Credidimus Caritati 私たちは天主の愛を信じた

2024年から贖いの業の2000周年(33 - 2033)のノベナの年(2024-2033)が始まります

2012年9月18日、聖ピオ十世会フランツ・シュミットバーガー神父がしたインタビュー

2012年10月17日 | 聖ピオ十世会関連のニュースなど
アヴェ・マリア!

愛する兄弟姉妹の皆様、

 こんにちは! 今年の9月18日に、聖ピオ十世会ドイツ管区長のフランツ・シュミットバーガー神父がしたインタビューを日本語に訳して下さった方がいらっしゃいます。心から感謝しつつ、愛する兄弟姉妹の皆様にご紹介いたします。



聖ピオ十世会とローマとの話し合いに関する
シュミットバーガー神父様へのインタビュー




二〇一二年九月十八日、聖ピオ十世会ドイツ管区長であり前総長のフランツ・シュミットバーガー神父は、ウェブサイトpius.infoへのインタビューに回答した。その内容はこちらのページでも英語字幕付きで見られる。


Pius.info : 聖ピオ十世会とローマをめぐる話し合いについては騒がれなくなりました。最後の重要な出来事はエコンでの総会でした。あなたは管区長として参加されました。今回の総会が聖ピオ十世会の内部や外部に及ぼす影響をどのように判断されますか?

シュミットバーガー神父:なによりまず、この総会は、最後の数ヶ月にいささかの苦痛を味わった私たち長上たちの一致を強めました。私はこれを大きなお恵みだと見ています。私たちは共通の立場を見いだしたのです。このことは、新たにされた力と決心とともに、教会のための職務を続けるため、私たちの役に立つでしょう。これは、会の内部において、反響をもたらすでしょう。外部においては、もしも正常化がなされる場合に、それに際して断固としてローマに要求しなければならない数々の点に私たちは専心できると思います。これらの点は三つのポイントにまとめられます。第一に、私たちは第二ヴァチカン公会議の確実な間違いを指摘し続けることが可能であること。つまりはっきりとそれについて話すことが可能であるということです。第二に、私たちは一九六二年版の典礼書だけを、特にミサ典書だけを使用することが許されること。第三に、聖ピオ十世会内部から選出される司教が必ず一人は常に存在するということです。

聖霊降臨の祝日の頃に、聖ピオ十世会の合法的承認は間近に迫っていると思われていました。今となっては解決策はさらに遠くへ去ってしまったかのように見えます。最後の数ヶ月に何が起きたのでしょうか? この変化はいつ、どのようにして起きたのでしょうか?

 この変化は、総長フェレー司教様が六月十三日にローマで当時の教理聖省長官レヴァダ枢機卿と会見したときに起きました。レヴァダ枢機卿はその場でフェレー司教様に教義に関する新文書を提示しました。その文書は、フェレー司教様が提示した文書を受理した一方で、他方ではしかし、極めて重大な変化を含み、私たちの観点からすると、現実の問題を突きつけ、全く新しい状況を作り上げました。


教皇様が個人的に総長様に書かれた手紙についての話しがありますが。

 これは極めて多分に、私たちが教皇様に、これらの新しい要求が本当に教皇様の承認とともに付け加えられたのかどうか、これは本当に教皇様からのものなのか、あるいは教皇様の側近の方々からのものなのかどうかを尋ねたという事実によって起きました。教皇は、これらの要求が満たされることを教皇ご自身が望んでいると、私たちに確認しました。

六月十三日以来の、これらの新しい要求は何なのでしょうか?
 これは特に新しい典礼が受容され得るものであることを私たちが認めることについてです。ここで意味されていることは、新しい典礼の正統性のことだと考えます。また、第二ヴァチカン公会議についての幾つかの微妙なニュアンスについての議論を続けることは可能で得るけれども、私たちがその前に、基本的に第二ヴァチカン公会議の継続性を受け入れる準備がなければならないことです。つまり、第二ヴァチカン公会議を、他の公会議と教会の教え(聖伝)と切れていない鎖の一部として理解せよということです。 そのようなことは、絶対にありえません。第二ヴァチカン公会議には、否定することが不可能な矛盾が存在します。私たちはこの "継続の解釈学 hermeneutic of continuity" を、そのように受け入れることは出来ません。

聖ピオ十世会は、この新しい、受け入れ難い要求に対してどういった反応を見せるつもりですか?

