人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

NHK-TV「小澤征爾~日本人と西洋音楽」を観る / クロード・ルルーシェ監督「愛と哀しみのボレロ」を観る ~ ヌレエフ、カラヤン、ピアフ、グレン・ミラーをモデルに描いた大作ドラマ

2024年03月24日 00時09分54秒 | 日記

24日(日)。昨夜11時からNHK-Eテレで「ETV特集選 小澤征爾~日本人と西洋音楽」(1993年放送)を再放送していたので観ましたが、すごく面白かったです 当時、小澤は58歳で、すでにベルリン・フィルの定期を振って25年、ボストン響の音楽監督になって20年のキャリアを積んでいました インタビューの中で彼が繰り返し強調していたのは、「ベルリン・フィルと比べて日本のオーケストラは最初から実力差が付いているから、どうやっても敵わない」と考えることは間違いだ、ということです 指揮者としての小澤は、ドイツ人でもなくフランス人でもなく、中国生まれの日本人であるにも関わらず、世界的な指揮者として活躍していることを考えれば、説得力のある発言だと思いました 「斎藤文法」と呼ばれる指揮法(斎藤メソッド)についても熱く語っていました インタビューの場所がベルリンだったことからか、バックに流れていたのはブラームスの「交響曲第1番」だったり、カール・オルフの「カルミナ・ブラーナ」だったりしましたが、最後に流れたのはドヴォルザークの「交響曲第8番」でした NHKもやる時はやるじゃん、と思った番組でした

ということで、わが家に来てから今日で3358日目を迎え、ロシアのぺスコフ大統領報道官は、長期化するウクライナ軍事侵攻について「我々は戦争状態にある」などとロシアメディアが22日に公開したインタビューで述べた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     「特別軍事作戦」から「戦争」に変えたのは 危機感を煽って徴兵し易くするためね

 

         

 

まだ腰痛が完治したわけではありませんが、かなり良い方向にあるので、少しずつ行動範囲を広げようと思っています ただし 外出する際に腰痛用ベルトを着用するのはこれまで通りです

ということで、さっそく昨日、TOHOシネマズ新宿でクロード・ルルーシェ監督による1981年製作フランス映画「愛と哀しみのボレロ」(185分)を観ました

この映画はルドルフ・ヌレエフ(バレエダンサー)、エディット・ピアフ(歌手)、ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮者)、グレン・ミラー(音楽家)という4人の実在の人物をモデルに、運命の糸で結ばれた2世代4家族の物語を中心に描いた大作ドラマです モスクワ、パリ、ベルリン、ニューヨークを舞台に、1930年代の第二次世界大戦から1980年代へと至る中で、芸術家たちのドラマティックな人生模様が描き出されています

ルドルフ・ヌレエフをモデルとしたバレエダンサー、セルゲイ・イトビッチ役をジョルジュ・ドンが演じています

エディット・ピアフがモデルの歌手エブリーヌ役をエブリーヌ・ブイックスが演じています

ヘルベルト・フォン・カラヤンをモデルとした指揮者カール・クレーマー役をダニエル・オルブリフスキーが演じています

グレン・ミラーがモデルの音楽家ジャック・グレン役をジェームズ・カーンが演じています

 

     

 

この映画を観るのは3回目か4回目です 観ているうちに、あのシーン、このシーンを思い出しました まず最初は冒頭のジョルジュ・ドンの踊る「ボレロ」です パリのエッフェル塔をバックに、赤い円卓の上でしなやかに そして優雅に踊ります 振付はモーリス・ベジャールです。4日前に観た上野水香の踊る同じ振付による「ボレロ」を思い出しました このベジャールによるボレロの振付は、日本で初めてパフォーマンスとしての「知的財産権」を獲得しています 従って、許可なく踊ることはできません。「ベジャールのボレロ」はこの作品をきっかけに人口に膾炙しました

この映画の中でジョルジュ・ドンの踊るバレエはもう一つあります  パリのオペラ座で踊るベートーヴェン「交響曲第7番」の第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」です 彼の踊るバレエは躍動感にあふれ爽快感に満ちています ボレロの「静」と第7番の「動」が対照的です。どちらも圧倒的なパフォーマンスです

 

     

 

カール・クレーマーはヒトラー総統の前でベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第14番”月光”」を弾いてピアニストとしての名声を得ます 戦後、彼は指揮者に転じ、凱旋門の頂上でリスト「前奏曲」を指揮します そして、チケットが完売となったコンサートでブラームスの「交響曲第1番」を指揮することになりますが、幕が開くと客席には2人の評論家が座っているのみで、ガラガラでした カールは悔しさを指揮にぶつけ渾身の演奏を展開します 演奏が終わると天井からたくさんの紙片が降ってきます。それはカールがヒトラーと一緒に笑顔で写っている写真でした チケットはユダヤ人が買い占めたうえ、コンサートに来なかったのです

ところで、カールを演じたダニエル・オルブリフスキーは「0011ナポレオンソロ」のイリヤ・クリヤキン役として活躍したデヴィット・マッカラムによく似ていて、最初に観た時は彼かと思いました

 

     

 

ロシアのバレエ教室のシーンでは、ボレロをはじめ、ショパンのノクターンなどに合わせてバレエが躍られていました

アメリカのグレンを主役とした物語では、ミュージカル仕立てでストーリーが展開し、歌も踊りも素晴らしい この映画の音楽を担当しているのはフランシス・レイとミシェル・ルグランなので、その素晴らしさは言うまでもないかもしれません

最後は、登場人物たちが見守る中、再びエッフェル塔をバックにジョルジュ・ドンが「ボレロ」を踊るシーンです ジョルジュ・ドンはしなやかでノーブルです

何回観ても飽きないどころか、また観たいと思います 3時間5分があっという間でした 掛けがえのない素晴らしい映画です

 

     

 

     

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