人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

シューベルトの弦楽四重奏曲「ロザムンデ」を聴く~新日本フィル室内楽シリーズ

2013年01月30日 06時59分44秒 | 日記

0日(水)。昨夕、丸の内消防関係団体の「新年顔合わせ会」が丸の内の日本工業倶楽部で開かれたので、S元監査役と参加しました M丸の内消防署長に挨拶をしてから、知り合いがいないか探しましたが一人もいないのでひたすら飲んで食べました ウイスキーの水割りを2杯、赤ワインを2杯飲んで、寿司、おでん、蟹ピラフ、焼きそば、ホタテの貝柱、牡蠣フライ、デザートにメロンと苺、仕上げにコーヒーと、ほぼフルコースを平らげて会場を後にしました 私は7時からすみだトりフォニーホールでコンサートがあるので、東京駅から総武線で錦糸町に向かいました

 

  閑話休題  

 

すみだトりフォニーホール(小)では新日本フィル室内楽シリーズ「音楽家たちの饗宴」第3回公演を聴きました プログラムは①ハイドン「フルート三重奏曲第1番~第4番(ロンドン・トリオ)」、②シューベルト「弦楽四重奏曲第13番イ短調”ロザムンデ”」です

開演前、いつものように新日本フィルの第2ヴァイオリン奏者・篠原英和さんによる”プレ・トーク”がありました。この日はスメタナ四重奏団とアレクサンダー・シュナイダー氏の解説がありましたが、いつもながら原稿は用意するものの、まったくそれを見ないで”立て板に水”のごとく弦楽四重奏団のメンバーの名前や物事の年代を正確に言い表して、観客の関心を引きつけていました

これについて、公演終了後の”ワンコイン・パーティー”でご本人が参加者の質問に答えて「私は小さい頃、引きこもりだったのです その当時は”引きこもり”という言葉はなかったのですが、楽しみと言えば、レコード・ジャケットの解説を隅から隅までよく読むことでした。それが記憶に残っているのです。脊髄と口が直結していて、言葉が自然に出てしまうのです。決して頭がいいということではないのです」と謙遜していらっしゃいました。私は決してそんなことはないと思っていますが

篠原さんは以前プレ・トークで「今期限りでプレ・トークは降りる。私の後任は決まっている」とおっしゃっていましたが、「後任を発表します。次期のプレ・トークはコントラバス奏者の村松裕子さんが担当します」と発表されました。会場からオーッというどよめきの声が・・・・ この人選は意外でした。男性とばかり思っていましたので ご本人には本当に失礼なのですが、篠原さんの”立て板に水”のイメージからは遠いように思われます 村松さんをよく知る人は、いやあピッタリだと思うよ、とおっしゃるかもしれませんが、わたしには未知数です。いずれにしても、誰がやるにしても篠原さんの後任は”いばらの道”を歩むようなものだと思います。同情します。しかし、村松さんと言えば、パリコレに出てくるモデルのようなスタイルのいい素敵な女性ですから、是非応援したいと思います。村松さん独自のトーク・スタイルを確立することを期待したいと思います

 

          

 

1曲目のハイドン「フルート三重奏曲」第1番~第4番(ロンドン・トリオ)はフルート=荒川洋、ヴァイオリン=塩澤菜美、チェロ=川上徹の演奏です 4曲全部通して35分~40分程度の短い曲ですが、すべてが長調の曲と言うこともあり、アカルク(①明るく②あ、軽く)楽しい曲です。聴く側は気軽に聴けるのですが、それよりも、演奏する側が楽しめる曲ではないかと思います。そんな演奏でした

ハイドンについては、”ワンコイン・パーティー”で篠原さんが「ハイドンというと軽く思われがちですが、グレン・グールドは”最も偉大な音楽家”と評価していました。晩年に録音したハイドンのピアノ・ソナタは本当に素晴らしい演奏です グールドはモーツアルトよりもハイドンを評価していたと言ってもよいかもしれません」と解説されていました。私もその演奏をLPレコードで持っていますが、久しぶりに聴いたみたくなりました

2曲目のシューベルト「弦楽四重奏曲第13番イ短調”ロザムンデ”」は第1ヴァイオリン=澤田和慶、第2ヴァイオリン=山恵子、ヴィオラ=高橋正人、チェロ=多田麗王の演奏です

終演後、ホワイエでの”ワンコイン・パーティー”で、篠原さんが第1ヴァイオリンを弾いた澤田和慶さんにインタビューして「シューベルトの”ロザムンデ”は純粋で真っ白な曲ですが、演奏するには本当に難しい曲だと思います この曲を弾いていてどういう感想をお持ちですか?」と訊ねていました。もちろん澤田さんは「難しい曲です」と答えていました。ここで私は、なぜ篠原さんが「この曲は難しい曲だが、弾いている本人はどう思ったか」と訊いたのかを考えました。私なりの解釈はありますが、それを言葉で表すのは非常に困難です。間違っているかも知れませんし ただ、篠原さんのやさしさが現われた質問だったな、と思いました

全体を通してみて、後半の楽章にいくにしたがってアンサンブルが良くなってきたという印象を持っています とくに第3楽章「メヌエットートリオ:アレグレット」ではチェロがよく歌っていました

”プレ・トーク”が始まる前に、篠原さんが2冊の本を持ってきてくださいました 私のブログに篠原さんがコメントで教えてくださったことから、古本屋をはしごして探していたのに見つからなかった本です ブタペスト・クァルテットの向こうをはってブタコレラ・クァルテットを結成した井上和雄氏(昭和14年生まれ)による著書で、「ベートーヴェン 戦いの軌跡~弦楽四重奏が語るその生涯」(音楽之友社)と「モーツアルト 心の軌跡~弦楽四重奏が語るその生涯」(音楽之友社。サントリー学芸賞受賞)です

 

          

          

 

この2冊の本は欲しくて欲しくてたまらなかった”待望の書”です これからじっくり読みたいと思います。趣味でブログを書いているに過ぎない、どこの馬の骨かも知れない私(篠原さんは私の名前も勤務先もご存じない)のために、時間をさいて絶版になった本を探してプレゼントしてくださったのです そのお気持ちだけでも本当にありがたく思っているところです。そのご厚意の少しでも応えるべく、いずれこれらの本についてもブログで紹介したいと思っています

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