 私たちはローマの諸聖省に、私たちは彼らとの間に困難があり、彼らが本当に私たちの正常化を望むなら、これらの要求を破棄しなければならないと告げるつもりです。二〇〇九年十月から二〇一一年四月までに起きた話し合いで、第二ヴァチカン公会議及び公会議のいくつかの文書と公会議後の教導職に関して、観点の重大な食い違いがあるということが、明らかとなりました。公会議後の教導職の見解と十九世紀の教皇たち及び教会の常なる教えに沿って私たちが支持する見解との間に、合意を見いだすのは容易ではないということは、皆が同意していたことです。これらの傷が正しい薬で治癒されない限り、そして、その薬とは噛み合わないそれら論点の数々についてオープンに話し合うということですが、それがない限り、教会内の危機に対する本当の解決はないでしょう。

ミュラー司教が教理聖省長官に任命されました。彼は聖ピオ十世会に対する反感のためによく知られています。同時に教義上の議題について、大いに論争の対象となり得る彼の意見が浮上してきています。ミュラー司教は聖ピオ十世会とローマの交渉に関してどういった立場を取るでしょうか?

はい、つい先日任命されたミュラー大司教は、現教理聖省長官です、そのため、教皇様の次に、これらの交渉に対する最終的責任を彼が負うことになります。もちろん、私たちに直接応対するのはディ・ノイア大司教です。彼は教皇様が個人的に任命しましたが、おそらくミュラー大司教に対してバランスを取るためでしょう。ミュラー大司教は実際、私たちに対して断固反対の立場を常に表明しているからです。ですが、さらに問題なことは、いくつかの点に関する大司教の異端的教えです。例えば、ミサ中に起きるパンとぶどう酒のイエズス・キリストのおん体とおん血への変化、全実体変化(transsubstantiation)のことです。ミュラー大司教はこれを事実上「目的変化 transfinalisation」と呼ばれるものへと置き換えているのです。それはつまり、パンとぶどう酒は新しい目的を持つものになるというのです。これについては彼の教義学に関する本で読めます。

 あるいはまた別の例を見てみます。ミュラー大司教は、パンとぶどう酒の聖別は聖変化の言葉を通して実際に起きているという事実をはっきりと支持していません。聖母神学に関していえば、彼は聖母の終生童貞の明確な概念を持っていないように見えます。少なくとも、彼の教義に関する著作を読むとそれを信じていないかのように思われます。それどころか、以下のように主張することが可能なのです。つまり、彼は教会が今までに信じてきた主張からある部分において離れている、もしくは少なくともどっちとも取れる立場を許している、と。
 これは実に、非常に重大で非常に悲しむべきことです、何故なら教理聖省の長官はまことに信仰の最高擁護者でなければならず、信仰の純粋さを守り、信仰の無傷を保ち、信仰の純潔の守護者でなければならないからです。この信仰を、そのすべての美しさと深遠さと偉大さを、大司教もまた信者たちに伝えようとしなければなりません。教会が常に信じ説いてきたことに関して、決していかなる疑いも曖昧さもあるべきではないのです。

一方で、聖ピオ十世会は、絶えず教皇制度を受け入れるよう要求されています。しかし、教皇制度は(聖ピオ十世会にとって)問題になったことは一度もありませんし、教義上の教えの継続性も同様です。他方では、プロテスタントらはエキュメニズムの名のもと、いかなる前提条件もなしに教会へと招かれています。しかもプロテスタンティズムは総じて教皇制度を拒絶しているにも関わらずです。これについてどのようにコメントなさいますか?

 もちろんこれは矛盾しています。カトリックの教義を否定し教皇制度を否定している人々、根本から完全に違う立場にある人々とともに、彼らはエキュメニズムを実践しています。
私たちは完全なカトリック教理、カトリック信仰のすべてを受け入れます。私たちはぜひとも自分たちの血で使徒信経に、教会の信仰に署名したいと望みます。しかし、私たちはあれもこれも受け入れないということで責められています。プロテスタント信者は第二ヴァチカン公会議を受け入れていますか? これこそが、尋ねなければならない質問です。今日、あらゆる人々が典礼において自分の好きなことを何でもすることができるなら、なぜ昔ながらの典礼を一般的に許さないのでしょうか?

 もちろん、現在の教皇様には刷新された開放性があります。私たちは二〇〇七年に公布された自発教令(訳注: スンモールム・ポンティフィクム)を天主に感謝します。ですが、例えば、典礼秘跡聖省の新秘書としてイギリス出身のロック(Roch)司教が任命されましたが、彼はこの自発教令の反対者として知られており、自分の教区で古いミサを捧げることを支持するのではなく、妨害しようとあらゆる手を尽くしたのです。こういったことは実におかしなことです。

 聖ピオ十世会がこの二つのポイント、つまり新しいミサが許容されうることと教義の継続性ということに対して回答するなら、しかも、第二ヴァチカン公会議とともに変化があったと述べて否定的な回答をするなら、ローマはこれに対しどのように反応するでしょうか? 最悪の場合、新たな破門があり得ますか?

