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【参考情報】ヴィガノ大司教:「ロー対ウェード」判決に関するリークされた米最高裁の草稿についての宣言

2022年05月17日 | プロライフ

【参考情報】ヴィガノ大司教、米最高裁、中絶、リークについて語る

Viganò. The U.S. Supreme Court, Abortion, and the Pronunciation Leak.

2022年5月12日

マルコ・トサッティ
親愛なる「Stilum Curiae」の友人と敵の皆さん、カルロ・マリア・ヴィガノ大司教のこの声明を受け取りましたので、喜んで公開します。どうぞ、お読みください。

§§§

「ロー対ウェード」判決に関するリークされた米最高裁の草稿についての宣言

米最高裁から出てきた草案に従って、最高裁判事たちが、1973年1月22日の「ロー対ウェード」判決は違憲であり、破棄されなければならないと宣言しようとしているというニュースを、ここ数日、メディアがリークしています。

第一に、広がっている誤解を解いておかなければならないのは、この最高裁が出す可能性のある判決は、中絶の道徳的正当性を論じるものではなく、むしろ1973年の判決が、個々の州が持っている主権に関して、合衆国憲法に適合しているかどうかを論じるものだということです。したがって、中絶の正当性に関する倫理的、道徳的な問題を扱っているのではなく、憲法の下での最高裁の管轄権に関する問題なのです。

「ロー対ウェード」判決が連邦州の主権に与えた「vulnus」(傷)は憲法上の問題であり、判事たちはそれについて判決を下さなければならないでしょう。

今回の判決のこの側面をメディアは意図的に語ってきておらず、その代わりに判決の具体的な内容を強調して、それをイデオロギーの旗じるしとしたのは重要なことです。また、ディープ・ステートが悪意を持って行ったこのプロパガンダ作戦には、このニュースが世論に巻き起こす議論を先鋭化させ、判事たちがまだ最終決定していない判決の動機づけに影響を与えさせる意図があることは明らかです。判決文の草稿が早々とリークされたことで、中絶推進派やアンティファが組織する暴力的な抗議デモが引き起こされ、同時に礼拝中のカトリック教会に対するスキャンダラスな挑発や冒涜的な攻撃が多発していることに、誰も気づかないでいることはできないでしょう。カトリック信者が勇気ある証しをすることは、キリストの教会の譲れない権利であると同時に、憲法修正第一条の下でのすべての米国人の譲れない憲法上の権利でもある、まさに礼拝と説教の自由の名の下に、教会の牧者たちが励まし支持すべきことです。

今は、疑似パンデミックの犯罪的管理に関して浮上しつつあるスキャンダルや、製薬多国籍企業と管理機関によって罪深く隠蔽されてきた、依然として未知の長期的なダメージと深刻な副作用が、まだ不明なヒトゲノムを不可逆的に変更する実験的治療の押し付けに関してのスキャンダルを、米国人がまだ完全に理解していないときです。また、ジョン・ダーラム特別検察官が「ロシアゲート」の調査を終了させる準備をしていて、オバマ、ヒラリー・クリントン、バイデン(その共犯者には当時のイタリア政府の最高レベルのメンバーが含まれています)がトランプの大統領選挙キャンペーンの抑圧に果たした役割について調査を受ける(そしてできれば反逆罪と政府機関への攻撃で断罪される)のがまもなく見られるであろうときです。さらには、ジョー・バイデンが、息子のハンターがウクライナで関わった汚職事件を必死に隠蔽しようとしていますが、この事件は遺憾なことにもバイデン自身のウクライナの生物学研究所への関与を含み、そこではSARS-CoV-2ウイルスの「機能獲得」の研究が行われ、その病原性と感染性を変化させたことが知られつつあるときです。しかも、ホワイトハウスが、インフレと原材料価格の上昇という米国経済の問題を、ロシア・ウクライナの危機のせいにしようと必死になっているときです。NATOが、米国のロビーに仕える武器商人として行動し、プーチンとゼレンスキーの和平交渉を何としてでも妨げようとしているときでもあります。

