彦四郎の中国生活

中国滞在記

中国に渡航 —寒い寒い今年の中国南部、アパートそばの1本の寒緋桜(カンヒザクラ)は満開になっていた

2024-03-02 08:17:44 | 滞在記

 2月19日、今年の二十四節気では「雨水(うすい)」(陽気がよくなり、雪や氷が溶けて水になり、雪が雨になる。)が始まる日。2週間余りの「雨水」の季節は、寒暖の日々が繰り返され、3月5日の「啓蟄(けいちつ)」(冬ごもりしていた地中の虫がはい出してくる。)始まりの日に向かう。

 中国に戻る5日ほど前の2月20日、この日は暖かく陽気がいい日だったので、自宅近くの水田や畑のあるところに散歩に行ってみることにした。(※よく散歩に行くところだが、足腰の痛みのためこの半年ほとんど行けなかった。しかし、痛みもかなり緩和されてきているので、少し休み休みだが歩いて行くことができるように回復もしてきているのは嬉しい。)

  菜の花畑で仕事をしてる人に、「生け花にしたいので2~3本もらえませんか」と声をかけると、「ああ、ええですよ。もうしばらくしたら全部刈ろうと思ってるんですわ。いくらでも持って行ってください」と言ってくれた。畑地を廻る。水仙、琉球キンパイの黄色い花、春の訪れを告げてくれるホトケノザ・オオイヌノフグリ・ナズナ・タンポポなどの花々が野に咲き始めた雨水の季節。

 見事な紅梅が満開になっている。白梅のそばには八朔(はっさく)の木の黄色い実がこの季節まで見られる。

 2月22日、久しぶりの孫たちの顔を見るために、京阪電車の出町柳駅に降り立つ。駅のほんそばの寺、早咲きの桜の蕾(つぼみ)が紅色に膨らみ始めていた。もうすぐ開花しそうだ。例年3月中旬には満開となる二種類の桜がここにはある。一つは「寒緋桜(カンヒザクラ)」。この桜は、2月中旬から下旬には、沖縄では見ごろを迎える早咲きの桜。別名は「琉球寒緋桜」「緋寒桜(ヒカンザクラ)」とも呼ばれる。花は直径が1.5cmほどの楕円形で、濃い紅色が特徴。

 もう一つの桜は「阿亀(おかめ)桜」という可愛い小さな花を咲かせる早咲きの桜。日本には600種類以上の桜が咲くと言われているが、早咲きの「河津(かわつ)桜」や「おかめ桜」などは、寒緋桜群と呼ばれる16種の桜の群種に入るそうだ。

 2月23日、かって京都府の学校の教員をしていた頃の教え子と二十数年ぶりに会うこととなった。二十数年間、毎年、欠かさずに年賀状を送ってくれる沖野君は、今は福岡市のバス会社に就職し運転手として主に郊外を走っているようだ。2月25日の大阪マラソンに一般参加として走るらしい。

 京都の四条大橋そばの南座前で待ち合わせをすることになったのだが、なにせ二十数年ぶりなのでお互いがわかるかどうか?でも、南座に行ってすぐに分かった。顔に面影(おもかげ)があるのだ。この日は満月、祇園白川石畳通りの🏮赤提灯居酒屋「侘助(わびすけ)」にて乾杯、その後に先斗町の「みちのく」へ。午後9時頃に沖野君は大阪行きの電車に乗り、お互いに別れを告げた。この日、「侘助」の前から東を見ると、東山三十六峰にかかる月が満月🌕だった。

 中国に戻る前日の24日、京都市内の丸善書店に行き、中国に持っていく文庫本などを数冊買った。近くの三条大橋たもとの二本の河津桜が三分咲きとなっていて、メジロが二羽、花の蜜を求めて飛び回っていた。

 2月25日、この日の日本はまだ寒い一日。関西国際空港から午後、中国福建省福州長楽国際空港行の直行便(厦門航空)に乗る。3時間30分ほどで中国に到着。沖縄県の那覇市と同じ緯度にある亜熱帯地方の福州市だが、今年の2月下旬は日本と同じくらい寒い。例年なら、2月中旬頃には日本の京都の4月上旬頃の気温になっているのだが‥。福州の人たちは、生まれてこのかたこの福州で雪が降るのを見たこともないようだ。でも、今年の1月22日には、薄っすらと積雪があり、福州の人たちは驚いたようだ。

 亜熱帯の中国南部の福建省がなぜ今年の冬は、観測史上に例がないほどの寒さなのか。それは、偏西風の蛇行が原因している。偏西風の北側の地方は寒冷、南側は温暖なのだが、今年はU字形に偏西風が中国の南方近くまで蛇行しているため、雪も降ったようだ。25日の夕暮れ頃に中国のアパートに戻る。亜熱帯地方なので灯油ストーブなどの暖房器具は市内でも売っておらず、エアコン設備も部屋を暖房する機能はない。ただあるのは、足元だけを暖める小さな電気ストーブ器具だけ。

 25日から今日の3月2日までの1週間余り、毎日の気温は12度〜6度。日本のホカホカカイロとマフラーと分厚い靴下で寒さをしのぐこの1週間。だけど、来週月曜日(3月4日)の天気予報は、いきなり最高気温30度の真夏日になるとの予報。

 中国に戻った翌日の26日の朝、アパートの部屋のある棟の近くの1本の寒緋桜が満開となっていた。寒緋桜は、中国南部や台湾が原産の桜で、沖縄にも人の手によって苗木が伝えられた。中国南部・台湾・沖縄では例年1月末から2月初めころに開花し、2月中旬頃に満開となる。今年の福州の冬はとても寒いので、半月遅れくらいで満開を迎えたようだ。この寒緋桜は、中国名は「鐘花櫻花」(釣鐘のように下向きに花が開花する桜の意味か)、台湾では「山櫻花」と呼ばれている。

 花言葉の「あでやかな美人」は、華やかで美しいその花姿がイメージされてつけられたのだろう。うつむいて控え目に咲くが、遠くから見ても濃い紅色がよく目立つ花を、満開時に下から見上げると豪華に咲き誇るようすを見ると、「あでやかな美人」という花言葉がうなずける。

 ここ1週間余り、氷雨(ひさめ)もよく降り続いたので、昨日には花もほとんど散っていた。今週の水曜日(2月28日)から大学の新学期(後期)の授業が始まった。3月5日には啓蟄の季節が始まり、3月20日に昼と夜の時間が等しくなる春分を迎えることとなる。

 

 

 

 


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