16日(日)。昨日の日経朝刊 文化欄に、びわ湖ホール制作オペラ「死の都」の記事が載っていました 3月1,2日に阪哲朗指揮 京都市交響楽団により上演されたコルンゴルトのオペラ「死の都」に関する論評ですが、好意的に書かれていました
「死の都」は旧オーストリア・ハンガリー帝国出身のエーリヒ・ウォルフガング・コルンゴルト(1897-1957)が23歳で作曲したオペラです
彼はユダヤ人のためナチスの迫害を受けて米国へ亡命し、ハリウッドで映画音楽の礎を築きました
今からン十年前にフルート教室で知り合ったO君(当時W大・大学院生)の影響でコルンゴルトが好きになり、以来 LPやCDを買い漁り よく聴いていました その中に「死の都」のCDがありました
いつか生の演奏でオペラを観賞したいと思っていたところ、2014年にチャンスが訪れました 同年3月9日に新国立オペラのゲネプロを見学する機会があり、3日後の12日に本番を聴きました
素晴らしいオペラです
このオペラで一番好きなのはマリエッタの歌「わたしに残された幸せ」です
最後のロマン派音楽という印象を抱きます
また、新国立オペラで再演してほしい、と熱望します
ということで、わが家に来てから今日で3715日目を迎え、トランプ米大統領は14日、首都ワシントンの司法省で演説し、自身を「米国の最高法執行責任者」と呼び、自身を捜査した検察官や政敵への「報復」を宣言した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
「王様」を自称するトランプに 三権分立は通用しない 米国には暴走を止める者がいない
昨日、新宿ピカデリーで安田淳一監督・脚本による2024年製作映画「侍タイムスリッパ―」(131分)を観ました
幕末の京都。会津藩士の高坂新左衛門(山口馬木也)は家老から長州藩士を討つよう密命を受けるが、標的の男と刃を交えた瞬間、落雷によって気を失ってしまう 目を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所だった
新左衛門は行く先々で騒動を起こしながら、江戸幕府が140年前に滅んだことを知り、愕然とする
一度は死を覚悟する新左衛門だったが、助監督の山本優子(沙倉ゆうの)、西経寺住職(福田善治)と妻・節子(紅萬子)ら心優しい人たちに助けられ、生きる力を取り戻していく
やがて彼は磨き上げられた剣の腕だけを頼りに撮影所の門を叩き、斬られ役として生きていくことを決意する
滅茶苦茶面白い映画でした この映画は、ひと言で言えば「時代劇へのオマージュ」です。時代劇への愛で貫かれています
しかし、それ以上に、何としても観客を喜ばせたい、笑わせたいという監督の考えが横溢した映画です
この映画を観ながら、同じインディーズ映画の「カメラを止めるな」(上田慎一郎監督・2017年製作)にどこか似ているな、と思いました
共通するのは「映画を製作する過程」がストーリーの軸になっているところです
「カメラを止めるな」はゾンビ映画、「侍タイムスリッパ―」は時代劇映画の製作です
低予算で超面白い映画を作るという点でも共通しています
この映画の”キモ”は、新左衛門よりも前に現代日本にタイムスリップした侍が存在し、時代劇映画で活躍していたということ、そして、ラストシーンで3人目の侍がタイムスリップしてくるというところです
「やってくれたね」と思ったのはラストの新左衛門と風見恭一郎(冨塚ノリマサ)との真剣での対決シーンです
両者が互いに刀を抜かず しばし睨み合うシーンは、黒澤明監督「椿三十郎」のラストで、三十郎(三船敏郎)と室戸半兵衛(仲代達也)とが しばし無言で対峙するシーンのパクリです
いかし、この辺にも「時代劇へのオマージュ」が表れていると言えます
この映画では殺陣のシーンが多く見られますが、斬る役よりも斬られる役の方がはるかに難しそうだと思いました
この作品は総製作費約2600万円の低予算により完成しましたが、最初は池袋の「シネマ・ロサ」だけの上映だったのが、面白いと評判を呼んで上映館が全国に拡大し、2025年1月には興行収入9億円を突破したといいます 今年1月に発表された「第48回アカデミー賞」では最優秀作品賞を受賞しています
苺ケーキ を初めて食べた新左衛門が、「今の日ノ本の国は、誰でもこんなに美味い物が食べられる豊かな国になったのか
」と言って涙ぐむシーンが一番 刺さりました
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