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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「約束の夜」58

2018年04月06日 | 物語「約束の夜」

「つまり、」

繭里が息を吐く。

「あなたのお連れ様、と云うことですね、満樹」
「そう」

いろいろあったけれど、

山一族の村で

山一族と
その敵対である、西一族と海一族
ついでに、東一族

が、

みんなで食事をしているの図。

「ふぉのスープ、うふぁいなー!」
「ふふ。海一族の村では食べられないお肉かしら」
「ちょっとツイナ! 口からこぼれているわよ!!」
「ミツグにティッシュを持たされただろ」
「この海一族のパンペンとやらも、おいしいです」
「ハンペン、ふぁよ、やふぁのねえしゃん!」
「ふふ。おかわりたくさんあるからね」
「だから口からこぼれてるって、ツイナ!!」
「ほら、使え」
「あとで、ハンペンの作り方教えてください」

たらふく食べて
ちょっと、一休みして
まったりしたところで

与篠の母、夕紀がお茶を運んでくる。

「さあ、どうぞ」

温かいお茶。

「山の夜は冷えるから、温まってね」
「そう云えば、寒くなって来たかも……」

いつの間にか、日が落ちようとしている。

夕紀が云う通り、気温が下がっている。

「今、お茶菓子も出すわね」
「やったー!」
「山一族のお菓子ってどんなものなのかしら!」
「食べてばっかりだな」
「…………」
「ふふ。山一族は野草取りが得意だから、野草を使ったお菓子よ」
「やったー!!」
「わあ、楽しみ! ヨモギ?」
「ツイナ、テイッシュ持っておけよ!」
「…………」
「ふふ、このお茶も特製だからね」
「やわのりょうひ、ふぁんでもうわいな!!」
「何云ってるか判らないわ!」
「繭里は手を付けないのか?」
「……私は、もうお腹がいっぱい」

繭里は、食後のお茶と菓子に手を触れない。

「お茶の味はどうかしら?」

「おいしい!」
「おいしいです!」

大満足の京子&ツイナ。

「それでだな」

落ち着いたところで、満樹は本題に戻る。

「俺たちは何をしに来たんだっけ?」

そう、山一族の村に。

「あ、」
「えっと」

京子が思い出す。

「私たち、裏一族を探しに来たのよ!!」

「裏一族を……?」

繭里と夕紀は、顔を見合わせる。

「でも、裏一族って」
夕紀が、ふふ、と、首を傾げる。
「あなたたちのことでしょう、京子ちゃん?」
「あわわわわわわ!」
「うわうわうわ夕紀さんっ!!」

「え。どう云うこと??」

満樹は、冷たい目で、京子とツイナを見る。

と、

「…………?」
「…………??」
「なんだ、これは……?」

突然、3人の視界がぐるりと回る。



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