我慢を強いられた女性にとっては「水に流せない」話だと思います

 

     

 

プログラム後半はチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840‐1893)が1874年から翌75年にかけて作曲、1875年10月25日にボストンで初演されました 当初、彼の恩人で巨匠ピアニストのニコライ・ルビンシテインに献呈する予定でしたが、彼がこの作品に「演奏不能」と不満を表明したため、ドイツの指揮者でピアニストのハンス・フォン・ビューローに献呈しました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ・エ・モルト・マエストーソ」、第2楽章「アンダンテ・シンプリーチェ」、第3楽章「アレグロ・コン・フォーコ」の3楽章から成ります

ピアノ独奏の角野隼斗(すみの はやと)は1995年生まれ。東京大学大学院修了。ピティナ特級グランプリ受賞 リヨン国際コンクール第3位。国内外でコンサート活動を行う傍ら、Cateen(かてぃん)名義で自ら作・編曲および演奏した動画をYouTubeで配信しています

Kiriokaさん曰く「風貌がちょっとショパンに似ている」という 角野かてぃん がピアノに向かい、第1楽章に入ります     ソリストは冒頭から力が入っていますが、緊張からかミスタッチがありました    その後は、スケールの大きなオケの演奏に対抗するかのように熱演を繰り広げました    第2楽章では、フルートの倉田、オーボエの金子、チェロの富岡といった首席クラスの演奏がソリストを盛り立てました    第3楽章に入ると、「おやっ?」という箇所もありましたが、ソリストのグルーブ感溢れるエネルギッシュな演奏が続き、小林 ✕ 読響のバックに支えられながら、壮大なフィナーレを飾りました

終演後は会場のそこかしこに熱心な かてぃんファンによるスタンディングオベーションが見られました ただし自席から確認できる限り、立ち上がって拍手をしているのは女性客のみでした すぐ前の席の親娘らしき女性たちも立ち上ったので、私も Kirioka さんもステージが見られなくなってしまいました    ある人がスタンディングオベーションすると、すぐ後ろの席の人がステージが見られなくなるので、見るために立ち上がります。その連鎖によって「満場のスタンディングオベーション」の神話が出来上がります われわれはその波には乗りませんでしたが、やる時はやります

私はニュース以外はテレビを観ないので「情熱大陸」も観たことがありませんが、個人的な印象としては、角野隼斗氏は多岐にわたる能力がありそうだし 可能性を秘めているので、10年後ぐらいには音楽を離れて、まったく違う道に進んでいるのではないか、と思ったりしました

それにしても、読響は商売が上手いなぁ、と思います 誰でも知っているプログラミングにより 話題性のある若手の演奏家を登場させて会場を埋め尽くすのですから、大した手腕だと思います

親会社が親会社だからかも知れません

 

     

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ピアニスト阪田知樹 / ピエール・ルメートル著「われらが痛みの鏡」(上・下巻)を読む ~ 「天国でまた会おう」「炎の色」に続く「災厄の子供たち」3部作が完結

2021年08月14日 07時31分42秒 | 日記

14日(土)。昨日、埼玉県S市の菩提寺(曹洞宗 J 寺)に墓参りに行ってきました 新型コロナの発生から拡大に至る間、1度も行っていなかったので、2年ぶりです この1週間 コロナの感染拡大が厳しいので、お寺で妹夫婦と待ち合わせて墓参りを済ませ、実家には寄らずに帰宅しました 行きと帰りは小雨が降っていたのに、なぜか墓参りの時だけ雨が上がりました 普段の心掛けが・・・・・みなまで言うまい

ということで、わが家に来てから今日で2408日目を迎え、トランプ前米大統領の会計事務所に対しトランプ氏の財務記録の一部を民主党主導の下院委員会に提出するよう求めた米連邦地裁の11日の判決を巡り、トランプ氏の弁護団はコロンビア特別区の巡回控訴裁判所に上訴し判決見直しを求めた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプに大統領特権はないって 何度言ったら解るんだ! 国民の義務を果たせ!

