明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(535)小水力・面倒だけれども面白い!関西協議会総会と講演会へ!(9月1日)

2012年08月31日 23時00分00秒 | 明日に向けて(501)~(600)
守田です。(20120831 23:00)

明日9月1日に、僕は山水人の場でお話させていただくために滋賀県朽木村に
向かうのですが、同日、京都市内で小水力発電のの普及をめざすユニークな
企画も行われます。こちらもぜひみなさんをお誘いしたいものなので紹介して
おきます。

企画の名は、「小水力、さぁ関西で!」~関西広域小水力利用推進協議会設立
総会と講演会の集い~です。「関西広域」とあるのは、関西2府4県に、三重県
と福井県も加わっているため。ここでの小水力の活用をめざした協議会を設立
するというわけです。僕も理事の末席に加わらせていただいています。

小水力とは、ダムなどの大規模水力に対置した言葉ですが、実はどこからが
小水力なのか明確な定義はありません。環境省は「1000キロワット以下が小水
力と呼ばれている」と紹介しています。その定義でもいいのですが、同じ水の
落差や水流を利用して発電していながら、ダムなどの水を貯める大規模設備を
伴なわない点が特徴と言ってもよいと思います。

そのため比較的どこでも仕掛けられる。水の落差があればいいわけで、山から
水が平地に出てきたところ、そこに段差があるところなどが適地と言えます。
しばしばそこは限界集落になっているところで、設置は地域の活性化にもつな
がる。高度経済成長から取り残されたところ、反対に言えば取り残されてこそ、
昔ながらの地域のよさがまだ残っているところとも言え、そうしたところの
再生・復活につながる要素を持っています。そんなところから原発をはじめと
した大規模発電のあり方を転換する地元エネルギー活用の活路が開けてくるの
は、それだけで愉快な面があります。

それだけでなく、小水力の魅力は、実は面倒くさいこと!何が面倒くさいのか
というと、川に発電機を仕掛けようとすると、水利権の問題、河川管理の問題
などいろいろな当事者がいて、それらの人が集まらないとことが始まらないの
です。手続きが極めて煩雑なのですが、しかしそれが久々に地域の人たちが
集って、自分たちの地域をどうしていくのか、みんなで話し合っていく場を作
ることになります。そのとき地域の見直し、同時に廃れてしまったコミュニ
ティの見直しの可能性も生まれる。だから面倒くさいけれど面白いのです。

さらに小水力発電はいったん仕掛けたらあとは機械任せに近いソーラーなどと
違い、毎日、点検しに行かないといけない。落ち葉がつまったり、動物がはさ
まったりして動かなくなることがあるからです。だからいつも誰かが監視して
いなければならない面倒くささがあるのですが、それが小さいながらも地域の
雇用を生むことになる。そうして面倒なわが郷土の小水力をみんなで育てる
ことになる。手がかかるからこそ、愛着も生まれていくというわけです。

そもそもかつては地域ごとに自然と向かい合い、面倒くさい作業を一緒に担う
中で作られている地域の温かさがありました。そこには古く、封建的なつな
がりも絡まっていて、その全てを美化したら過ちかもしれない。しかし現代は、
利便性を求めて、コミュニティの必要性を薄めるばかりで、人々はあまりに
孤立した生を営むようになってしまっています。都会の孤独などはその象徴
です。もっとみんなで地域をつくっていくモメントがあっていいのではないか。
そんな可能性を小水力は与えてくれます。エネルギーだけの問題ではなく、
エネルギーを担い、活用するコミュニティの再創造がそこにある。

・・・とここまでの話は、すべて小水力の仕掛け人で友人の古谷桂信さんの
受け売りですが、ともあれそんな形で小水力への挑戦が各地で始まっており、
関西でも協議会がスタートするというわけです。興味のある方はぜひご参加
ください。未来の、人間的で豊かなエネルギーのあり方を一緒に想像力たく
ましく考えていきましょう!

******** 

■設立総会と講演会の集い

    「小水力、さぁ関西で!」■ 

☆日時  9月1日(土)午後1時(12時半開場)~4時半

☆場所  龍谷大学アバンティ響都ホール9階ホール

(京都駅八条口南、JR地下通路から直結)  
http://www.ryukoku.ac.jp/ryudaihall/access/電話075-671-5670

☆メインタイトル
「小水力、さぁ関西で!」           
~関西広域小水力利用推進協議会設立総会と講演会の集い 

☆午後1時~3時

報告 
上坂 博亨さん(富山県小水力利用推進協議会会長)     
「全国の動向と小水力利用の今日的な意義」

提言
篠 和夫さん(高知小水力利用推進協議会会長)       
「高知小水協、設立後1年半の経験から」

メイン講演 
沖 武宏さん(小水力発電技術者)
「地域に貢献してきた小水力
~中国地方の小水力発電 その歴史と今後の展望」

午後3時~3時半
休憩、入会手続き、会費納付(年会費3000円の予定)

午後3時半から4時半

入会会員による設立総会

☆「講演会の集い」までの参加費=1000円
(会員になっていただいた方は年会費と差し引きます)

☆主催=関西広域小水力利用推進協議会準備会

☆連絡先=電話  090-4037-2158(里中)  
FAX 075-371-0794(宮本)
メール sato_etsu@hotmail.com(里中)

全国小水力利用推進協議会のサイトからもお知らせが見れます!
http://j-water.jp/?p=1325





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