ぼちぼち日記

大切な日々のこと

冬の読書

2011-01-20 15:55:40 | わたしの読書

色々なこと考えすぎていたから、なんだか気が抜けてしまって・・・。
人生、本当に、色々あります(笑)。で、滞っていた読書を開始しました。
放り出していた本たちに、読みふける毎日。夜の時間の短かったこと!!!
寒い夜は、読書には向いないと、身にしみて感じたけれど、久しぶりに、狂ったように
読んで、楽しかったです。

『太陽の光』アニカ・トール  菱木 晃子・訳

ようやく、四巻まで読了。でも、四巻、あっという間だったように感じます。
ユダヤ人収容所を免れることができた少女たちの、もう一つの戦争の物語。
免れた故の苦しみ・・・そんなこと、今まで、考えたこともなかった。
その心の叫びが、胸に突き刺さります。
唯一の救いは、希望に満ちたラストだったこと。
世界が平和でありますように。心から、そう祈りながら・・・本をとじました。

四巻、すべてが素晴らしく、飽きさせなかった。
何より、主人公の姉妹以外の登場人物が、とても丁寧に描かれているのが、良かった。
良い本に出会ったなーと、しみじみ。
息子は、読んでくれるだろうか?女の子が主人公だから、無理かな?


 『ビリー・ジョーの大地』 カレン・へス 伊藤比呂美・訳

昨年、「ことり文庫」さんで、店主さんに薦められた本。
すごかったです。

詩のように語られる物語は、痛々しいまでの少女の叫びで出来ていました。
いや、痛々しい・・・なんて、そんなペラペラに薄っぺらいものじゃない。
痛みをこらえながら、身を削り、心を搾り出すように語られる言葉。
凶器のような大地に足をふんばり、生きていこうとする少女の姿に、こちらまで、歯を食いしばる。
耐えられなくなって、何度も何度も本を閉じ、少し時間を置いてから、もう一度、本を開いた。
(でも、ビリー・ジョーは、その痛みから、一時も逃れられることは、ないのだけれど)
最後に見出された希望が、淡い光ではなく、土ぼこりの向こうに、ギラギラと輝く太陽のように
力強かったことが、この物語を象徴しているようで、素晴らしかった。

息子が、高校生になったら、この本を差し出してみようかと、ふと思う。「豚の死なない日」と一緒に。
どうだろう?人間のたくましさ、強さ、弱さ、醜さ、美しさ。
生きていくことの苦しみ、そして、素晴らしさ!!!
その時には、この本、きっと、ことり文庫さんで買えるだろう。

村上春樹が二冊、もうすぐ読み終わります。
来週には、図書館から、何冊か届く予定。
風邪をひかない程度に読もうと、自分に言い聞かせてから、取りに行こう。