午前11時45分、後期募集試験は国語・数学・英語の3教科で実施。お昼前、最後の科目が英語の試験である。
午前11時45分、開始チャイムが鳴る。その数秒後「放送を聞いて答える問題」が始まる。この問題が終わらなければ、他の問題に手をつけることは、実質的に不可能なのは、前期募集の試験の時と同じである。
今回は分析2として、後期募集試験の問題を取り上げることにする。
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試験は全部で7問、求められる解答数が11である。
問題1から問題3
会話を聞き、質問に対する答えとして最も適切なものを選ぶ問題である。四者択一で、ヒントの図表がついている。
問題4と問題5
それぞれ「ある場面」を説明する英文を聞き、質問に対する答えとして最も適切なものを選ぶ問題である。四者択一で、英文の答えが出ている。
問題6
KateとAkiraの会話を聞き、三つの質問(日本語で掲出されている)に日本語で答える問題。オダさんという元教師が話題になっている。記述式問題。
問題7
Hirokoが授業で行ったスピーチを聞き、その内容に対する質問の答えとして最も適切なものを選ぶ問題である。四者択一問題で、英文の答えが出ている。
基本的な構成は、前期試験の問題と同じと考えてよい。
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使用音源
平成23年度 英語録音CD [前期] 1枚
平成23年度 英語録音CD [後期] 1枚
今回はこちら。
計時使用機材
WMP11と一般的なCDプレーヤーを使った。
計時はWMPによる。ストップウオッチ不使用。
音源CD構成(後期試験分)
トラック1 音量調整のための放送
試験当日朝に試聴のために用いる。
試験とは関係ない。
トラック2 無音
トラック1をかけたままにしていると、注意される。
間違えて、問題を誤放送させない配慮。
トラック構成も前期と同じである。
トラック3(0:23)
0:00 「放送を聞いて答える問題」のアナウンス。
トラック4(1:15) 問題1
0:00 問題1から問題3の解答方法の説明
0:25 問題1放送1回目
0:40 問題1放送1回目終了
0:43 問題1Question1回目
0:50 問題1放送2回目
1:05 問題1放送2回目終了
1:08 問題1Question2回目
この問題はAとBの会話である。A→Bが2回。持っているCDについての会話。15秒で話者2、総語数36語である。
仮にこのペースで会話が続いたとすると、15秒は1分の25%なので、36を0.25で割ればいいことになる。
144wpmとしてみよう。(124)
トラック5(1:05) 問題2
0:01 問題2放送1回目
0:23 問題2放送1回目終了
0:26 問題2Question1回目
0:33 問題2放送2回目
0:55 問題2放送2回目終了
0:58 問題2Question2回目
この問題もAとBの会話である。A→Bが2回。土曜日の予定について。22秒で話者2、総語数62語である。
仮にこのペースで会話が続いたとすると、22秒は1分の36%なので、62を0.36で割ればいいことになる。
172wpm。(147)
問題1と問題2、それぞれのwpmの後のカッコ内の数字は、前期試験の問題1と問題2のwpmである。ずいぶん早くなっている。問題3からも同様に前期のwpmをカッコ内に書いておくことにする。
トラック6(0:56) 問題3
0:01 問題3放送1回目
0:20 問題3放送1回目終了
0:22 問題3Question1回目
0:29 問題3放送2回目
0:48 問題3放送2回目終了
0:50 問題3Question2回目
この問題もAとBの会話。A→Bの回数も同じ。内容はおそらくデート。Paulが時間を間違えるお話し。19秒で話者2、総語数39語である。
仮にこのペースで会話が続いたとすると、19秒は1分の31.6%なので、39を0.316で割ればいいことになる。
123wpm。(143)
この問題は前期試験よりwpmが下がっている。
トラック7(1:11) 問題4
0:01 問題4と問題5の解答方法の説明
0:21 説明終了
0:25 問題4放送1回目
0:38 問題4放送1回目終了
0:40 問題4Question1回目
0:48 問題4放送2回目
1:01 問題4放送2回目終了
1:04 問題1Question2回目
