明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2304)岸田政権の原発推進策は愚か。立ち向かうには隠された被曝の実態を明らかにすることが大事-(3月11日に奈良駅前で講演しました)その2

2023年03月19日 22時30分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20230319 22:30)

「原発推進は愚かであまりに危険 311に福島と広島・長崎をつなげて考える」というタイトルで講演

3月11日に奈良駅前集会に参加しこのタイトルで講演しました。
ところどころ録画が途切れていて聞きにくいところがありますが、話の骨格はしっかり撮れているのでぜひご覧下さい。

なおこの日の集会、300人参加が目標でしたが、なんと500人にも達したそうです!
素晴らしい。奈良の方たちの「原発を止めよう」という力強い息吹の中でお話しできてありがたく、また楽しかったです。

前回の記事でこの日お話した内容の前半三分の一を書き記しました。今回は真中の三分の一について書き記します。動画では11分ぐらいから17分30秒ぐらいまでです。

 

岸田政権の原発推進策はまったく愚かで危険

岸田政権の原発推進策はかなり「語るに落ちる」内容になっています。その核心は「次世代革新炉」を作るという話です。
安全性の高い原発を新設するという。しかしそれなら今の原発は危ないということですよね。だから「革新」が必要なのです。

その「革新」の中身としてコアキャッチャーをつけるのだそうです。原子炉圧力容器からメルトダウンしてきた燃料デブリをキャッチするので安全性が高まるというのですが、それならコアキャッチャーのない原発はダメですよね。日本の全原発がダメです。
さらにそもそも原子炉はメルトダウンしてはいけないんです。にもかかわらずメルトダウンのおきない原子炉を作るのことを諦めたわけです。しかしこれは過酷事故=設計上想定していない事態なのです。安全の確保などできないのです。

さらに小型モジュール炉や高温ガス炉、高速炉が持ち出されてますが、実証炉ができるのが40年代と言っています。実証炉はまず原型炉ができて経済的にやっていけるかテストするもの。その次に商業炉を作るのに実証炉が動くのが20年後だというのです。
そんなの実現しません。もんじゅも再処理もできていないのです。できないことが並べられているだけです。そもそも小型モジュール炉など1950年代に考案されながら使われなかったもの。軽水炉が最新化型で、それがメルトダウンしてしまうのです。

だから可能なのはオンボロポンコツの老朽炉をむりやり稼働させることですが、そんなのすぐに事故を起こします。実際に高浜4号機は止まっています。制御棒が落下したからです。制御棒が制御できないのです。同じようなことが次々起こるだけです。
展望がないことははっきりしています。でもこのままだと再び、福島原発事故やそれを越える大惨事を起こしかねない。だから止めなくてはいけないのです。

 

GX実行会議で狙われているのは緊縮からバラマキ(軍拡を含む)への転換だ!

岸田政権はこの愚かな原発推進策をGX実行会議で決めました。ここで脱炭素化のために原発を推進すると言い出したのですが、実はGX会議の狙いはそれだけではありません。実は岸田政権の「新しい資本主義」の中に位置づけられています。
この点を十倉経団連会長が2021年末に講演していて、いまの資本主義のことを格差が広がり環境を破壊する「行き過ぎた資本主義」と言っています。そしてその是正のため宇沢弘文さんが唱えた「社会的共通資本」が大事だなどと言っているのです。

これはもう腹が立って仕方がない。社会的共通資本はみんなの共有財産のことで、例えば国鉄や郵政などがそうだったのですが、それを壊してきたのが経団連なのです。格差を作り、環境を破壊してきたのが経団連なのです。
その経団連が「行き過ぎた資本主義」というのなら「行き過ぎが儲けを返せ」という話です。それを言わずに何をしているのかというと、今の新自由主義の緊縮財政をバラマキ財政に転換しようとしているのです。政府にもっとお金を出させようとしている。

バラマキとはケインズ主義というのですが、ではどこに金をだすのかというととにかく「脱炭素化」と言えば金が出る。エネルギー部門、技術部門に金を出す。あとは軍拡です。
そもそもケインズ主義は軍拡の中で一番よく回ったのです。朝鮮戦争やベトナム戦争がそれです。日本はそれで経済復興しましたよね。アメリカが潤沢にドルを使って人殺しを続けることで、戦後の経済は周りました。同じことが目論まれています。

ウクライナ戦争もそれに利用されています。その中で岸田政権が、アメリカの軍需産業を儲けさせるために、岸田政権がアメリカからこれまたポンコツのトマホークをたくさん買うわけです。
こんなことには絶対に与してはいけない。それでこの間、そもそも社会的共通資本とは何なのかということを書いた論稿を『人権21』という冊子に載せました。その抜き刷りをお分けしています。(必要な方はご連絡下さい)


奈良集会に参加された生駒憲法共同センターが「大軍拡NO」の横断幕を作られました!溝川悠介さんのメールより

続く

#福島原発事故 #次世代革新炉 #コアキャッチャー #メルトダウン #制御棒が制御できない #GX実行会議 #十倉経団連会長 #社会的共通資本 #行き過ぎた資本主義 #緊縮からバラマキへ 

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