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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

上岡敏之 ✕ アンヌ・ケフェレック ✕ 新日本フィルでベートーヴェン「ピアノ協奏曲第1番」、シューベルト「交響曲第8番”グレイト”」を聴く~すみだクラシックへの扉シリーズ

2024年03月17日 00時01分03秒 | 日記

17日(土)。わが家に来てから今日で3351日目を迎え、ロシア大統領選の投票が15日に始まったが、プーチン氏を含め立候補した4人ともウクライナ侵攻を支持する候補で、通算5期目を目指すプーチン氏の圧勝は確実とみられる  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     今世紀最大の茶番劇で選ばれて喜ぶのは 裸の王様プーチンと北朝鮮と中国くらいだ

     

         

 

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「すみだクラシックへの扉シリーズ 第21回演奏会」を聴きました   プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 作品15」、②シューベルト「交響曲第8番 ハ長調 D.944 ”グレイト” 」です   演奏は①のピアノ独奏=アンヌ・ケフェレック、指揮=上岡敏之です

私は本来「扉シリーズ」金曜日の会員ですが、東京フィルの定期演奏会とハシゴになるのを避けるため新日本フィルを土曜日に振り替えました 振り替え先の席は1階11列13番で、通路側席になっています 相当 配慮してくれたと感謝しています

会場を見渡すとかなりの客入りです 上岡 ✕ ケフェレックのベートーヴェンともなれば当然かもしれません

 

     

 

オケは10型の小編成で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの新日本フィルの並び。コンマスは崔文洙です 配布された楽員配置図によると隣席は立上となっていますが、実際に座っているのは別の人です どうなっているのだろうか?  これについては、1曲目終了後の休憩時間にパトロネージュ部の登原さんに訊いたところ、1日目は立上舞さんだったが、2日目はフォアシュピーラーの矢部咲紀子さんに交代した(理由は不明)とのことでした 急な演奏者交代は珍しいことではありません

1曲目はベートーヴェン「ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 作品15」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770ー1827)が1794年から翌95年にかけて作曲、1795年にウィーンで初演(その後1800年に改訂)されました この曲は「第2番」の後に作曲されましたが、出版が8か月ほど早かったため「第1番」とされています 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります

ケフェレックが登場し、上岡の指揮で第1楽章が開始されます 冒頭は弱音によるナイーブな演奏で意外に感じました この曲は先輩格のモーツアルトのピアノ協奏曲のように、主役のピアノがなかなか登場しません オケが一通り演奏し終わるとおもむろに女王のように登場します ケフェレックのピアノはどこまでもクリアでノーブルです カデンツァは鮮やかでした 第2楽章はかなりゆったりしたテンポで、ケフェレックのピアノが1音1音を紡ぎ出すように抒情的な演奏を繰り広げます マルコス・ペレス・ミランダのクラリネットと河村幹子のファゴットがそっと寄り添います 第3楽章はケフェレックのソロが間を置かずに入り、高速で愉悦感に満ちた演奏が続きます 中間部で裏拍が強調されるメロディーが繰り返されますが、ケフェレックの繰り返しが多いように感じました が、気のせいかもしれません 曲は何事もなかったかのように上岡の指揮で華やかに終結しました

満場の拍手とブラボーに、ケフェレックはヘンデル作曲(W.ケンプ編曲)「組曲 HWV434」より第4曲「メヌエット  ト短調」を抒情的にしみじみと演奏、再び大きな拍手に包まれました

ケフェレックのアンコールと言えば、最近はこの曲が演奏される機会が多いと思います とても美しい曲です この曲は下のCDに収録されています

 

     

     

 

休憩時間に登原さんと立ち話をしましたが、この日の公演を含めて最近は客入りもよく、4月からの定期演奏会の会員も増えているとのことでした 私は「音楽監督が佐渡氏に決まり、軌道に乗ったことが大きいのではないか」という趣旨のことを話しました オーケストラは彼女たちのような事務局職員の影の力に支えられているからこそ、安心して演奏活動が出来るのです 微力ながら、今年も維持会員として新日本フィルをサポートしていきます

さて、プログラム後半はシューベルト「交響曲第8番 ハ長調 D.944 ”グレイト” 」です この曲はフランツ・シューベルト(1797-1828)が1825年頃から28年にかけて作曲、シューベルトの死後の1838年にシューマンが自筆譜を発見し、1839年にライプツィヒでメンデルスゾーンの指揮で初演されました 第1楽章「アンダンテ ~ アレグロ、マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モト」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

オケは14型に拡大します

上岡の指揮で第1楽章が笠松長久の吹く雄大なホルンによって開始されます その後は快速テンポに移り、サクサクと演奏が続きます 弦楽器も管楽器も良く鳴っています 第2楽章は歯切れの良い演奏が展開します。神農広樹のオーボエが良く歌います 第3楽章では客演の清水のフルートが冴え渡ります 中間部のトリオの演奏が歌心に満ちていて素晴らしい 第4楽章は高速テンポで喜びに満ちた演奏が展開します 上岡はメリハリのある指揮ぶりでオケを引っ張っていきます 終盤における弦楽セクションの渾身の演奏によるグルーブ感が凄い オケ総力による演奏でフィナーレに向かいますが、意外だったのは最後の終結部です 通常の演奏はまるで勝利の音楽のように華々しく終わりますが、上岡の演奏は長く余韻を残しながら静かに消えていきました 例えて言えば、ドヴォルザークの「新世界交響曲」の終結部のように演奏されたということです こういうフィナーレは初めて聴きました しばらく呆然としましたが、シューベルトは生きているうちにこの曲の演奏を聴くことが出来なかったという事実を思い出しました そして、上岡はシューベルトの無念さを静かな終結の余韻に込めたのではないか、と思いました

満場の拍手とブラボーの中、カーテンコールが繰り返されました 今回も記念に写メしておきました

 

     

 

     

コメント
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