人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

小林資典指揮で読響サマーフェスティバル「三大交響曲」を聴く ~ 重心の低いドイツ的な演奏を展開:「未完成」「運命」「新世界より」

2021年08月19日 07時11分58秒 | 日記

19日(木)わが家に来てから今日で2413日目を迎え、マスク着用の義務化に反対の立場を取っている米南部テキサス州のグレッグ・アボット知事が新型コロナウイルスに感染したことが17日 明らかになった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     科学を信じないトランプ流の姿勢が いかに脆弱かを証明するような自業自得の結末

 

         

 

昨日、夕食に「鶏肉とアスパラガスの中華炒め」「生野菜とツナのサラダ」「冷奴」を作り、「ワカメとネギのスープ」「納豆ご飯」とともに食べました 「鶏肉~」は酒、塩、胡椒だけの味付けで、片栗粉をまぶして炒めます。多分、今回が2度目の挑戦ですが美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨夕、東京芸術劇場コンサートホールで読響サマーフェスティバル「三大交響曲」公演を聴きました プログラムは①シューベルト「交響曲第7番 ロ短調 D759 ”未完成”」、②ベートーヴェン「交響曲第5番 ハ短調 作品67 ”運命”」、③ドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 作品95 ”新世界から”」です 指揮は小林資典です

指揮をとる小林資典(こばやし もとのり)は1974年千葉県生まれ。東京藝大大学院で学び、2000年からドイツの歌劇場で”劇場叩き上げ”の指揮者として活躍し、2013年からはドルトムント歌劇場の音楽総監督と第1指揮者(カぺルマイスター)を務めています 4日前の8月14日には読響で三大協奏曲を指揮しました

 

     

 

自席は1階N列13番、センターブロック前から14列目の左通路側です。会場は9割近く埋まっているでしょうか

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの読響の並び。コンマスは林悠介です     第2ヴァイオリンのトップは葵クァルテットのメンバーで現在ドイツのベルリン・フィル・カラヤン・アカデミーで樫本大進のもとで研鑽を積んでいる小川響子が客演しています 新型コロナ感染拡大予防のため譜面台は弦楽奏者も含めて1人1台を使用します

1曲目はシューベルト「交響曲第7番 ロ短調 D759 ”未完成”」です この曲はフランツ・シューベルト(1797‐1828)が1822年に第2楽章まで完成し、第3楽章は9小節まで作曲したままの未完成の交響曲です シューベルトの死後、1865年12月17日にウィーンで初演されました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」の2楽章から成ります

小林資典が指揮台に上り第1楽章に入りますが、この曲ではタクトを使用しません 小林は重心の低いドイツ的な音楽作りと言えば良いのか、ゆったりしたテンポで音楽を進めます 日橋辰朗のホルンが素晴らしい この楽章は、同じメロディーが何度も繰り返され、普通の演奏では途中でうんざりするのですが、小林の指揮で聴くと繰り返されるたびに新鮮で、嫌味を感じません 第2楽章では、フリスト・ドブリノヴのフルート、金子亜未のオーボエ、金子平のクラリネットが良く歌っていました また弦楽器のアンサンブルがとても美しく響きました

2曲目はベートーヴェン「交響曲第5番 ハ短調 作品67 ”運命”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770‐1827)が1807年から翌08年にかけて作曲、1808年12月22日にアン・デア・ウィーン劇場で「交響曲第6番”田園”」、「ピアノ協奏曲第4番」などと共に初演されました 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「アレグロ」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります

小林はこの曲ではタクトを使用します ほぼ予想通り、極めて速いテンポで第1楽章が開始されました この曲でもドイツ的な重心の低い演奏が展開します オーボエ、フルート、ホルンが素晴らしい 第3楽章から切れ目なく演奏される第4楽章にかけての緊張感の持続が「苦悩を通じての勝利」を呼び込みます ここでもホルンが素晴らしい ピッコロも大活躍します ティンパニの連打が心地よいリズムを刻みます 全体的に速めのテンポによるスッキリした演奏ですが、メリハリがあり、思わず引き込まれました

 

     

 

プログラム後半はドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 作品95 ”新世界から”」です この曲はアントニン・ドヴォルザーク(1841‐1904)がニューヨークの私立ナショナル音楽院の院長としてアメリカ滞在中の1893年に作曲、同年ニューヨークで初演されました 第1楽章「アダージョ~アレグロ・モルト」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・コン・フォーコ」の4楽章から成ります

小林はこの曲でもタクトを使用します 第1楽章ではオーボエ、フルートといった木管楽器が素晴らしい また、ホルンとトロンボーンのアンサンブルも美しく響きます 第2楽章のラルゴは何と言ってもイングリッシュホルン(フランス語でコーラングレ)の独奏による「家路」のテーマが聴きものですが、この演奏がとても良かった 読響の楽団員ではないようですが、いったいどこの誰だ それにしても、この曲では他の演奏者がいくら巧く演奏しても、イングリッシュホルン奏者が”美味しいところ”を一人でかっさらっていきます ドヴォルザークも罪な人ですね とはいうものの、コントラバスのピッツィカートに乗せてオーボエ、クラリネット、フルートが演奏するアンサンブルは抒情的で聴きごたえがありました 第3楽章ではホルンの素晴らしさに加え、固いマレットによるティンパニの連打が心地よく響きました 第4楽章ではトロンボーンとホルンのアンサンブルが美しく、弦楽器が良く歌っていました 小林は終始、ドラマティックな音楽作りに徹し、ドヴォルザークの郷愁を歌い上げました

ところで、小林は一見、真面目そのものに見えますが、意外にも 左の耳にキラリと光るピアスをしたりして なかなかお洒落です 読響からキラリと光る演奏を引き出し、満場の拍手を浴びました

【訂正】(8月25日)

本文中に、小川響子さんが「葵クァルテットのメンバーで」とあるのは、「葵トリオ」の誤りでした。お詫びして訂正いたします

 

     


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