 

         

 

昨日、夕食に「鶏の唐揚げ」を作りました 3週間ぶりですが、その間 栗原はるみ先生の「うまみ醤油」を冷蔵庫で寝かせておいたので、とても美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨日の日経 夕刊文化欄に「阪田知樹さん 三大コンクールで入賞」という記事が載っていました 超訳すると、

「5月、エリザベート王妃国際ピアノコンクール ピアノ部門で4位に入賞した    世界三大コンクールの一つだが『結果に固執しすぎず演奏の内容にこだわった』。特に自信を持つのがハンガリーの作曲家リストだ。2016年のリスト国際ピアノコンクールでは全審査員一致で優勝した    今回は第1次審査でヴェルディのオペラを題材にリストが作った『リゴレット・パラフレーズ』を、セミファイナルではリストの『ピアノ・ソナタ』を弾いた。ドイツで7年間暮らし、27歳になった 19年に死去した『ウィーン三羽烏』の一人、パウル・パドゥラ=スコダには10年間師事した 今回のコンクールを経て『(音楽家として)方向性は固まってきたのかなと思う』。ヨーロッパの伝統を継ぐ、正統派ピアニストの系譜に連なるつもりだ

阪田さんには、彼のリサイタルの感想をブログに書いてツイッターに投稿した際「いいね」をいただいきました それ以来、親近感を感じるピアニストになっています しかし、彼が10年間、 パウル・パドゥラ=スコダに師事していたことを今回始めて知りました。不勉強が恥ずかしいです 若手の中では応援したいピアニストです

 

         

 

ピエール・ルメートル著「われらが痛みの鏡(上・下巻)」(ハヤカワ文庫)を読み終わりました ピエール・ルメートルは1951年パリ生まれの作家・脚本家。2006年にカミーユ・ヴェル―ヴェン警部シリーズの第1作「悲しみのイレーヌ」でデビュー 2011年に発表したシリーズ第2作の「その女アレックス」は英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞を受賞した 2013年に発表した「天国でまた会おう」はフランスで最も権威のある文学賞「ゴンクール賞」とダガー賞(前掲)を受賞 この作品はアルベール・デュポンテル監督・主演により映画化された 2020年に発表された「災厄の子供たち」3部作=「天国でまた会おう」「炎の色」「われらが痛みの鏡」=の掉尾を飾る本書は刊行されるや大評判を呼んだ

 

     

 

「天国でまた会おう」では傷痍軍人エドゥアールの仮面づくりを手伝っていた少女ルイーズも、今では30歳となり、小学校の教師をする傍ら週に一度、近くのレストラン「ラ・プティット・ボエーム」でウエイトレスをしていた ある日、常連客の一人である老医師ティオリンから多額の報酬と引き換えに奇妙な申し出をされる 裏に何かあると警戒しながらも、ルイーズは彼の待つホテルの一室に赴く。そこから彼女の運命は大きく動き出し、やがて思いもかけない過去の秘密が次々と明らかになっていく

 

     

 

本作にはルイーズ以外にも主人公と言うべき人物が複数登場します 最初はマイアンベール要塞でドイツとの対戦に備えて待機しているガブリエルとラウールの2人の兵士です ガブリエルは常識的な兵士ですが、ラウールは賭博や軍の物資を横流しする闇商売で一儲けを企む小悪党です しかし、彼を探していたルイーズから自分の出生の秘密を聞かされ人生観が変わります もう一人の主役は天才的な詐欺師デジレです 巧みな弁舌によって ある時は政府の役人を騙し、ある時は弁護士に成りすまして陪審員を騙し、ある時は司祭に成りきってデタラメなミサを催して人々を騙すのです   面白いのは、騙された方が、騙されたと思っていないことです    それほどまでに彼は人々の信頼を得ていたからこそ、詐欺行為が成り立っていたのです そして、そろそろ正体がバレそうだと直感すると、人知れず立ち去っていきます 個人的には、本作の中で最も人間的で共感を覚える人物です

上下巻合計で700ページを超える長編ですが、読み始めたら止まらない面白さです 外飲みが出来ない緊急事態宣言のもと、家で読むのに最適な作品です お薦めします

本日、toraブログのトータル訪問者数が190万PVを超えました(1,900,379 P V。トータル閲覧数は6,491,874 I P)。これもひとえに普段からご覧いただいている読者の皆さまのお陰と感謝申し上げます これからも1日も休むことなく毎日書き続けて参りますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします

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琉球交響楽団 / 森達也ほか「映画評論家への逆襲」、小林武彦「生物はなぜ死ぬのか」、小野寺史宣「ライフ」、井岡瞬「いつか、虹の向こうへ」、文藝春秋編「向田邦子を読む」を買う