さあ、今こそ、世論の目をそらし、中絶反対派のプロライフと中絶推進派の「プロチョイス」の間の衝突を過激化させるための作戦が用意されているのです。その前には、パンデミックの茶番劇の間に、さらにその前には、ジョージ・フロイド事件と「ブラック・ライブズ・マター」運動が引き起こした鬱憤によって、同じ手法で大衆操作の実験を行い、成功させていました。

最高裁に非難されるべき点があるとすれば、それは、1973年に連邦各州で中絶が当然禁止されていたにもかかわらず、合法化を各州に押し付けようとしたためです。この権力の濫用が容認されたのは、最高裁が民主党のイデオロギー的な偏見にまみれていたからです。そのために、正義を求めて天に向かって叫ぶ、罪なき子どもたちの大虐殺を生んでしまったのです。「ロー対ウェード」判決は、自然法や天主の法だけでなく、合衆国憲法に謳われている原則そのものに違反する、意図的な偏見による操作だったのです。もし判事たちがこの傷(vultus)を癒やそうとするならば、自分たちが守ることを誓った法[合衆国憲法]を適用することだけに自分をとどめるでしょう。このことは、50年前の彼らの先任者たちが行う方法を知らなかったか、あるいは行いたくなかったことなのです。

5月11日に、米上院が(「女性の健康保護法」を阻止する投票によって)中絶推進派に足並みをそろえずに反対投票をしたのが本当なら、自称「カトリック」の政治家たち、とりわけジョー・バイデンやナンシー・ペロシが、スキャンダルを与えたことを知らされます。彼らは、社会的・立法的領域で自分たちが守るべき道徳を、良心のとがめもなく踏みにじっているのですから。

聖座と米国カトリック司教協議会は、断固たる中絶非難を行うべきです。それとともに、米国のカトリック信者が、教会の教導権と一致しない立場にある選出された下院議員には、投票できず、また投票してはならないことと、そのような教導権と一致しない者たちは破門されるということを再確認すべきです。位階階級の恥ずべき沈黙が明らかにしているのは、自分たちの世話に委ねられている人々を賢明に導くべき人々の持つ劣等感を裏付けるものです。

彼らは、そうする代わりに、前回の選挙キャンペーンで司教たちが支持した政治家たちと一緒になって、崖っぷちから落ちるまで従っているところなのです。ジョー・バイデンが、「女性の健康保護」という偽善的な婉曲表現の下に、中絶を「基本的権利」として主張するのを聞くことは、カトリックの社会的公約の意味を全く理解していないことの証明であり、そのことについての責任は、位階階級だけではなく、その指針を求めて位階階級を見ているカトリック教育制度全体にもあるのです。もし、卒業生がその道徳的重大性を理解することなく、中絶を支持すると宣言することができるならば、カトリックの高校や大学ではどのような教えがなされているのでしょうか? 無罪の被造物(人間の赤ちゃん)を殺すことを、自分の命よりも子どもの命を守るべき母親が決めることができると、どうして言えるのでしょうか? これが、米国人が支持し、広めたい「文明」なのでしょうか? これが、米国人が未来の世代に伝えたい価値観なのでしょうか?

私は、米国人がこのような大衆の注意をそらす作戦に乗せられたり、衝突や暴力的反応を煽るために意図的に行われた中絶賛成派の抗議行動に刺激されたりすることはないと確信しています。子どもの殺害を宣伝する人々は、安楽死、LGBTQイデオロギー、ジェンダー論、グレート・リセット、パンデミックの茶番劇、欧州の国々を弱めてディープ・ステートの犯罪を隠蔽するためのロシア・ウクライナ危機の利用を同様に支持していることを忘れてはなりません。

ですから、私たちが「上智の座」(Sede Sapientiæ)として崇敬する聖母が、最高裁判事たちの心を照らし、正義の感覚を起こさせ、胎児の命の神聖さと不可侵性を認識できるように祈りましょう。そして、創世記で予言された「女(のすえ)」が、中絶という恐るべき罪を引き起こさせる最初の者である蛇のかしらを踏み砕くことができますように。

2022年5月12日

+大司教カルロ・マリア・ヴィガノ

Photo Credit



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