カトリック教会の自己破壊に参与せず
ジャン・マディラン(Jean Madiran)氏は、第二バチカン公会議に、ニケア公会議以上の権威を付与する途方もないこの主張に突っ込みを入れた。彼らは、この公会議は司牧的公会議であって教義的なものではないと言ってはそれを繰り返したが、今ではそれを教義に変更することさえ望むようになったのだ!
エコンでは、生き残りの問題に対処しなければならなかった。(その後二度と授業を教えに来ることのない2人の高名なドミニコ会士たちは別にして)4人の教授が神学校を去ることになり、彼らの中には最後に行った授業中に自分たちが出て行く理由を神学生たちに説明する者までいた。残った教授たちは、神学校を小さなグループに分けて、秘密裏に継続したらどうかと提案した。ベルト参事会員は反発して
「大司教様、そうなったら神学校は死に絶えてしまいます。ここは私たちが神学校を存続させるか、しないかのどちらかです!もし私たちが分散すればこの存続はあり得ません。神学生たちの勉強や、司祭になるまで持ち堪える事、そして神学生の募集は不可能になってしまいます。エコンは存続しなければなりません。エコンはエコンです!」 と言った。
他方で、神学生たちの方は完全な平和の内に過ごしていた。大司教は引き続き彼らに事の進展を知らせることを怠らなかった。状況を見抜く彼の目は賞賛に値するものであり、個人攻撃、とりわけ教皇に対する批判などは決してしなかった。神学生たちは、「皆さんを決して見捨てません!」と約束した大司教に対して完全な信頼を寄せていた。
そこで大司教は非常に淡々と決断した:「新学年度は9月14日から始まります。神学校存続。私たちはこれまでカトリック教会が行って来た事をしたいと思います。ですから、アッペンツェル(Appenzell)近くのヴァイスバット(Weissbad)で、私たちはドイツ語圏の司祭志願者向けに神学校計画を進め、それを開校するつもりです。」
聖ピオ十世会廃止に対する大司教の答えは前進することであった。1975年11月21日、大司教が行った“宣言”の記念日であると共に、エコン、アルマダ、そしてヴァイスバットなどの神学校に127人という神学生たちを目にする学年度が始まって二ヶ月目にあたる日に、ルフェーブル大司教は、“例の3枢機卿たち”の命令(大司教は依然としてパウロ六世に疑問を投げかけることを避けていた)への拒絶に含まれる根底原理を明らかにした。
「聖ピオ十世会は依然として存在しています。聖ピオ十世会の廃止は違法であり、どんな事情があるにせよ不正です。何時の日か、御摂理は聖ピオ十世会に公式な名誉回復を行われるでしょう。しかし、聖ピオ十世会は既に天主とカトリック教会の御前に存在しているのです. . . . 法律とは生命に仕える為の手段です。しかし現時点において、法律は死に仕える手段として利用されています。人間の権威は、生命の創り主である天主の権威への参与です。ですが、この公会議以後、カトリック教会法は死と霊的堕胎をもたらす法律となっている以上、このような法律は無効です。」
10月27日、ヴィヨ枢機卿は全世界の司教評議会に書簡を書き送り、聖ピオ十世会会員たちの司教区への入籍を拒否するように“厳格に”招いた。しかしルフェーブル大司教は、この決定的な死をもたらす政策によって妨げられる事はなかった。
「もし司教区への入籍が難しいのなら、私は皆さんの聖ピオ十世会への入籍を考える事も躊躇しません 。」
この見解の根拠は、ライト枢機卿によって書かれたあの“賞賛宣言”の意味を持つ、褒め言葉で織り成された手紙にあった。さらに彼は、もともとの修道会から聖ピオ十世会へ、司教区入籍の申請なく直接に聖ピオ十世会に入籍するため、3人の(他修道会所属の)修道士たちに対して修道会聖省が与えた認可 を基にこの見解に到った。最後のものとして、彼はアダム司教の見解を用いたのだ。
アダム司教は彼にこう言っていたからである。
「あなたの会はすでに多くの司教区に拡散していますね、ですから確かに聖ピオ十世会は、自会内に(司祭を)入籍させる権威をお持ちですよ。」
これらの論証のどれも、教会法の専門用語を使用すれば「潤色されて」おり、入籍させることが出来ることはまず確実であった。
8月の終わりに、大司教はシオンの司教と(司教館ではない場所で)二回、面会した。アダム司教はヴィヨ枢機卿が個人的に訪問して来た事を彼に伝えた。これにより大司教は、ジャン・ヴィヨの狙いが、フランスの司教らの要求を満足させる事であり、終始聖ピオ十世会に対する反対運動を煽った人物である事を確信したのだった。しかし、ネストール・アダムは彼に忠告した。
「エコンは存続しなければなりません!その為にも、“パウロ六世”のミサを少し“聖ピオ五世”のミサに付け加えて続けて下さい。」
大司教は司教の言葉に含まれた欺瞞は取り上げず、ただこの「続けて下さい」に見られる激励を受け入れた。パウロ六世は、9月8日付けでルフェーブル大司教に手紙を書き送り、従順を拒絶した事に対する制裁を加えると脅しをかけて来た。9月24日、ルフェーブル大司教は回答し、“全カトリック教会にとっての‘真理の教師’なるペトロの後継者への忠誠”を表明した。しかし彼は応じなかった。何故なら、そこには新しく生まれた一団体や神学校の廃止よりもはるかに勝って危険に晒されている何かが存在したからである。彼は自分の考えを神学生たちに説明した。
「私たちに対するエコンの神学校閉鎖要求は、カトリック教会崩壊への参与を要求するに等しいことです。天主様が何時か私をお呼びになる時、私は自分の良心の中で、『そうです、私は天主様が御摂理を通して私に成し遂げるのをお許しになったもの、教会法による認可のあり、さらにローマから来た視察訪問者たちによって実質的に教会法認可を頂いたものを破壊致しました。』などと言いたくはありません。私はこれ全てを破壊するように頼まれています。何故ならカトリック教会を破壊している公会議後の方針に神学校が従わないからという理由で破壊せよと頼まれました。いえ、できません!」
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