 私は、個人的には新たな破門がありうるとは思いません。二〇〇九年に教皇様自らが、聖ピオ十世会の四司教様の破門を取り下げたのですから(そのような破門をすることは)教皇様の考えと言動には一貫性がないことを意味させるからです。そのような破門は、教会の霊的善のためになりません。また、聖ピオ十世会は五百六十から五七〇名の司祭がいる、数百の修道女と修道士の単なる修道会、幾つかの学校も経営している単なる修道会というだけでなく、聖ピオ十世会はさらに広い影響力を持ち──そのように言うのは生意気かもしれませんが私はそう信じております──ある点では、教会の聖伝を支持する全ての人々にとって、脊椎であり、参照の基準であり、重要な要素となっています。この基準が破門などという方法で傷つけられるなら、教会におけるすべての復興と保守勢力は甚だしく意気消沈するでしょう。これは大変な災いです。聖ピオ十世会にとってというよりは、むしろ教会にとって大変な悲劇です。非常な損害だと私は見ています。

いくつかの批判もあります。聖ピオ十世会が頑固でかたくななので交渉は失敗したのだという人もいれば、「どっちみち話し合いなど役に立たない。いったいなぜローマと話さなければならないのか」と話し合いそのものに疑問を呈する人々もいます。そこで最後にお尋ねします。ローマとの話し合いで何らかの利益はありましたか? あったとしたら、それは何でしょうか?

 大いに有益でありました。私の見解では、話し合いをすることで私たちが事態の正常化に関心があり、教会が尋常でない危機に瀕している結果として、自分たちの今日の状況があるのだ、ということを示したのです。この危機が私たちをしてこの教会の状況を正常化させたいという熱望へと駆り立てるのだと示しただけでなく、この事態が起こったのは私たちの過ちではないということをも示しました。これは心から強調しておきたい点です。

 もしも昔からの教義、昔からの典礼、教会の昔からの規律を全て守りたいなら、この富を元にカトリックの生活を送りたいなら、現在の状況のために、私たちが今やっていることは必要なのです。これが最初のポイントとなるでしょう。

 また、話し合いは、私たちがローマに執着し、私たちにとってこれは自明のことですが、私たちも教皇様を受け入れていることを実証してみせました。他方で、教義上の違いがあるということ、しかもこれらの違いは私たちの側から由来するのではなく、むしろ──残念ですが口にしなければなりません──教会の公式の責任者たちの側から由来していることを、この話し合いは明らかにしました。つまり、アシジの集会を催し、教会と歴代の教皇たち及び過去の公会議が禁じた、しかも、非常にはっきりと禁止したのです! そのようなことを実践している人々の側に由来していることです。これが第二のポイントです。

 話し合いの三番目の利点は、私たち長上の脆弱さを教えてくれたことです。私たちは謙遜にそれを認めねばなりません。従って私たちもまた、聖ピオ十世会の内部における明確化の一連の過程を経験しました。私たちはローマとの話し合いそのものを完全に拒否する人々には賛成しません。つまりこういうことです。聖ピオ十世会は決して己のために働いたことはありません。聖ピオ十世会自身を目的そのものだと見なしたことはありません。それどころか、聖ピオ十世会は教会と教皇たちに仕えることを常に切望しているのです。

 これはルフェーブル大司教様が常に述べていたことです。私たちは司教様たち、教皇様の役に立ちたいのです。私たちは彼らに仕えたいのです。教会を危機から救い出そうとする彼らを助けたいのです。そのすべての美、聖性において教会を新たにしたいのです。ですがもちろん、このことはいかなる妥協も、いかなる偽りの妥協もないという条件でのみ起こり得ます。これは私たちにとって非常に重要です。

 私たちは実際、公に教会内にこの宝を復興させ、この宝の権利を取り戻させようと──これは私たちの望んだすべてです──確かに試みました。そして、私たちはある程度の範囲までやり遂げたと言えるでしょう。

 聖ピオ十世会はこの話し合いの数々で、第二ヴァチカン公会議とそのいくつかの宣言に関して、今一度の再考と覚醒を促す一因となったからです。

(Sources: pius.info ─ DICI no. 261 dated September 28, 2012)

============
にほんブログ村 哲学・思想ブログ キリスト教へにほんブログ村のランキングです。クリックで応援して下さい
============
사랑하올 형제 자매 여러분,
한국성비오10세회(SSPX) 임시 웹 사이트를 소개합니다. SSPX KOREA


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。