15日(土)。わが家に来てから今日で3714日目を迎え、ロシアのプーチン大統領は13日に開いた記者会見で、米国が提案したウクライナでの停戦案について「紛争の根本的な原因を取り除くものでなければならない」と述べ、即時の停戦受け入れに難色を示した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
”根本的な原因”は ロシアがウクライナを侵略したという事実だ 無条件に撤退すべき
昨日の夕食は、隔週金曜日のローテに従って「鶏のから揚げ」を作りました 今回も外カリカリ内ジュ―シーに出来、娘は食べるごとに「美味しい
」を連発していました
昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「第29回すみだクラシックへの扉」シリーズを聴きました プログラムは①ブラームス「ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15」、②ベートーヴェン「交響曲第5番 ハ短調 作品67 ”運命”」です
演奏は①のピアノ独奏=アレクサンダー・ガジェヴ、指揮=太田弦です
開演前に開かれた「ワンコイン講座」講師・小室敬幸氏の解説によると、当初 作品の長さ等を勘案して ベートーヴェンを先に、ブラームスを後に演奏する予定だったのが、最終的に通常パターンの「協奏曲 ⇒ 交響曲」の順番に落ち着いたとのことです
指揮を執る太田弦は1994年北海道札幌市生まれ。幼少からチェロとピアノを学ぶ。東京藝大指揮科を首席で卒業し同大学院修了。2015年に第17回東京国際音楽コンクール”指揮”で第2位及び聴衆賞受賞 2022年度第30回渡邊暁雄音楽基金音楽賞受賞。2019年4月から22年3月まで大阪交響楽団正指揮者、2023年4月から仙台フィル指揮者、2024年4月から九州交響楽団首席指揮者。第23回(2024年度)斎藤秀雄メモリアル基金賞 指揮部門受賞
今年度の「扉シリーズ」最後の定期演奏会は満席です
オケは14型で 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新日本フィルの並び コンマスは崔文洙、隣は伝田正秀というダブル・トップ態勢を敷きます
1曲目はブラームス「ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1854年から58年にかけて作曲、1859年にハノーファーで初演されました
この曲は元々は「2台のピアノのためのソナタ ニ短調」として作曲された作品で、このソナタを基にして交響曲を作曲しようと試みたものの完成せず、最終的にピアノ協奏曲として完成させたものです
したがって、曲としてはまるで交響曲のような曲想になっています
第1楽章「マエストーソ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ロンド:アレグロ・ノン・トロッポ」の3楽章から成ります
ピアノ独奏のアレクサンダー・ガジェヴは1994年(太田弦と同じ!)イタリア生まれ。9歳でオーケストラと初共演、10歳で初リサイタルを開いた神童です 2015年の浜松国際ピアノコンクール、18年のモンテカルロ音楽達人杯ピアノ部門、21年のシドニー国際ピアノコンクールでそれぞれ優勝を果たし、同年10月の第18回ショパン国際ピアノコンクールでは反田恭平とともに第2位に入賞しました
太田の指揮で第1楽章が決然とした第1主題で開始されます この曲に賭ける太田の強い意志が、ティンパニの強打に表れているような集中力に満ちた演奏です
独奏ピアノは、古典的な協奏曲のように一通りオーケストラが演奏した後でおもむろに登場します
ガジェヴのピアノはどこまでもクリアで、最強音でも、高速パッセージでも決して濁りません
この間、タクトを持たずに指揮をする太田の両手の動きを見ていて、「尾高忠明にそっくりだな」と思いました
それもそのはず、太田は東京藝大で尾高に指揮を師事しています
若い指揮者が師匠に似るのはある意味必然かもしれません
かつて、山田和樹の指揮が師匠の小林研一郎に似ていると言われたのを思い出します
第2楽章はガジェヴの抒情的なピアノが印象的で、クラリネット、オーボエ、フルートといった木管楽器がソリストの演奏に華を添えます
ガジェヴはアタッカ気味に第3楽章に入り、推進力に満ちた演奏を展開します
カデンツァは鮮やかでした
太田 ✕ 新日本フィルはスケールの大きな演奏でソリストを支え、壮大なフィナーレを迎えました
満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されます ガジェヴはアンコールにドビュッシー「前奏曲集第2巻」より「オンディーヌ」を鮮やかに演奏、再び大きな拍手に包まれました
プログラム後半はベートーヴェン「交響曲第5番 ハ短調 作品67 ”運命”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1807年から翌08年にかけて作曲、1808年に「交響曲第6番”田園”」他と共にアン・デア・ウィーン劇場で初演されました
第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「アレグロ」、第4楽章「アレグロ ~ プレスト」の4楽章からなります
太田の指揮で第1楽章が開始されますが、冒頭から集中力に満ちたアグレッシブな演奏が展開します 事前に小室氏のレクチャーでこの曲の特徴(限られた素材を変奏して全体に行き渡らせる「主題労作」)を学んで本番を聴いたので、第1楽章だけでなく全楽章で「あ、ここにも タ・タ・タ・ターの第1主題が登場している」と確認しながら演奏に耳を傾けました
どこまでも緻密に構築された作品だと あらためて思いました
演奏では、第1楽章終盤における神農広樹のオーボエ独奏、第2楽章における弦楽器の流麗な演奏、第3楽章における力強いホルン、チェロ、コントラバスの魅力ある重低音、第4楽章において鋭角的に響く渡辺泰のピッコロなどが印象に残りました
躍動感あふれる溌溂とした指揮ぶりを見せた太田は、将来が楽しみな指揮者だと思います
開演前と終演後にチケットボックス部の登原さんと話す機会がありました 彼女と話をするのは今年に入って初めてですが、いつもの笑顔で迎えてくれました
表情も明るく元気そうだったので安心しました
最近、川崎市在住の会員S氏の姿が見えないので、彼女も心配していました
昨年のいつだったか、ミューザ川崎でS氏に会った時に「身体の調子が不安定なので、定期会員にならず、聴きたいコンサートだけチケットを買うことにしようと思う」と語っていたのを思い出しました
元気でいてくれればよいのですが・・・帰り際に、登原さんに「次はサントリーホールに(22日の定期公演を)聴きに行きます」と伝えると、笑顔で「お待ちしてます」と答えてくれました
満席の公演を実現するためには、彼女たちのような事務局員の地道な努力あってこそ
応援したいと思います
またお話できるといいですね
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