不幸に敏感、幸せには鈍感
人生に問題をかかえていない
人などいないものだなと
日々患者さんを診察しながら思うのです。
他人がうらやむような
家庭や地位や財産を持ち、
まさに人生の成功者と見受けられる人には
はたからはうかがいしれない
悩みや苦しみがあります。
病気をきっかけにして
私と出会ったその日から
私的な事情の一切を
私には隠しておれなくなってしまう
患者さんも多いようです。
「他人には言えませんが、
先生にだけはお話しします」
と語られる話には、まるでそのご家庭に、
玄関からではなくお勝手から
上がりこんでいるような錯覚を覚えますが
医者だからこそ与えられた特権だと感謝して
耳を傾けます。
「生き方上手」
日野原 重明 著
今日から100歳を越える生涯現役の医師
日野原先生の「生き方上手」をネタに
お付き合いのほどよろしくお願いします。
この本は雑誌「いきいき」の連載
(2000年5月号~2002年2月号)
に加筆・修正し、構成したもの
日野原先生、90歳頃の連載なのだから
今は100歳をゆうに越えてらっしゃる
90歳で現役の医師とは驚きである
生涯現役とは日野原先生の代名詞
さて患者さんはたいてい
「私ほどの不幸者はいない」
と話されるけど
先生はいつも
「あなたの苦しみは、
どん底の苦しみの十分の一くらいですよ」
とおっしゃっているそうだが、
もっともっと苦しみのどん底におれれる人を
たくさん見てこられた
90歳を越える名医だからこその
慰めの言葉
患者さんは先生の診察もさることながら
そばにいてくれるだけで心が癒され
やさいい言葉をかけられ
病気など吹っ飛んでしまいそうにちがいない
人はえてして自分の不幸には敏感なもの
それは小さなトゲが
指に刺さったようなものなのかもしれない
早起き鳥
人気ブログランキングに参加
読者の皆様のご支援に心から感謝申し上げます。