明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2123)原発安全論を斬る!-京都市民放射能測定所主催の講演会でお話しました。動画を掲載します

2021年11月30日 16時30分00秒 | 明日に向けて(2101~2200)

守田です(20211130 16:30)

安全論をどう斬ったのか・・・お聴き下さい。

11月28日、京都市民放射能測定所主催の講演会でお話しました。zoom参加を含め30名の方が聞いてくださいました。
測定所の方が録画していただいた動画を、もりもりチャンネルより配信します。ぜひご覧下さい。講演と質疑応答、測定所からの報告などで成り立っています。


実は安全論はサクッと斬れてしまう・・・

動画の冒頭をご覧下さい。僕がここで示したのは日本の原発の驚くべき耐震性の低さです。
2014年に大飯原発を止めてくださった元福井地裁判事・樋口英明さんがご講演の折に配布するペーパーをお借りしました。
一例をあげると地震は2000年代以降、揺れの加速度であるガル数が正確に測れるようになったのですが、最大の揺れは2008年岩手宮城内陸地震の4022ガルです。

これを踏まえて三井ホームは5115ガルに耐えられる家を設計しました。しかも実験装置の上に乗せて実際に60回揺らしています。ご覧下さい。


実は講演では間違えて「三沢ホーム」と語ってしまいました。訂正のテロップを入れ、この実験のことを紹介してあります。

これに対し、大飯原発は樋口さんが判決を書いた時点で、なんと700ガルの耐震性しか持っていなかったのです。建設当時はもっと低くて405ガルしかなかった。 
実際には4000ガルを越える地震が計測されていますから、一桁も耐震性が足りない。ハウスメーカーと比べてもやはり一桁少ない。
その後、補強等々で増やしたと言っていますが、それでも現状で856ガル。それでいまも稼働しているのだからとにかくめちゃくちゃに危ないのです。


電力会社の現場でモラル崩壊が起きている

こんな現状をごまかして運転を強行している電力会社の現場で、モラル崩壊が起こり、「不祥事」が頻発しています。
今回はその構造を柏崎刈羽原発の例を使って、詳しく説明しました。
というのは同原発6号機の原子炉建屋付近で、地下の岩盤に打ち込んだくいに損傷があることがこの11月に明らかになったのですが、その発表の仕方をがひどいのです。


まず数カ月前から分かっていたことなのに、総選挙の直後を狙って発表しています。記事を目立たないようにするためです。東電の常とう手段です。
また車両が不正な通行証で入ってしまったことを抱き合わせで発表し、そちらの方にマスコミの眼がいくように誘導している。
それらで規制委員会が原発が受けていたダメージを把握できないままに再稼働を許可してしまったことや、他にもまだ損傷がある可能性があり、調査が必要なことを隠してしまっている。

しかしそんな隠ぺい行為では、マスコミは騙せても、現場の人たちは騙せないのです。
にもかかわらずそんなことが横行しているからこそ、現場の士気は下がり、モラルも低下し、「不祥事」が頻発しています。
いやそもそも現場は、いま行われている対策で過酷事故など防げないこと、少し強い地震が来たら破局になりかねないことも分かっているのです。だからモラルが崩壊しているのですが、そんな状態で原発が動いているから本当に危ない。



福島イノベーションコースト構想と放射線災害復興学

このように原発はたったいまも深刻な事故にいたって不思議がない状態にあるのですが、それでも推進派の人々が稼働を続けているのは、自分たちが儲かれば多くの人が傷ついてもいいと思っているからです。
そもそも核兵器も、核発電もこの発想がないとできないのです。なぜって常に大変な数の人々を被曝させるし、核爆弾と核発電の恩恵など何も受けない未来世代にすら、膨大な危険性と負担を押し付けるのだからです。
そしていまこの考え方に立つ人々が、次の核事故をも想定して、人々により被曝を強制させる動きを始めています。

その一つが福島イノベーションコースト構想です。福島の浜通りを原子力産業の集積地にしてしまおうとの計画ですが、これにアメリカ・ワシントン州のハンフォードの街づくりに関わった人々が入ってきている。
ハンフォードは第二次世界大戦中に原子炉が置かれた地です。目的はプルトニウムを作ることで、それが長崎原爆に詰められ、大量殺人に使われました。その後も全米の核弾頭の中にあるプルトニウムの三分の二を製造しています。
一方でものすごい核汚染も出し続け、被曝被害もたくさん出していますが、福利厚生に大金をかけることで人々を騙し、黙らせている。これを批判した研究者から「プルートピア」と呼ばれる町ですが、それと同じことを福島でやろうとしている。

これにタイアップして動いているのが、高村昇氏などが始めている「放射線災害復興学」という「学問」です。次の核災害を想定し、人々が逃げ出すことなく、汚染の中で暮らしていくように誘導しようというもの。
「放射能ストレス下の健全な子育環境の支援」などという項目がある。実際にはそんなところに「健全な子育て環境」などなく、とっとと避難することだけが求められるにも関わらずです。
この高村昇氏は山下俊一氏の右腕とも言われる御仁で、伊達市で被曝線量を大幅に過小評価する論文を書いて批判を受け、撤回を余儀なくされた早野龍五氏と組んで「放射線のホント」という大ウソ本も出しています。



 被曝強制とみんなでおおらかに立ち向かおう

この被曝強制の流れといかに抗していくのか・・・。実はすでに大きな流れが起こっています。その一つは黒い雨裁判の画期的な勝利です。とくに控訴審では、あらゆる放射能被害に通じる判決が出されました。
あたかもこれと連動するように、8月9日にはNHKが「原爆初動調査 隠された真実」という番組を放映し、戦後に広島・長崎に入ったアメリカ軍が黒い雨など被曝影響をかなりもみ消し、過小評価していたことを報じました。
このことで広島・長崎にもっとたくさんの被害者がいること、これまでの被曝評価がかなり甘かったことが明るみに出ました。ぜひこの流れを後押し、救済の枠を大きく広げたいものです。

さらに被曝の遺伝的影響にも力強く光をあて、明らかにし、被爆者のみならず被爆二世、三世への賠償としての補償、医療費などの保障を引き出し、二度と核被害が起こらない保証を為政者たちに強いていくことが問われています。


同じく福島原発事故での新ヒバクシャの健康被害についても明らかにしなくてはいけない。ICRPなどが唱えてきた放射線防護の常識(過少評価されたもの)であってすら、あれだけの放射能の漏えいで健康被害がないことなどあり得ないのです。
これらと連動しつつ、国際的な眼を日本にあてるために、国内避難民の人権に関する国連特別報告者による訪日調査を実現し、原発事故避難に対して政府にもっと大きく責任を取らせていく必要があります。

もちろんこれらと連動しつつ、原発を止めていくこと、使用済み燃料を一刻も早くより安全な状態に移させていくことが大事です。このため地震対する原発のあまりのぜい弱性を分かりやすく説いた樋口理論を広めたいです。
他方でまだ原発を止めるのみならず、核燃料の安全が確保されるまで、原子力防災を行っていくことが大事です。その基軸は「とっとと逃げる」ことですが、そのための手立ての一つとして安定ヨウ素剤の配布もを進めましょう。
そしてこれらを進めるために、心のこもったつながりを広げましょう。核と原発は現代の暴力の象徴。これをなくすためには暴力を越えていくことが大事。そのために優しさを、愛を軸としたつながりを広げたい。みんなでおおらかに歩みましょう。

以上、講演内容のポイントをまとめました!核なき未来へともに歩んでいきましょう!

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