明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2418)聴き取り-「三田茂医師講演」by下澤陽子-その2

2024年06月15日 08時30分00秒 | 明日に向けて(2401~2600)

守田です(20240615 08:30)

● インフォメーション

(1)本日15日午後1時より神戸市で「原発からの命の守り方」についてお話します。LIVE配信もあり。詳しくは以下をクリック
https://www.facebook.com/share/pgknX3yFH8ZTiWRR/
(2)「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」の被爆二世・三世への適用を求めるオンライン署名、順調に伸びています。(16日8時半で878人) さらにご協力をお願いします。
https://chng.it/H4rLfzrCmG
(3)冊子「原発からの命の守り方2024」もリリース中。ぜひゲットを
無料ダウンロードと冊子申し込みフォームを示しておきます。
https://forms.gle/k6EY83VWM3gAdT3U6 https://forms.gle/T8EeCkJP4d1wW6Eb9


下澤陽子さんの三田講演ノートテーク、続きをご覧下さい

この三田講演の下澤陽子さんによるノートテーク2回目をお届けします。
三田さんが「ビックリするくらいよくまとまっている。深く理解してくれているんですね。感謝!」と語ったもの。折り紙付きです!
なお今回は写真を添付していません。下澤さんのテキストとじっくり向き合って下さい。


三田さんの講演を聴いて 下澤陽子 -2


さて、この後、本題に入るのです。

京都「被爆二世・三世の会」が作った健康調査報告書には、丁寧に、心を込めて、大切に拾い上げられた、お一人お一人、おひとつおひとつの、証言が溢れています。
その証言を一つ一つ読み上げ、三田茂先生が、見てこられた新ヒバクシャの、「能力減退症」と、照らし合わせながら、その細かな解析をされていきました。
読み解きの時間です。
ここでそれを書き残す事はとても不可能ですので、ぜひ多分数日中に公開されるYouTube動画をご覧になってみてください!(守田注 すでに紹介済みです)

それは、まるで、一緒に診療を受けているようでした(守田さん談)
私たち新ヒバクシャと、被爆二世の方々と、ともに診察室にいるような。
苦しみ、悩まされた健康被害の、その絡まった糸を一つ一つ、優しい手で、愛と共にほぐしてもらっているような、そんな時間でした。
私は娘を連れて初めて三田医院の診察室を訪れたときの気持ちを思い出しました。
ああ、ここでは笑われないんだ。怒られることも、必死になって説明する必要も、ないんだ、という、泣けるような気持ちです。

………………………………………

読み解き終えて…
つらいつらい症状
診断学、治療法がない
先へ行けない

「ごめんなさい、今の医学では診断がつきません、私の力ではどうにもできない、治療法がなく申し訳ありません」
と、医者が言ってくれれば良い。
が、医者は言わない。

「あなたは病気ではない。気にしすぎだ。
治療をしたいのなら、精神科へ行けば良い」

病の悩み深く
辛い
解決しない
馬鹿にされる

「ボクは、治療の可能性は驚くほどある、と思っている。この調査報告を見て。」

チェルノブイリ原発事故25年後、ウクライナ政府報告書には、1番問題であるのは、二世の子どもの78%に慢性疾患があり、健康な子どもが極端に少ないということ、とある。
ゆえに、社会の底力、国力、が失われ、荒廃を招いている。

原爆の被爆者を数多く診てきた肥田舜太郎医師は、被爆者が最も苦しんだのが、原爆ぶらぶら病である、と、語る。
ヒロシマ・ナガサキ後、数年間はアメリカに対抗するような研究も行われていた。
都築教授は、慢性原子爆弾症の後障害、と言った。身体の身体的状況の異常、精神的能力の衰え、と。

これらは、ボクが懸命に考え命名した病名「能力減退症」と同じとみる。
ある広島大精神科の教授、これを「間脳症候群」と話す。
間脳とは、脳の最も中心の部分。

今の精神科の医者に聞くと?
…誰も知らない。
これらの話は、後に続いていかなかった。
根が絶えた。
なぜ?て、推して知るべし

「二世の皆さんの病悩みの、8〜9割は、ボクは、能力減退症とボクは思います。」

眠気
疲れやすさ
意欲の低下
記憶力、理解力、判断力、集中力の低下
ミスが多くなる
抵抗力、治癒力が下がる
これらは、二世の方々の、読み解きをした症状と、見事に一致をしている。
似ているのではない、同じものである。
「能力減退症」
この概念を作る必要があった。

風邪が治らない
だるくて長く仕事や学校に行けない。
診察所見、異常がない。
しかし患者さんたちは自覚症状が強く苦しむ。
「今までこのような事は経験したことがない」
「内にこもった状態から抜け出せない」
これら患者さんたちの言葉。
患者さんは、同じような表現する、同じ言葉を使う。
これは1つの「症候群」と見る。

そして検査によって、それらの人の多くに、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が出ていないことがわかり、その場合、ステロイドを単発で飲んでもらうことにより、劇的に改善する、という、たくさんの例があった。

新ヒバクシャに起きている能力減退症。
それは、間脳、脳下垂体機能の低下が原因であろう(詳しくは三田茂チャンネルYouTube参照)。
間脳への影響で、自律神経障害が起きる。
脳下垂体への影響で、ホルモン障害が起きる。
これらが乱されることで人のホメオスタシス(恒常性)がうまくいかなくなる。