2021年08月13日 07時12分04秒 | 日記

13日(金)。昨日の朝日夕刊第2面「music &  theater  楽しむ」のコラム「記者推し」に同社編集委員の吉田純子さんが琉球交響楽団の公演について書いています 読み始めて「ちょっと待てよ」と思ったのは、琉球交響楽団のコンサートは6月12日にあったはず。それなのに何故2か月も経った8月12日に取り上げたのか、ということです。あまりにも時機を逸しています しかし、最後まで読んで「なるほど彼女が言いたかったのはそういうことだったのか」と合点がいきました そこには次のように書かれていました

「ゲストの辻井伸行は、圧倒的な集客力と華のある独奏で公演成功の一翼に。大友とのトークに興じ、沖縄に想を得た新作も披露した ただ、主催が彼のCDを手掛ける大手エイベックス系の音楽会社ゆえか、扱いの主客転倒感が残念だった 萩森(「沖縄交響歳時記」の作曲者)や楽員ら、ふだん光の当たらぬこの日の主役たちが、20年の歩みを誇らしく語る姿を見たかった

私は辻井氏の演奏を聴いたことがないので、「圧倒的な集客力と華のある独奏」であるのかどうか分かりません また、この公演を聴いていないので「扱いの主客転倒感が残念だった」という感想の具体的な内容が分かりません ただ、辻井氏のCDを手掛ける会社が前面に出過ぎる行為を行ったのではないか、と想像はできます 会社名を表記したうえで「残念だった」と書いたのは、これから同様のことをやれば、また会社名を出してコメントするぞ という警告に思えなくもありません いずれにしても、コンサートはあくまでも「演奏者ファースト」であって欲しいと思います

ということで、わが家に来てから今日で2407日目を迎え、河村たかし名古屋市長が東京五輪ソフトボール選手の金メダルをかじった問題で、国際オリンピック委員会(IOC)などが、新たなメダルに交換し 費用はIOCが負担する方針であることが、関係者への取材で分かった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     張本人の河村たかし市長に負担させるべき! 辞任すべき! という批判の波たかし

 

         

 

昨日、夕食に「牛バラ肉、モヤシ、豆腐の炒めもの」「生野菜とワカメのサラダ」「冷奴」を作りました 牛バラ肉〜の炒めものは焼肉のタレを使うのですが、レシピ通り大匙2杯ではとても味が薄く、3倍使いました

 

     

 

         

 

昨日は、現職の総理大臣・菅義偉氏を題材にした映画「パンケーキを毒見する」を観るつもりで、午前10時に新宿ピカデリーに行ったのですが、観ようと思っていた10時20分開始の部はソルドアウトになっていました 世の中のコロナ態勢に慣れ過ぎて、映画館は現在50%の入場制限があることを失念していました 世論調査で菅政権の支持率は30%を切ったというのに人気があるんですねぇ とは言え、次の回まで待つ暇はないので、熟慮の結果、手元の本も尽きかけていたことを思い出し、池袋のジュンク堂書店に行くことにしました

ということで、本を5冊買いました 1冊目は森達也ほかによる「映画評論家への逆襲」(小学館新書)です 謳い文句に「映画監督はどんな視点で映画を観るのか。映画を作る側から、映画評論家、そしてSNSで映画感想文を垂れ流すモノ言う『顧客』への逆襲である」と書かれています 受けて立とうじゃないか

 

     

 

2冊目は小林武彦著「生物はなぜ死ぬのか」(講談社現代新書)です 著者は東京大学定量生命科学研究所教授です。最近の調査によると人間の死亡率は100%だそうですが、その謎を解き明かしているようです

 

     

 

3冊目は小野寺史宣著「ライフ」(ポプラ文庫)です この人の「ひと」を読んでファンになりました

 

     

 

4冊目は井岡瞬著「いつか、虹の向こうへ」(角川文庫)です この人の本は「代償」をはじめ文庫化されている作品のほとんどを読みましたが、本作は第25回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をW受賞したデビュー作です

 

     

 

5冊目は文藝春秋編「向田邦子を読む」(文春文庫)です 私はどうも「向田邦子」という名前を見るとほぼ自動的に買ってしまう癖があります 本書は文春ムック「向田邦子を読む」(2018年1月・文藝春秋刊)を文庫化したものだそうです

 

     

 

いずれも、今読んでいる本を読み終わった後に読んで、ブログアップしていきます

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市川崑監督「野火」(1959年製作)、塚本晋也監督「野火」(2014年製作)を観る 〜 戦場という極限状態に追い込まれた人間の行動を描いた作品:新文芸坐

