人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ゲルギエフらロシアの音楽家 ⇒ 中国へ出稼ぎへ ~ 日経の記事から / 中山七里著「テロリストの家」を読む ~ 長男がイスラム国のリクルートに応募した警視庁公安部所属の刑事の物語

2024年03月14日 00時04分05秒 | 日記

14日(木)。今日から3日連続コンサートなので、昨日は腰痛悪化を防ぐため、一日中ベッドに横になってコンサートの予習CDを聴きながら読書をして過ごしました 今はとにかくコンサートを聴くことを第一とし、METライブビューイングを除く映画鑑賞を自粛し、座る時間を出来るだけ少なくするようにしなければなりません

ということで、わが家に来てから今日で3348日目を迎え、ロシアのプーチン大統領を批判し、獄死した反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の側近が12日、国外で何者かに襲撃され重傷を負ったとナワリヌイ氏の報道担当者が明らかにした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     プーチン政権に立てつく者は たとえ海外にいても 命を狙われるという見せしめだ

     

         

 

昨日の夕食は「牡蠣鍋」にしました 広島の牡蠣は美味しいですね

 

     

     

 

         

 

昨日の日経夕刊「グローバル ウォッチ」コーナーは「ロシアの芸術団体、出稼ぎに ~ 中国」という見出しで、最近のロシアの芸術家の動向を紹介しています 超略すると以下の通りです

「ロシアのウクライナ侵攻によって、ロシアのオーケストラやバレエ団など芸術団体が相次いで中国各地で公演を実施している プーチン大統領に近いと言われるワレリー・ゲルギエフ氏は、ウクライナ侵攻を非難しないことを理由にドイツのミュンヘン・フィル首席指揮者を解任されるなど、欧米では事実上追放された その後、彼はサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場の芸術監督に加え、23年12月にはボリショイ劇場の総支配人にも任命された ゲルギエフ率いるマリインスキー劇場のオーケストラと合唱団は2023年3月と10~11月に、中国北京の国家大劇院の音楽ホールで『中国で過去最大規模』(中国メディア)の公演を行った 北京や上海といった大都市に加え、黒竜江省ハルピン市、山西省太原市、江蘇省南京市、広東省珠海市の地方も巡った 一部メディアは、ゲルギエフ氏が3月の北京での公演に際して『非常に光栄で、家に帰ってきたようだ』と話したと報じた。ボリショイ劇場やロシアの鬼才振付家ボリス・エイフマン氏率いるバレエ団なども23年に北京で公演した。オーケストラで目立ったのはロシアのムジカエテルナだ 23年10月に国家大劇院でラフマニノフの交響曲などを演奏して熱狂的な支持を得た。ロシアの芸術団体の中国公演を後押ししたのは、習近平国家主席が23年3月のロシア訪問時に交わした芸術などの交流強化の合意だ。また、ロシアの有名な音楽学校、モスクワ・チャイコフスキー音楽院は23年9月、重慶市政府と協力し、重慶市にチャイコフスキー音楽院を設立することで合意した ロシア側は欧米公演のキャンセルで失った外貨獲得のチャンスを中国で取り返すことができ、中国側はウクライナ問題などで対立が続く米国をけん制するためにも、米国よりもロシアの演奏家を優先するという 24年にはロシアの名門とされるペルミの歌劇やバレエ団が大規模な公演を行い、ロシア・ナショナル管弦楽団も中国で公演する計画だ。ただ、中国経済は足元で回復が遅れており、楽器業界の大手企業の23年1~9月の売上高は前年同期比で約2割減少した 子どもに音楽やバレエを学ばせる余裕がなくなりつつある 一部のロシアの芸術団体の中国公演では空席が目立つようになってきており、中国だけではその経営が成り立たなくなる可能性もある

「ゲルギエフはどこでどうしているんだろう」と思っていたら中国に出稼ぎに行っていたのですね しかし、海外公演といってもロシアと同じ強権主義国家の中国に限定されているようです 海外遠征を拡大するとしても、ロシアを支持するベラルーシとか限界があるように思います 「ムジカエテルナ」といえば、楽員が立奏で交響曲を演奏することで有名なオーケストラですが、昨年10月に中国でラフマニノフの交響曲を指揮したのはギリシャ出身のカリスマ指揮者テオドール・クルレンティスだったのだろうか? 彼も欧米には出られないのだろうか? また「ロシア・ナショナル管弦楽団」といえば、ロシアの指揮者・ピアニストのミハイル・プレトニョフが1990年に設立した世界屈指のオーケストラですが、ロシアのウクライナ侵攻がらみで、政権の意向と合わないプレトニョフは音楽監督を解任され、彼はスロヴァキアの首都ブラチスラバで新たに「ラフマニノフ国際管弦楽団」を設立したのでした 同じロシアの芸術家でもゲルギエフとプレトニョフでは全く異なる人生を歩んでいます

 

     

 

         

 

中山七里著「テロリストの家」(双葉文庫)を読み終わりました 中山七里は1961年岐阜県生まれ。2009年「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビュー クラシック音楽から社会問題、法医学まで幅広いジャンルのミステリーを手がけ、多くの読者の支持を得ています 多作活動は「中山七里は七人いる」と言われています

本作は2020年8月に双葉社から刊行された単行本を24年2月に文庫化したもので、12か月連続刊行企画(!)の第8弾に当たります

物語の主人公は、国際テロを担当する警視庁公安部のエリート刑事・幣原勇一郎。妻の由里子、大学院生の長男・秀樹、高校生の長女・可奈絵と共に、千代田区隼町にある警視庁官舎で暮らしている 幣原はある日突然、イラク人の監視役を外され、新人刑事でも出来る仕事に回される いったい何があったのか?と疑問を抱くが、イスラム国のリクルートに息子の秀樹がメールで応募していたのだった 秀樹は勾留され、可奈絵は学校で虐めに遭い由里子の実家に避難することになる 幣原は妻から息子を警察に売ったのかと疑われる 実は幣原は公安部に所属していることを家族には隠していたのだった 一方、警察でも家族から逮捕者が出たことで幣原が疑われ、事件を嗅ぎつけたマスコミが官舎に押し寄せることになる 幣原は四面楚歌の中、どうして息子はイスラム国のリクルートに応募したのか独自に動くのだった

 

     

 

【以下、ネタバレ注意:本書をこれから読まれる方は、以下を読まないことをお勧めします】

物語は、一旦保釈されて自宅で監禁状態にされていた秀樹が、家族の目を盗んで外出した先で殺されたことで大きな転換点を迎えます これは、過去に起きたイスラム国による事件で犠牲になった家族が、イスラム国のシンパとなった秀樹に恨みを抱いて口論の末にビルから突き落としたという真相が語られます 犯人を特定する幣原の理論展開にはちょっと無理があるように思いましたが、そこは中山七里です その先で、もっと深い幣原家の内部事情が明かされ、なぜ本書のタイトルが「テロリストの家」なのかが浮き彫りになります

中山七里は一筋縄ではいかない、とあらためて思いました それにしても、この手の350ページもあるミステリーを12か月連続で計12冊、しかも別々の出版社から刊行したのですから、中山七里 恐るべしです

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