人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

健さんの飲みっぷりに注目~降旗康男監督、高倉健主演映画「あなたへ」を観る

2013年01月02日 07時25分08秒 | 日記

2日(水)。昨日の年の初めは、いつも通り7時前には起きてブログを書いてアップ、子どもたちはまだ寝ているので、それぞれ100ページにも及ぶ朝日と日経の元旦号を読みました 読み応えがあるのですが、正直言ってまったく興味のない特集もあります 何より新聞配達の皆さんが大変だと思います。もっと他の日に振り分けて平準化してはいかがでしょうか

新聞を読みながらBGMに今年の初CDを聴きました 「ザ・ベスト・オブ・マリア・カラス」の第1集と第3集です。これは年末に観た映画「終(つい)の信託」で使われていたプッチーニ「ジャンニ・スキッキ」のアリアがきっかけです

第1集にそのアリア「私のお父さん」が収録されています。ほかにはベッリーニ「ノルマ」の「清らかな女神よ」、プッチーニ「トスカ」の「歌に生き、恋に生き」などの珠玉のアリアが詰まっています

 

          

 

第3集にはジョルダーノ「アンドレア・シェニエ」の「亡くなった母を」、ヴェルディ「イル・トロヴァトーレ」の「恋はバラ色の翼にのって」などのアリアが収録されています 今は亡きマリア・カラスですが、彼女のドラマチック・ソプラノはCDを通して人々の感動を呼びます

 

          

 

11時過ぎにお雑煮をつくり、アラスカのおせちと一緒にいただきました。年の初めということで、日本酒の冷酒 で乾杯しましたが、息子はお猪口一杯だけ、4合瓶の残りを娘と私とで空けました。娘の日本酒好きはいったい誰に似たんだろう

 

          

 

  閑話休題  

 

池袋の新文芸坐で降旗康男監督「あなたへ」を観ました この映画は健さんの205本目の作品とのことです

富山刑務所の指導技官・島倉英二(高倉健)のもとに、ある日、亡き妻・洋子(田中裕子)が遺した絵手紙が届きます そこには「故郷の海を訪れて散骨してほしい」と書かれていました。島倉は内装を手作りしたキャンピング・カーを運転して長崎まで1,200キロの旅に出ます 途中、山頭火の歌に心酔する自称・元国語教師(北野タケシ)、ずうずうしいが何故か憎めない駅弁の店頭販売員・田宮裕司(草なぎ剛)とその同僚・南原慎一(佐藤浩市)などと出会い、交流を深めながら目的地にたどり着きます現地の郵便局で”局留め”になっていた絵手紙には「さようなら」とだけ書かれていました。島倉は、洋子がどういう気持ちでそれを書いたのか、どういう意味があるのか分からず悩みます 散骨のための船を探す中、ある嵐の夜、食堂の女主人・濱崎多恵子(余貴美子)にその話を打ち明けます。それを聞いて自らの体験を話す彼女の言葉に島倉は救われます。そして、妻の願いどおりに長崎の海に散骨を済ませます。人には、それぞれの時間の流れがある。自分自身の人生を楽しんでほしい。それが「あなたへ」のメッセージだったのです

映画で本当に久しぶりに健さんを観ました。”健さんも年をとったなあ”というのが正直な感想です 1か所だけ昔と変わらないなあ、と思ったシーンがあります。それは、旅の途中で駅弁の店頭販売員の二人と居酒屋でビールを飲むシーンです。大事なものを扱うようにビール・ジョッキを持って、いかにも美味しそうにグッと飲んで”プハー、旨い!”という表情を見せるのです その表情はまさに1977年の山田洋次監督「幸福の黄色いハンカチ」で、網走刑務所から出所したばかりの島勇作(高倉健)が食堂でビールを飲むときの仕草・表情とまったく同じなのです 思えばあの映画から35年以上の年月が流れているわけですが、そこには”変わらぬ健さん”がいました

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

クラシック音楽好きのご家庭では、1日の夜はNHKテレビで「ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート」をご覧になるのが慣例だと思います ところが、クラシック音楽好きな私が居るわが家では、普段、私がテレビを観ないのでチャンネル権が無いに等しいのです もっとも、番組表を見ると今年の指揮は現在のウィーン・フィルの常任指揮者フランツ・ウェルザーメストとのこと。彼のファンには申し訳ないのですが、全く魅力を感じません これが、今は亡き、華麗な指揮者カルロス・クライバーや、いかにもウィーン・フィルのメンバーに自由に演奏させているように見せながら実は巧妙にコントロールしていたジョルジュ・プレートルのような指揮者であれば、何が何でも観るのですが・・・・・・その意味では、今のクラシック音楽界はスター不在とも言え、寂しい思いです

また、このニューイヤーコンサートは毎年、ライブ録音の上ほんの数か月後にはCD化され販売されるので、生の緊迫感や有り難さが薄れているように思います。個人的には指揮者を問わず毎年CD化というのが、いかにも商業主義的で好きではありません

 

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