明日に向けて

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明日に向けて(1835)「沖縄慰霊の日」に愛と平和を考える―「知っておきたい沖縄のはなし」をご覧ください

2020年06月23日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20200623 23:30)

沖縄戦のことをどう考え伝えていくのか

本日6月23日は「沖縄慰霊の日」でした。
沖縄戦で亡くなられたすべての方の霊に、心からの祈りを捧げたいと思います。
沖縄戦で心身を傷つけられ、いまなおトラウマに苦しむサバイバ―のみなさまにお見舞い申し上げます。

75年前のこの日、組織的戦闘としての沖縄戦が「終結した」という解釈があります。日本軍司令官牛島中将が23日までに自決したためです。
しかし牛島中将は「最後の一兵まで戦え」という命令を残しました。そのためその日以降も、戦闘が続きました。
その点でこの日を「終結の日」として捉えるのは正しいとは言えませんが、しかし長らくこの日は「慰霊の日」とされ、今日も平和の礎の前で、県の主催による慰霊集会が行われました。

犠牲になった人々の魂に対して私たちはどういう思いを手向けたらいいのでしょうか。沖縄戦をいかに捉え、後世に伝えていくことが必要なのでしょうか。
実は僕はこの点について本年の2月下旬に、滋賀県のある公立中学校でお話させていただきました。6月に修学旅行に行く予定の当時の2年生全生徒さんの前ででした。
残念なことに、6月の修学旅行は中止になってしまいましたが、生徒のみなさん、沖縄のことを事前学習していてとても熱心に聴いてくださいました。「慰霊の日」にこの時の動画をみなさんにご紹介したいと思います。

知っておきたい沖縄のはなし もりもりチャンネルvol.154
https://www.youtube.com/watch?v=kJ8USzX2FAs


沖縄戦と平和憲法と米軍基地

この講演には、僕が戦争の問題でこの間、考えてきたこと、取材してきたことをいっぱい込めました。
一つは、明治維新以来、日本が戦争に次ぐ戦争に明け暮れたこと。とくに1930年代には中国への侵攻を深め、その先にアメリカとの戦争に入り、太平洋の島々や海での戦争がやがて沖縄戦へといたっていきました。
その沖縄戦は、住民を守ろうとしない日本軍のあり方が顕著にあらわれた戦いでした。当初、首里城付近を攻防ラインとしていた日本軍は、那覇など都市の住民を南部に逃がしていた。しかし首里城での攻防に敗れるや、その南部に日本軍が撤退したのでした。

このため南部は兵士と住民がひしめき合う状態になってしまいました。そこにアメリカ軍が無差別攻撃をかけました。
日本軍もアメリカ軍も住民を守る気が少しもなかったので、軍人よりも圧倒的に多数の民間人が犠牲になったのが沖縄戦でした。
この点を実写フィルムもまじえながらコンパクトに説明しました。

その後、日本は戦争に敗れ、民主化が進み、平和憲法ができました。憲法は長年にわたる戦争の犠牲の上に成り立ちました。「二度と戦争などせず平和で豊かな国を作るのだ」という日本民衆の気概が溢れていました。
このことを生徒さんたちとシェアするために、文部省がこの頃に出版した「新しい憲法のはなし」の主要部分を読み上げました。
その上で、この平和憲法から除外されたのが沖縄であったこと。1972年までアメリカの統治下におかれ、基地だらけになり、朝鮮戦争やベトナム戦争への出撃がそこから行われたことを知ってもらいました。



アメリカが行ってきた戦争と沖縄

アメリカが日本に対して行った戦争の振り返りも行いました。一つは全土の都市を狙った都市空襲です。スタンダード石油が開発した焼夷弾が大量に使われました。
アメリカはさらに沖縄上陸戦を行い、さらに広島・長崎に原爆を投下しました。そのすべてが戦争犯罪でした。
大量虐殺の果てに日本を占領したアメリカは、沖縄から朝鮮へ、ベトナムへと出撃しましたが、その時、使ったのも焼夷弾でした。日本で使われたものをバージョンアップしたものが朝鮮では2倍、ベトナムでは20倍、落とされました。


嘆かわしいことに、日本はこの朝鮮・ベトナム戦争でしこたま儲け、経済復興と高度経済成長を実現しました。その象徴が東京タワーであることを指摘しました。あのタワーの上の3分の1は、朝鮮戦争でポンコツ化した米軍の戦車の鉄からできているからです。
また東京大空襲など本土空襲から、朝鮮・ベトナムへの空襲が同じ将軍に指揮されたことも話しました。カーチス・ルメイです。戦中に「皆殺しのルメイ」とあだ名したこの将軍に、日本政府はなんと天皇ヒロヒトの名で勲章を送っています。
さらに米軍は沖縄に海兵隊を軸に大量の米軍を置いてきました。今も在日米軍の4分の3がいる。その米軍は兵士を人殺しに変える訓練を続けています。その中で島袋里奈さんが殺害されるなど、繰り返し軍と軍属による島民への暴力が振るわれてきました。

暴力への抗議が繰り返される中で、普天間飛行場の返還が決まったものの、米軍が辺野古に基地新設を求め、日本政府が建設を続けています。これへの沖縄の人々の抵抗が続いていることを写真を交えて話しました。
これに世界から支持が集まっている。日本ではモデルのローラさんが、イギリスではQUEENのブライアン・メイさんが声を上げてくれました。そんな中で、基地反対の玉城デニーさんが知事になっています。
これらを踏まえて最後にこうメッセージを発しました。

「沖縄の人たちはいまも戦争・軍隊・基地・暴力に反対して努力を続けています。
その沖縄を訪れてぜひ沖縄の平和のこころに触れて下さい。沖縄の優しさにふれて下さい。
そしてみなさん自身が、平和で、優しく、家族や友だちを大事にするあたたかい心を育てて欲しいです。
戦争の悲しみの中からつむぎ出されてきた愛があふれているのが沖縄です。

沖縄に、世界に、愛と平和を!」

・・・ぜひ「知っておきたい沖縄のはなし」をご覧ください!


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