2021年08月12日 07時19分47秒 | 日記

12日(木)。わが家に来てから今日で2406日目を迎え、米ニューヨーク州のクオモ知事は10日、同州のジェームズ司法長官が、クオモ氏が複数の女性に対してセクハラ行為したことを認定したことを受けて、今後2週間以内に辞任する意向を示した  というニュースを見てシャレを言うモコタロです

 

     

     クオモ:辞任は悔しクオモうが バイデン大統領も辞めろというので 悲しクオモう

 

         

 

昨日、夕食に勝浦市在住の大学時代の友人S君が送ってくれた赤魚を塩焼きにして、「生野菜とアボカドのサラダ」「カツオのタタキ」「冷奴」「エノキダケの味噌汁」と一緒に食べました 赤魚は脂がのっていてとても美味しかったです

 

     

 

         

 

現在、池袋の新文芸坐では、東京裁判から75年を記念して「戦争映画特集」を上映中です 昨日、大岡昇平の小説「野火」を映画化した2人の監督による作品を観ました

 

     

 

最初に観たのは市川崑が1959年に監督した「野火」(モノクロ・104分)で、2本目に観たのは塚本晋也が2014年に監督・主演した「野火」(カラー・87分)です

とくに後者は、いつかは観たいと思っていてチャンスに恵まれず、伸び野火になっていて やっと願いが叶った映画です

 

     

 

ストーリーはラストを除いて概ね同じですが、市川版のモノクロに対し塚本版がカラーという違いがあります また塚本版の方が上映時間が短いだけあって物語のテンポが速く進みます 物語の概要は以下の通りです

日本軍の敗北が濃厚となった第二次世界大戦末期のフィリピンのレイテ島戦線 結核を患っていた田村一等兵は部隊を追放され、野戦病院へと送られる しかし、野戦病院では食糧不足を理由に田村の入院は拒否されてしまう 田村は再び舞い戻った部隊からも入隊を拒否されてしまう 行き場を失った田村は病院の前に寝転ぶ連中の仲間に加わる。安田は煙草の葉をたくさん持っていて食料と交換していたが、足を怪我していて自由に歩けない身だった 安田は煙草を餌に松永という若い兵士を部下のように扱っていた。病院が空襲に遭い、田村は一人で荒野を逃げたが、海辺の教会のある無人の村で、現地の男女と遭遇し、女に騒がれたため恐怖におののき女を撃ち殺してしまう 田村はそこで手に入れた塩を代償に、山中の芋畑で出会った兵士たちの仲間に入る 彼らは集結地パロンポンを目指していた。途中で米兵の銃撃に遭い、仲間の多くは死んでいった 田村は兵士たちの足首が転がる野原で、何者かの銃撃に遭う 彼を抱き上げたのは松永だった。松永は”猿”を狩り、その肉を安田と共に食べて生きていたのだ 田村は「俺を猿と間違えて撃ったのでは?」と疑うが、松永は否定する 安田は田村の手りゅう弾を騙し取り、田村と松永に投げつけてきた。彼が歩けないのは偽装だと判明する 安田が仲直りを呼びかけてきたが、松永は彼を銃殺する そして彼の脚を切り落として食らいつく。それを目前にした田村は松永を銃殺した 田村は銃を捨て、かなたの野火へ向かって歩き始めた。そこにはフィリッピン人がいる。非常に危険な行動だった

 

     

 

この映画は、戦場という異常な空間で極限状態に追い込まれた人間たちの行動が描かれています

この映画で執拗に描かれているのは、とにかく「食料がない」という究極の状態です 食べるものは「サツマイモ」しかないし、「塩」は貴重な物資です

「松永は”猿”を狩り、その肉を安田と共に食べて生きていた」というのは嘘で、実は現地のフィリピン人を銃殺して、その人肉を食べていたのです

「勝つ見込みのない戦場において、サツマイモも塩もなくなったとき、人間はこういう行動を取る、人間の尊厳など守られない。戦争とはそういうものだ」というのが原作者・大岡昇平からの、市川崑監督、塚本晋也監督からのメッセージです

塚本版「野火」の上映に当たり塚本監督がビデオ出演し、「本作が毎年のように上映されているのは奇蹟のようだ 戦争は、頭で考えて人に実行を指示する者と、それを実行する者とに分かれるが、圧倒的多数は実行する側にいる 戦争になると、本作で描かれているような悲惨なことが起こる。そのことをよく考えてほしい」と語っていました

8月15日の敗戦記念日を前に、あらためて戦争のことを考える上で、戦争関連映画を観るのも良いことだと思います

 

     

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