ボク(三田医師)は、放射能被曝を探ることからこの考えに至った。しかし、、
アレルギー、農薬、添加物、化学物質過敏症、香害、
また、子宮頸がんワクチン、コロナのワクチン、の後障害。
これらもかなりの側面が能力減退症的。
間脳に原因があることも、ホルモン低下があることも、言われている。
とすれば、治療は可能。

が…治療はされない。
それは何故か?
診断学、治療学になっていないから。
医者は手を出さない。
今の社会的流れとして、診断や治療のガイドラインがかっちりと決められている。そこから外れるものは、治療がなかなか許されない、という難しさがある。

二世三世、の健康被害と言うものもここにつながる。
同じ「能力減退症」としての治療が、かなり効くのだろうな、と思われる。

以下、能力減退症に苦しみ、改善がみられた患者さんの言葉
空気の抜けたタイヤに、空気が入った感じ。
霧が晴れてきました。
ぶよぶよだった皮膚がしゃきっとしてきた感じです。
元気で明るくなったといわれます。
顔つきが変わった、元に戻ったね、と同僚に言われました。
暗いトンネルから出られた。
午後まで働けるようになった。

先天性、とは?
それは、遺伝、生まれながらに、ということだけではない。
母体の状態、環境によって、先天性は変わる。
例えば、戦時下、飢餓の中で生まれる赤ちゃんには糖尿病が多い、など。
これをエピジェネティクスという。
エピゲノムと呼ばれる。
この言葉は、今回の講演の三田先生曰くの、三田キーワードその1
それは、遺伝子の表れ方は、DNAの並び方、が全てじゃないよ、ということ。
環境がその表現を変えている。

そして、"放射線被曝"は、その1つの大きな要因になる。
放射線によるDNA損傷。
研究レベル、分子レベルの話。
そこで終わる。その先がない。

「ボクは身体を、細胞、組織、器官、全身のものすごく複雑で機能的なネットワークで動くもの、という視点でみる。」
これを一言で言うと、ホメオスタシス。
すごい線量を浴びて死んでしまうわけじゃないような被ばく、それを受けた二世三世の方たちは、このホメオスタシスが乱されること、そこが問題となってくる。
それは、私たち新ヒバクシャも。
ホメオスタシスは、三田キーワードその2。

DNA損傷、とは異なる視点、エピジェネティクス。ここは、今の遺伝学のメインらしい。
そのような視点を持つことは、原発事故後、生きる新ヒバクシャである私たちの健康、毎日の生活、が良くなる、と言うことに結びつく。
そして、三田キーワード❗その3。
高感度体質者における放射能敏感症。
311後に健康被害が現れた人たちの特性。
HSP?化学物質、電磁波過敏症?
並の人とは違う敏感さ。
認識することが治療へと結びつく。

………………………

さて、最後に三田茂先生が言われたことです。この後の親睦会の席でも話されていたこと。
とても大切なことと思ったので、ここに書き記します。

………………………

国(政府、公的機関、放影研など)が、向こう側が、やる検査というのは目的がある。
自分たちは悪くはない。
あなたの気にしすぎ。
ここへ落とし込むためにやっている。

それに対抗するためには?
自分たちの、純粋な感受性が大事。
被ばくするとDNAが切れる
活性酸素ができる。
などなどの研究の成果を聞くと、それがまるで全身に起きているような気になるが。
それは違う。

専門的な事実を言わなくとも、皆さん(二世、新ヒバクシャ)の意見と、経験のある医者が加われば、かなり解明してくるのではないかと思う。
これしか、国に対抗する手段はない。
唯一の手段ではないかと思う。

国は、期待するような相手ではない。
ABCCから始まり、ICRP、IAEA、WHO、、これは信用できる相手ではない。
嘘つきはいつまでたっても嘘つき。
そこに…みな、乗ってしまう。
批判をしながらも、どうしても乗ってしまう。
全く違う視点で見ていく必要がある。
でないと、結局向こうの言いなりになる。文句も言えなくなる。
そのために、これ(京都「被爆二世・三世の会」が作った健康調査報告書)が、本当に、とっても大事だと思う。

………………………………

そう、被害者の被害を、加害者が語ることを、許してはならないのだと思います。
核の、放射能の問題では、一貫して、これが許されています。
私たちが、語りましょう!
私たちの健康と命は、私たちのものです。
これからも、こうして繋がり、語ることは、チカラです!それが、私達自身と未来の世代を守っていくことにつながります。


猛烈に長い投稿、最後までお読みくださり誠にありがとうございました
総会は会場35人ZOOM55人、合計90人。講演会は会場50人ZOOM105人合計155人の参加でした。さらにアーカイブ視聴希望の方が90人おられるそうです。
この話が、どうか少しでも広まりますように。1人でも良心的なお医者に伝わりますように。


被爆二世・三世 そして未来世代の健康を守るために
被爆二世・三世健康調査アンケート結果報告書

ダウンロード申し込みフォーム
https://forms.gle/UdeTXoGjschrT7cN9
冊子版申し込みフォーム
https://forms.gle/24hHZXjvKUbhfTzf9

*****

ノートテークはここまでです。
下澤さん、そして三田さんへの深い感謝を捧げて、この記事を閉じます。

#三田茂 #新ヒバクシャ #能力減退症 #京都被爆二世三世の会 #被爆二世三世健康調査アンケート結果報告書 #三田医師講演会 #原爆ぶらぶら病 #被曝防護 #守田敏也 #下澤陽子


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