この問題は「ある場面」についての説明文を聞き、それについて解答を求めるものである。13秒で話者1、総語数43語、センテンス数4である。
仮にこのペースで発話が続いたとすると、13秒は1分の21.6%なので、43を0.216で割ればいいことになる。
199wpm。(157)
なんだかえらく早い。
トラック8(0:46) 問題5
0:01 問題5放送1回目
0:12 問題5放送1回目終了
0:14 問題5Question1回目
0:24 問題5放送2回目
0:35 問題5放送2回目終了
0:37 問題5Question2回目
この問題も問題4と同じパターン。11秒で話者1、総語数29語、センテンス数4である。
仮にこのペースで発話が続いたとすると、11秒は1分の18.3%なので、29を0.183で割ればいいことになる。
158wpm。(187)
この問題も前期試験よりwpmが下がっている。
トラック9(2:55) 問題6
0:01 問題6の解答方法の説明
0:13 説明終了
0:16 問題6放送1回目
1:26 問題6放送1回目終了
1:35 問題6放送2回目
2:45 問題6放送2回目終了
この問題は最初の方にも書いたとおり、KateとAkiraの会話である。オダさんのことを2人で話している。90秒。総語数182語、センテンス数33である。会話のやりとりが9回。前期よりも3回増えている。
仮にこのペースで会話が続いたとすると、83秒は1分の150%なので、182を1.5で割ればいいことになる。
121wpm。(145)
前期試験問題6の語数(174w)より多い。しかし、時間が長い分wpmは145から121に下がっている。会話のやりとりを聞き漏らすと、答えにくい問題だ。
なお、トラックの長さは2:55だが、録音は2:45で終わっている。最後の問題までの間10秒ちょっと空白になる。
トラック10(4:47) 問題7
0:01 問題7の解答方法の説明
0:20 説明終了
0:23 問題7放送1回目
1:52 問題7放送1回目終了
1:56 Question 1
2:07 Question 2
2:18 Question 3
2:31 問題7放送2回目
4:00 問題7放送2回目終了
4:04 Question 1
3:15 Question 2
4:26 Question 3
この問題はHirokoが夏休みの経験(入院)について話しをしている。そのスピーチを聞き、内容について答える問題である。89秒で話者1、総語数220語、センテンス数22である。この問題も前期試験の問題7と比較すると、20w減っている。
仮にこのペースで会話が続いたとすると、89秒は1分の148%なので、220を1.48で割ればいいことになる。
148wpm。(167)
なお、トラック10(問題7)の4:40のところで、「放送を聞いて答える問題」の終了が告げられる。午前11時45分の英語試験開始のチャイムから、ここまでが13分30秒前後になる。試験終了まで37分半。28点の配点は、試験時間から考えて順当なところだろう。13分30秒は、前期募集の試験の時よりも20秒ほど長くなっている。
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前期募集試験各問題のwpmとのプラスマイナス比較は以下の通り。
問題1 プラス
問題2 プラス
問題3 マイナス
問題4 プラス
問題5 マイナス
問題6 マイナス
問題7 マイナス
問題1、問題2のように短い会話文のスピードを上げて、問題6、問題7のように、比較的長い文章の総語数を減らしじっくり聞き取らせることを目途としているようにも思える。なお、このパターンは平成22年度入試と同じである。
3月25日、「平成23年度埼玉県公立高等学校学力検査 リスニング問題の分析」に書いたことのうち、①~⑤はこれで終わり。今後、[前期]と[後期]をもう一度見直して、⑥平成24年度入試への提言をまとめたい。
・・・どこかに投稿しよう。本気である。
なお、今年も分析をするために、東京新聞ウェブサイトの首都圏公立高校入試特集ページを参考にした。関東地方の公立高校入試問題を、PDFでアップロードしてくれている非常によくできたサイトである。
アドレスはこちら。
http://www.tokyo-np.co.jp/k-shiken/index.html
前回のエントリはこちら。
2011.03.27、「平成23年度埼玉県高校入試・英語リスニングテスト分析1」